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HBO「ラヴクラフトカントリー」シーズン1で打ち切りに ─ シーズン2の構想明らかに、分断された新世界

ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路
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ジョーダン・ピールとJ・J・エイブラムスがタッグを組んだ米HBOのドラマ「ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路」がシーズン1で打ち切りとなることがわかった。発表の後、ショーランナーを務めたミシャ・グリーンが、幻となってしまったシーズン2のアイデアを公開している。

「ラヴクラフトカントリー 」は、1950年代のアメリカを舞台に、失踪した父を探す黒人青年アティカス(ジョナサン・メジャース)が、道中で直面する人種差別という現実の恐怖と、怪奇小説家H・P・ラヴクラフトの本から飛び出したかのようなモンスターの襲撃という非現実的恐怖に対峙し、悪戦苦闘する様を描いたSFファンタジーホラー。最終話の視聴者数は、米HBOでの放送時で150万人を記録し、米HBO Max上では、新着エピソードの初日配信においては当時最も視聴された作品として人気を博した。

米HBOはこのたびの決断にあたり、米Deadlineに対して以下のような声明を発表している。

「我々は『ラヴクラフトカントリー』のシーズン2を製作しないことを決定致しました。才能あるキャストやクルーの皆さん、革新的なシリーズを生み出したミシャ・グリーンには、その献身と芸術性に感謝しております。そして、この旅に参加していただいたファンの方々にも感謝申し上げます。」

本シリーズでは、アメリカにおける黒人の歴史を、同時代性を交えた写実的な描写と、人種差別主義者としても知られた小説家ラヴクラフトが生み出したモンスターを混合させることで、ファンタジーな世界ながらも共感を呼ぶストーリーが描かれた。エンディングは波乱の展開を迎えたが、制作陣はシーズン2を見据えての作品づくりにあたっていた。ショーランナーのミシャ・グリーンは、自身のTwitterで「シーズン2のテイストです。『ラヴクラフトカントリー:スプリマシー』をお届けできれば良かったですが」と綴り、シーズン2で描く予定でいたアイデアの一端を公開している。

ミシャの投稿には、4つに色分けされたアメリカ全土の画像と共に、「『ラヴクラフトカントリー』のシーズン2は新しい世界で始まり、新世界はかつてのアメリカ合衆国と全く同じ場所に配置されています。主権国家アメリカへようこそ」との説明文が記されている。西部の部族国家(Tribal Nations of the West)、新黒人共和国(New Negro Republic)、Whiteland(処女地)、ジェファーソンのコモンウェルス(Jefferson Commonwealth)。かつて、南北真っ二つに分断されたアメリカの地を彷彿とさせる。

本シリーズが打ち切りとなった理由については定かでないが、Deadlineの記者ジャスティス・クロール氏によれば、レティーシャ役のジャーニー・スモレット=ベルをはじめとするキャスト陣はシーズン2の撮影のためにスケジュールを空けていたという。アティカス役のジョナサン・メジャースも、「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)の「ジョン・スノウのような方法で登場するはずであった」と記されている。

「ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路」はU-NEXTで独占配信中。

Source: Deadline,Justin Kroll

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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