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『LETO -レト-』本編映像、トーキング・ヘッズの名曲「サイコ・キラー」歌う新感覚シーン

LETO -レト-
© HYPE FILM, 2018

第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され<カンヌ・サウンドトラック賞最優秀作曲家賞>を受賞し、その他各国の映画祭で数々の受賞&ノミネートを果たした『LETO -レト-』より、本編映像が公開された。ミュージカルのようなミュージックビデオのような、新感覚の映像だ。

これは、ニューヨークのパンクロックシーンで、知的なサウンドで異彩を放ったトーキング・ヘッズの名曲「サイコ・キラー」を、列車内で乗客を巻き込みながら歌うシーン。

流血した若者が、現実への不満を発散するかのように歌い始めると、ユニークなアニメーションが音楽と映像に合わせて躍動。ミュージックビデオのような様相を呈しながらも、乗客の持ち物を利用したり、乗客がコーラスに参加したりと、その場にいるすべての人を巻き込んで進行する、ミュージカルのような一体感も垣間見える。

ロックミュージックと西洋の影響に敵対的なソ連当局に対して、規制に縛られた鬱憤を晴らすように、そして純粋なパッションに突き動かされるように、「殺すなら殺せ!俺は社会のクズだ」と、反逆の熱気を爆発させる場面も。さらに、色のないモノクロの世界に、若者たちの新しい色が加えられるように、ポイントカラーで赤く塗られた遊び心ある演出も映し出されている。中毒性の高いパンクロックの名曲「サイコ・キラー」に彩られた映像は、様々な技法と演出が施され、今までにない全く新しい音楽映画を期待させる。

LETO -レト-
© HYPE FILM, 2018
LETO -レト-
© HYPE FILM, 2018
LETO -レト-
© HYPE FILM, 2018
LETO -レト-
© HYPE FILM, 2018
LETO -レト-
© HYPE FILM, 2018
LETO -レト-
© HYPE FILM, 2018

カンヌを始め世界中の映画・音楽ファンを大熱狂の渦に巻きこんだ本作。監督は無実の容疑で国に拘束され、現在もロシア政府の監視下にある前衛的な芸術家キリル・セレブレンニコフ。1年半の自宅軟禁のさなかに本作を完成させた。

この作品は、ロシアの伝説的バンド「キノ」のヴォーカルであるヴィクトル・ツォイと、彼の音楽的才能を見出したロックシンガーのマイク・ナウメンコ、そしてその妻ナターシャの3人をモデルに、ペレストロイカ目前のレニングラードで純粋に“自由”と“音楽”を追い求めた若者達のひと夏を描く。T・レックス「Broken Hearted Blues」、トーキング・ヘッズ「サイコ・キラー」、イギー・ポップ「パッセンジャー」、ルー・リード「パーフェクト・デイ」、デヴィッド・ボウイ「すべての若き野郎ども」など70‘s~80’sのロックシーンを代表する名曲の数々が劇中を彩り、ミュージカルともMVともとれる実にユニークでスタイリッシュな映像演出でカヴァーされる点も音楽ファン垂涎の見どころ。

ときは1980年代前半。西側諸国(資本主義諸国)の文化は禁忌とされていたソ連時代のレニングラードでは、L・ツェッペリンやT・レックスなど西側のロックスターの影響を受けたアンダーグラウンド・ロックが花開こうとしていた。その最前線で人気を博していたバンド「ズーパーク」のリーダーであるマイク(ローマン・ビールィク)のもとにある日、ロックスターを夢見るヴィクトル(ユ・テオ)が訪ねてくる。彼の才能を見出したマイクは、共に音楽活動を行うようになるが、その一方で、マイクの妻ナターシャ(イリーナ・ストラシェンバウム)とヴィクトルの間には淡い恋心が芽生え始めていた……。

『LETO -レト-』は、2020年7月24日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。

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THE RIVER編集部THE RIVER

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