デヴィッド・リンチ、予告していた謎プロジェクトを発表 ─ ニュー・アルバムをリリースへ

「カルトの帝王」デヴィッド・リンチが発表を予告していた謎の新プロジェクトの概要が明らかになった。2024年8月2日にニュー・アルバム「Cellophane Memories」をリリースする旨をアナウンスし、合わせて新楽曲「Sublime Eternal Love」のミュージック・ビデオをローンチしている。
2024年5月末に、「6月5日に謎の新プロジェクトを発表する」と自身のⅩにて予告していたリンチ。6月5日当日に再度更新されたⅩの投稿にて「先日お話していた件のリンクです」と伝え、自身が監督した「Sublime Eternal Love」の動画リンクを掲載している。
本楽曲を歌っているのはリンチとこれまで数々のコラボレーション作品を発表してきたシンガーのクリスタ・ベル。リンチのキャリアを代表するTVシリーズ「ツイン・ピークス」のシーズン3(2017)ではFBI捜査官タミー・プレストン役を演じており、この度のアルバムはリンチとベルの共作となるようだ。
ビデオにはベルが3人映し出され、それぞれユニゾンのようにメロディが重なっている。アンビエント・ミュージックのような曲調も、暗闇にうっすら人影が映し出される映像も、まさにリンチ節といった趣だ。
『砂の惑星』(1984)、『ブルーベルベット』(1986)、『マルホランド・ドライブ』(2001)など数々のインディペンデントムービーを輩出した「カルトの帝王」リンチは近年、Netflix短編映画『ジャックは一体何をした?』(2017)で監督・脚本・出演・編集を兼任したほか、スティーブン・スピルバーグ監督による『フェイブルマンズ』(2022)では巨匠ジョン・フォード役で出演。映画監督、俳優、音楽家などマルチな活動をコンスタントに継続している。長編映画については『インランド・エンパイア』(2006)以降、目立った動きが見られていないが、唯一無二の作家性を誇る才人だけに、また新たな企画が浮上することに期待したい。