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「マンダロリアン」製作総指揮ジョン・ファヴロー、『スター・ウォーズ』創造主ジョージ・ルーカスからアドバイス受けていた

マンダロリアン
© 2019 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

『スター・ウォーズ』シリーズ初の実写ドラマ「マンダロリアン」は、『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)で帝国が崩壊してから5年後の物語。製作総指揮・脚本を務めたのは、『アイアンマン』(2008)や『ジャングル・ブック』(2016)、『ライオン・キング』(2019)のジョン・ファヴローだ。

実はファヴローは、『スター・ウォーズ』の創造主ジョージ・ルーカスから、とあるアドバイスを受けていたという。それは「マンダロリアン」に関する具体的な内容ではなく、むしろ物語を作ることそのものについての至言だった。GQ Middle Eastにて、ファヴローはルーカスとの対話の一部を明らかにしている。

「“ジョン、覚えておいてほしい”と、ひとつ言われたことがあって。あらゆる物語や神話にとって、本当の観客とは、今まさに成長している子どもたちなんだ、と。彼は本物のジョーゼフ・キャンベル(神話学者)支持者ですからね。僕たちは大人として物語を楽しみますが、実際のところ、ストーリーテリングの目的とは、大人になる子供たちに過去の世代の知恵を授けること。彼ら自身が失敗を犯さずして、どう振る舞うべきなのか、過去の教訓をどう学ぶべきなのかを知ることです。苦難を避けつつ、あらゆる知恵を得る方法を彼らに教えられることは“希望”ですよね。」

「マンダロリアン シーズン3」「アソーカ」解説

かつてルーカスは、『フォースの覚醒』(2015)に対して「新しいものが何もない」「彼らはレトロな映画を作りたかったんです。僕は好きじゃない」との批判を口にしていた。創造主によるストレートすぎる言葉はファンにも衝撃を与えたが、その背景にある思想は、ファヴローへのアドバイスからも十分にうかがえるだろう。ある種のノスタルジーではなく、あくまで未来の大人たちに訴えかけるべきなのだ、というわけである。

マンダロリアン
© 2019 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

「マンダロリアン」の撮影現場を訪れたルーカスは、ファヴローらが開発・採用した、その場でリアルタイムにCGを合成する技術に感銘を受けていたという。そんなルーカスとファヴローの共通点を指摘するのは、ウォルト・ディズニー・カンパニーのボブ・アイガーCEOだ。『エピソード4/新たなる希望』(1977)を振り返って「よりよい物語を描くためにテクノロジーを用いるという点で、ジョージ・ルーカス以上に優れた人物は考えられない」と語り、ファヴローを「物語と観客のためにテクノロジーを使う方法を知っている、まさにジョージのようなストーリーテラー」と絶賛したのである。

「彼が作り直してくれた『ジャングル・ブック』はありとあらゆる意味で見事でしたし、『ライオン・キング』もあらゆる面で飛躍的な進歩を見せてくれました。だからジョンが『スター・ウォーズ』のアイデアを提案してくれた時には、彼が単に優秀なストーリーテラーではなく、新たなルールを作り、最高の物語のためにテクノロジーを使うという点で新たな領域を切り拓きつづけるストーリーテラーなのだとすぐに分かりました。新鮮かつ重要で、巨大な物語によって、人々を新たな場所に導き、人々に新たな体験をもたらしてくれる。だから(『マンダロリアン』を)作ろうという決断は、非常にたやすいものでしたね。」

『スター・ウォーズ』実写ドラマ「マンダロリアン」は、「ディズニーデラックス」にて国内独占配信中(毎週金曜日に新エピソード配信)。

Sources: GQ Middle East, The Star Wars Show, Comicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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