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【ネタバレ解説】マーベル「ロキ」第2話、最後の人物は誰なのか ─ 「作品の根底を作り変える」と脚本家、原作コミックとの相違も

ロキ
(C)2021 Marvel

マーベル・シネマティック・ユニバース(MUC)ドラマ「ロキ」の第2話が配信された。エピソードタイトルは「変異体」。このキーワードにまつわる重要な新キャラクターがさっそく姿を見せた。「ワンダヴィジョン」「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」に始まったMCUのドラマシリーズでは、各エピソードで謎に満ちた新キャラクターを登場させる仕掛けが名物となりつつあるが、今回のキャラクターもその多くがベールに包まれている。

本記事では、第2話を簡単に振り返った上で、原作コミックでの設定や本シリーズの脚本を務めるマイケル・ウォルドロンの言葉から、新キャラクターが残した謎を少しだけ紐解いていく。

この記事には、「ロキ」第2話『変異体』のネタバレが含まれています。

ロキ
(C)2021 Marvel

何が起きた?第2話エンディング振り返り

本シリーズにおいて、トム・ヒドルストン演じるロキが挑むのは「変異体」の解明だ。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)にて、四次元キューブを手にして逃走した『アベンジャーズ』(2012)当時のロキは、マルチバース(多元宇宙)を1つに統合した時間軸“神聖時系列”を監視する組織・TVA(Time Variance Authority)に捕縛されてしまう。そこでロキは、TVAの職員メビウス(オーウェン・ウィルソン)とともに時の流れを乱す「変異体」を探す任務に協力することになる。メビウスは、救いようのないロキをある明確な理由から参加させていた。探している「変異体」がロキ本人であったからだ。

こうした経緯があり、第2話ではいよいよ本格的な「変異体」(=ロキ)探しの旅が始まった。ロキは、TVAの部隊を次々と襲撃する「変異体」の行動の動機を探っていくなかで、ある共通項を発見する。この変異体は、絶滅クラスの大災害(アポカリプス)前では微々たる時の乱れにTVAが気づかないことを逆手に取り、ある1つの大災害に身を潜めていたのだ。「変異体」による過去の事例で得た証拠品を参考に、ロキとメビウスは2050年に発生した巨大嵐で消滅した(することになっている)町アラバマにある巨大スーパーマーケットが「変異体」の拠点であることをついに突き止めた。

ロキとメビウスたちは現場へ駆けつけると、推理通り黒装束に身を包んだ「変異体」が姿を見せる。劇中、ロキは「変異体」の自分をずっと「彼」と呼んでいたが、フードを取るとそこには女性の姿。配信開始前から登場が噂されていた「女性版ロキ」だ。

原作コミックとの相違

原作コミックには、「レディ・ロキ(Lady Loki)」というキャラクターが存在するが、第2話で登場した「女性版ロキ」は、恐らくこのレディ・ロキから着想が得られていると思われる。2007年にスタートしたコミック「Thor」で描かれるレディ・ロキは、姿を自在に変えられるロキが、アスガルドの滅亡「ラグナロク」に乗じて、『マイティ・ソー』シリーズにも登場した女戦士レディ・シフの体を乗っ取ったことで誕生した。つまりこの時点で、「ロキ」で新たに登場したMCU版レディ・ロキは、原作コミックの設定を踏襲していないことがわかる。

レディ・ロキを演じるのは、「バッドランド ~最強の戦士~」シーズン3(2018)などで知られるイギリス人女優ソフィア・ディ・マルティノー。仮に、MCUの『マイティ・ソー』シリーズで女戦士レディ・シフ役を演じたジェイミー・アレクサンダーがレディ・ロキとして現れていたら、キャラクターの成り立ちについてはコミックの設定が一部受け継がれたことになったが、どうやらMCUでは別の狙いがあるようだ。

さらなる急展開の起爆剤に

第2話のエンディングではレディ・ロキの企みにより、巨大スーパーマーケット内のそこかしこに仕掛られた時間軸を修正するためのリセット・チャージャーらしきものが一気に作動し、神聖時系列に分岐が生じてしまった。この異常事態にTVAの隊員は総出で現場に駆けつけるも、間に合わず、レディ・ロキは別のタイムラインへと姿を消してしまった。

ここで終了した第2話だが、脚本家のウォルドロンによれば、このレディ・ロキこそが今後のストーリーを大きくかき乱す存在になっていくという。米TV Lineの取材に応じたウォルドロンは、レディ・ロキが「番組の根底を作り変えてしまいます」と予告している。今後の展開については、「絶叫マシンを作り続けたいんです」と語るウォルドロン。「さらなる大きなダイナマイトの爆発を仕掛けるのにふさわしいタイミングでした」と、レディ・ロキ紹介の意図を明かした。

姿を消す前、レディ・ロキはロキに対して「眼中にない」と言い捨てていたが、いったい彼女の狙いは何なのか。第1話に登場したミス・ミニッツによるTVAの紹介映像では「変異体によって起こされた分岐イベントを放っておけば、時間軸がさらに分岐し、多元宇宙にわたる戦争が起きる」と説明されていた。まさに時間軸が分岐してしまったわけだが、TVAの懸念通り、多元宇宙間の戦争を引き起こすことが彼女の目的なのだろうか。終盤、レディ・ロキが通り抜けた入り口になんとか入り込んだロキ。第3話の行き先はレディ・ロキと一緒ということになるが、そこで待ち受けている展開とは……。

最後に、話をレディ・ロキの原作コミックでの設定に戻すが、ロキに身体を乗っ取られたレディ・シフを巡っては、興味深い報道が以前なされていた。MCUでレディ・シフを演じたジェイミー・アレクサンダーが、「ロキ」にゲスト出演する可能性があるというものだ。『マイティ・ソー/バトルロイヤル』(2017)では姿を見せなかったレディ・シフは、シリーズ第4作『マイティ・ソー/ラブ&サンダー』で再登場することが判明済み。もしも、同作に先がけてレディ・シフが登場したら、さらにはレディ・ロキと対面なんてしたら……何が起こるだろうか。

Source: TV Line

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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