『ロード・オブ・ザ・リング』ホビット庄、コロナ禍を経た現在 ─ 「国際ホビットデー」3年ぶりに開催

映画版『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』に登場した“ホビット庄”の現在やいかに。2022年9月22日、ビルボとフロドの誕生日を記念した「国際ホビットデー」が、コロナ禍の影響を受けて3年ぶりに開催された。
ニュージーランド・ワイカト地方にあるホビトン・ムービー・セットでは、ホビット庄(シャイア)の緑豊かな牧草地を、ガイドによる解説を聞きながら散策することができる。『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督がロケ地を探している最中に偶然発見されたというこの農場は、2011年に再建されて『ホビット』の撮影にも使用されたのち、現在もホビット庄を完全に再現した観光名所となっている。
国際ホビットデーが開催されたのは、このホビトン・ムービー・セット。イベントのチケットはすぐに完売し、国内外から多くのファンが詰めかけたという。参加者は撮影時のエピソードをはじめ、緑竜館(グリーン・ドラゴン・イン)で伝統的なホビット料理やドリンクを楽しみ、月明かりのもと、袋小路屋敷の明かりに照らされながら、活気あふれるホビット庄を満喫したようだ。

2022年は『ロード・オブ・ザ・リング』(2001)の日本公開20周年を記念し、シリーズ3部作の4Kリマスター版がIMAX上映されている。10月7日(金)には第2作『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』(2022)が公開され、第3作『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003)は10月28日(金)に公開予定。また、映画版と同じくニュージーランドで撮影された、ドラマ版「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」も話題だ。
ニュージーランドではホビトン・ムービー・セットだけでなく、おぼろ谷やモリアの坑道のシーンが撮影されたカフランギ国立公園(オリンパス山・オーウェン山)、白の山脈と烽火の撮影に使用されたウエストコーストのガン山、ローハンの王都エドラスに使用されたカンタベリーのマウント・サンデーなど各地のロケ地を現在でも訪問することができる。
「力の指輪」製作総指揮のカラム・グリーン氏は、「ニュージーランドは、これまで撮影してきた中でおそらく世界最高のロケーションだと思います」とコメント。ちなみにウェリントンにあるWETAワークショップは、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作でコンセプトデザインや特殊メイク効果などを担当。その創作プロセスや実際の小道具などを見られるツアーも用意されている。
ニュージーランド政府による2019年国際訪問者調査によると、国外観光客の18%が『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』をきっかけにニュージーランドへの訪問に興味を持ったという。2022年6月の政府観光局による調査では、ニュージーランドへの旅行を検討している69%が、コロナ後も映画のセットやロケ地めぐりに興味を持っていることが判明したとのこと。『ロード・オブ・ザ・リング』人気の根強さが感じられる。
ちなみに2022年9月13日より、ニュージーランドへの入国に新型コロナウイルスのワクチン接種証明は不要となっており、日本からの渡航者に自主隔離は求められていない。また日本への帰国時も、有効なワクチン接種証明(3回以上)があれば、出国前72時間以内の検査証明の提出は不要だという。
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