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『デューン』「モンスター・ヴァース」レジェンダリー、『ジョン・ウィック』ライオンズゲートの買収を検討中

レジェンダリー・エンターテインメント

『デューン』シリーズや「モンスター・ヴァース」などで知られるレジェンダリー・エンターテインメント(レジェンダリー・ピクチャーズ)が、『ジョン・ウィック』『ハンガー・ゲーム』シリーズのライオンズゲートを買収することを検討していることがわかった。米Bloombergなどが報じている。

報道によると、大手資産運用会社のアポロ・グローバル・マネジメントが共同経営するレジェンダリーは、2025年5月にライオンズゲート側に接触し、今後のパートナーシップについて協議したとされる。まずは数本の映画作品を共同製作し、両社の関係を評価したうえで、最終的に買収を進めるかどうかを判断するという内容だったようだ。

背景にはふたつの動きがある。ひとつは、両社が協議した2025年5月に、ライオンズゲートが自社のストリーミングサービス「Starz」を切り離し、スタジオ事業と配信事業をそれぞれ独立させたこと。もうひとつは、かねて中国の不動産企業・大連万達集団(ワンダ・グループ)の傘下にあったレジェンダリーが、2024年10月にアポロの支援により自社株を買い戻したことで、大連万達集団が経営から外れたことだ。

現在、レジェンダリーは『デューン』や「モンスター・ヴァース」のほか、『マインクラフト/ザ・ムービー』(2025)などのヒットも手伝って快進撃を続けている。一方でライオンズゲートは、『ジョン・ウィック』『ハンガー・ゲーム』シリーズの人気はあるものの、作品ごとの興行は必ずしも安定していなかった。

これまでにも大手企業はライオンズゲートの買収に興味を示していたとされるが、当時はスタジオ部門だけでなくStarzを同時に購入する必要があることがネックだった。スタジオ部門の独立は、同社買収のハードルを大きく下げることになったというわけだ。

レジェンダリー・エンターテインメントのジョシュ・グロードCEOは、2024年10月に大連万達集団の傘下を外れた際、米The Hollywood Reporterにて「大規模なM&Aを議論する際、海外資本の所有権に対処する必要がなくなった」と述べ、「内部資源の活用とM&Aによって、映画・テレビ双方の拡大を実現できる」と語っていた。2024年にはパラマウント・ピクチャーズの買収計画も報じられていたが、こちらは実現せず、このたび改めて大きな動きが伝えられた形だ。

もっとも現在、メディア業界は再びM&Aの時代を迎えつつあるともいわれる。米Deadlineによると、ライオンズゲートに接触しているのはレジェンダリーだけではないというから、今後、別の企業が買収に名乗りを上げる可能性もある。

Source: Bloomberg, Deadline, The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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