マッツ・ミケルセン、美形の役より「ダメなやつ」を演じたい ─ 今後も悪役は「楽しいから演じます」

『ドクター・ストレンジ』(2016)のカエシリウス役、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022)のグリンデルバルド役、そして『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』のユルゲン・フォラー役など、“北欧の至宝”マッツ・ミケルセンは、いまやハリウッド屈指の悪役俳優だ。
むろんマッツは悪役のみならず、より多様かつ複雑な登場人物を演じてきた役者だ。そのキャリアを大作映画に活かしている今、米GQでは、自らが最も惹かれる役どころを端的に語った。
「リアルであり、同時に美形(cutie pie)でもある、というような役どころはまったく面白いと思わないんです。目まで髪が垂れているとか、大ピンチのハンサムだとか、そういうものには夢中になれないし、僕の演じる役じゃない。ダメなやつを演じるのが楽しいんですよ。僕たちは彼らのことをよく知っているし、誰にでもそういう時はあったかもしれないし。」
マッツが自ら例に挙げるのは、長編映画デビューとなったニコラス・ウィンディング・レフン監督の『プッシャー』(1996)で演じたトニー役だ。格好良く演じることもできるが、それでは役の魅力が失われ、リアリティもなくなってしまうと考えたため、あえて“間抜けな役”として挑んだという。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』でタッグを組んだジェームズ・マンゴールド監督は、マッツを「どんな役柄であろうと、その役の視点で物事を見ることに全力を尽くす人。芸術的な勇敢さと大胆さがある」と称えた。「だから悪役のオファーがたくさん来るんだと思います。彼らを人間として演じることをまるで恐れていないから」。
ちなみに、マッツは今後も求められるかぎり大作映画の悪役を演じ続けていく姿勢だ。「楽しいからやりますよ。自分がやりたいことはヨーロッパに帰ればできるから」という言葉からは、活動の拠点をいくつも持つ俳優としての強みが垣間見える。
映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は公開中。
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Source: GQ