カイロ・レンはハン・ソロ事件の後、何を思ったか ─ 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』監督「もっと複雑なストーリーが相応しい」

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』では、前作『フォースの覚醒』(2015)より登場した新キャラクターたちの更なる物語が紐解かれていく。様々な謎が残される中、注目のキャラクターのひとりと言えば新たなヴィラン、カイロ・レンだろう。
『フォースの覚醒』で新ヒーローたちの前に立ちふさがる若きヴィランとして登場したカイロ・レン。その正体とはハン・ソロとレイア・オーガナの息子ベン・ソロだ。かつてルーク・スカイウォーカーの元でジェダイの修行に励んでいたものの、暗黒面に寝返って新ジェダイ・オーダーを壊滅せしめ、ダース・ベイダーに憧れた暗黒のマスクを被る不安定な悪として転生したのだった。
『フォースの覚醒』でも最大の衝撃シーンとなったのが、カイロ・レンによる父ハン・ソロの殺害だ。過去、息子から目をそらし続けたハン・ソロが自らの誤ちを認め、共に家族に戻るべく手を差し出すも、カイロはハンをライトセーバーで刺殺。直後のカイロの表情は、「父殺し」の闇の偉業を成し遂げて安堵しているようにも、ついに引き返せない闇に足を踏み入れ恐怖に怯えているようにも、最後まで父と分かり合えずに後悔しているようにも見えた。
「確かなものを望んでいる」
一体、カイロ・レンは父ハン・ソロを殺害した後、何を思ったのか──。この度Entertainment Weekly誌のインタビューに登場したカイロ・レン役アダム・ドライバーは、カイロの心情を読み解くヒントをわずかに明かしている。
「カイロ・レンの視点では、彼のやったことには希望がありました。どちらかと言えば、彼には正義感があります。きっと、ハン・ソロを殺害したあと、自分で自分の感情に驚いたことでしょう。彼は希望を、確かなものを望んでいるのです。」
もちろん、彼の持つ「正義感」が正しいものであるとは限らない。歪んだ正義感を振りかざす者こそ、真に恐るべきヴィランとなりうる。ハン・ソロを奈落の底に突き落とした後、自分でも驚いたという感情は、果たしてどんな形をしていたのか…。
カイロは善に戻るのか。同記事ではライアン・ジョンソン監督が「まだ書かれていない大きなストーリーがあって、それは私の知る所にないんですよ」とも語っている。
「でも、”カイロ・レンは(善に)帰還するか?”ってだけのストーリーでは面白みがない。彼はもっと複雑なキャラクターですし、もっと複雑なストーリーが相応しいはず。“彼は葬られるべき悪だ”ってだけでは、彼のマスクの下の素顔や本性をもっと知りたいとはならないと思うんです。」
きっと我々が想像するよりも遥かに複雑でいびつな岐路に立たされるであろうカイロ・レン。『最後のジェダイ』予告編では、母レイア殺害の直前に躊躇するような様子も見られたが、果たして彼は自らの手で両親を葬ってしまうのか、それとも…。
映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日、公開。
Source:http://ew.com/movies/2017/11/19/star-wars-kylo-ren-vs-rey-the-last-jedi/
Eyecatch Image:Quarax