デンゼル・ワシントン&フランシス・マクドーマンド、映画『マクベス』出演交渉中 ─ ジョエル・コーエン(コーエン兄弟)脚本・監督、初の単独作品に

『イコライザー』シリーズや『トレーニング デイ』(2001)などで知られるデンゼル・ワシントンと、『ファーゴ』(1996)『スリー・ビルボード』(2017)などの女優フランシス・マクドーマンド。ふたりのオスカー常連俳優が、ウィリアム・シェイクスピアの傑作戯曲『マクベス』に挑むことになりそうだ。

コーエン兄弟の“兄のほう”、ジョエル・コーエン監督による初めての単独作品『マクベス(邦題未定、原題:Macbeth)』に、デンゼル&フランシスが出演交渉中であることがわかった。米Varietyなど複数のメディアが報じている。
『マクベス』最強の布陣で映画化へ
ウィリアム・シェイクスピアが1606年ごろに発表した『マクベス』は、『ハムレット』『リア王』『オセロー』に並んで“四大悲劇”のひとつに数えられる傑作。スコットランドの将軍マクベスは、荒野で3人の魔女に出会い、「いずれ国王になる」との予言を受ける。やがて予言にとりつかれたマクベスは、野心を抱く妻にそそのかされて国王を暗殺。予言通り国王の座に就くが、魔女の「将軍バンクォーの子孫が王になる」との予言から失脚に怯え、次々と殺人に手を染め、不安と狂気のままに暴政をふるっていく。

アクション俳優としてだけでなく、数々の映画で賞に輝き、舞台俳優としても活躍しているデンゼルは、これまでにシェイクスピア作品『リチャード三世』『ジュリアス・シーザー』に出演。かたやフランシスは、すでに2016年に舞台『マクベス』でマクベス夫人を演じている。上昇志向に燃え、狂気に足許をすくわれるデンゼルと、夫以上の野心を持つも同じく精神を病んでいくフランシスの組み合わせ、見ごたえがないはずがない…!
もうひとつのポイントは、シェイクスピア作品をジョエル・コーエンがいかに脚色するかという点だ。Varietyによれば、本作は「ジョエル自身によるオリジナル脚本」ということで、内容には脚色が加わる可能性が高そうである。原作通りの史劇となるのか、時代や舞台を移しての翻案作品となるのかはわからない。
本作はジョエルにとって初めての単独作品となり、弟イーサンは関与していない模様。『ブラッド・シンプル』(1984)から『ディボース・ショウ』(2003)まではジョエルが監督に単独でクレジットされていたが、脚本はジョエル&イーサン・コーエン名義だった。プロデューサーには、コーエン兄弟作品『ノーカントリー』(2007)のスコット・ルーディンが就任。多数の話題作を手がけている北米の映画会社A24が製作・配給を担当する。
これまで『マクベス』はオーソン・ウェルズやロマン・ポランスキーといった巨匠監督のほか、2015年にはマイケル・ファスベンダー&マリオン・コティヤール主演、ジャスティン・カーゼル監督によって映画化されていた。翻案作品には、舞台を日本の戦国時代に置き換えた黒澤明監督作品『蜘蛛巣城』(1957)、サム・ワーシントン主演『マクベス ザ・ギャングスター』(2006)などがある。
ジョエル・コーエン版『マクベス(邦題未定、原題:Macbeth)』は2019年内に撮影予定。
Sources: Variety, Deadline, IW