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度を超えたネットいじめ ─ なぜ「ストレンジャー・シングス」ミリー・ボビー・ブラウンはTwitterアカウントを削除したのか

ミリー・ボビー・ブラウン
Photo by Gage Skidmore https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Millie_Bobby_Brown_2016.jpg

人気ドラマ「ストレンジャー・シングス」への出演でブレイクを果たし、天才子役として知られる女優のミリー・ボビー・ブラウンが、Twitter上での嫌がらせ行為を苦にアカウント@milliebbrownを全削除した。

海外の人気若手女優とネットの嫌がらせに関しては、先日も『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』出演のケリー・マリー・トランが差別攻撃を苦に投稿を全削除した出来事が話題になったばかり。度を超えた嫌がらせ行為に、失望と憎悪が広がっている。

本件のきっかけは、ミリー・ボビー・ブラウンがLGBTのための活動団体GLAAD(Gay & Lesbian Alliance Against Defamation、中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟)をサポートしたことによる。ミリーは、2017年5月に開催されたMTVAwards授賞式に、GLAADのシンボルであるブルーの”&”マークのピンを身に着けて出席していた。

こうしたミリーの思想に対し、過激な反同性愛勢力がネット上で嫌がらせ活動を開始。Twitterではハッシュタグ #TakeDownMillieBobbyBrown (ミリー・ボビー・ブラウンを潰せ)を合言葉に、架空のエピソードでミリーを陥れる投稿が広がり始める。

KnowYourMemeの記録によれば、#TakeDownMillieBobbyBrown関連の最初の投稿は2017年11月17日。「空港でミリー・ボビー・ブラウンを見つけたから写真撮影を頼んだら、”そのヒジャブ※を外したらね”と言われた。これは私の信仰だからと言うと、無理やり頭から引き剥がされて踏んづけられた」との投稿による。(該当のツイートおよびユーザーアカウントは削除されている。)
※ヒジャブ:主にイスラム教徒の女性が頭や身体を覆う布を指す。

件の#TakeDownMillieBobbyBrownハッシュタグは、このツイートに対する「嘘を書き込むのはやめろ」とのリプライに別のユーザーが返した書き込みが発端。これを機に、同ハッシュタグを使ってミリーに対する嫌がらせのツイートが広がり始める。主に、「私も街中で彼女に差別的な扱いをされたことがある」という架空のエピソードである。

さらに、LGBT差別や人種差別を示す過激な文章をミリーの画像に貼り付けたInstagramのストーリー風のコラージュ画像も出回る。狙いは、さもミリーがSNS上で差別発言を繰り返しているかのような(フェイクの)イメージを植え付けるため──もしくは、単なる”ジョーク”である。

NYLONがまとめるように、#TakeDownMillieBobbyBrownは次第に、「このジョークを楽しんでいるのはゲイ・オンリー。ストレートは帰れ」などの書き込みが見られるようになる。つまり、ミリーへの攻撃は単なるジョークであり、それも同性愛者が自虐を楽しんでいるだけであるというのだ。これほどまでに下劣なネガティブ・キャンペーンは、他に類を見ない。

悪質な嫌がらせ行為に耐えかねたミリーは、Twitterアカウント@milliebbrownを削除。ミリー・ボビー・ブラウンは2004年生まれ、現在わずか14歳である。

Source:Deadline,NYLON,KnowYourMeme,babe
Eyecatch:Photo by Gage Skidmore

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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