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マーベル社バイス・プレジデントと巡る『マーベル展』徹底解説ガイド!『ホームカミング』劇中小物、コミック生原画まで全力レポート!

『マーベル展 時代が創造したヒーローの世界』六本木ヒルズ 解説

2017年4月7日(金)、六本木ヒルズ展望台 東京シティビューにて、マーベル史上最大規模の大型総合展『マーベル展 時代が創造したヒーローの世界(以下マーベル展)』がオープン日本初公開となる貴重な資料、衣裳や小道具など約200点の展示など、過去から現在に至るまでのマーベルとその世界観を余すところなく紹介。単なる「ヒーロー作品」の枠組みを超え、ヒーローたちが“ひとりの人間“として苦悩や葛藤を抱えながらも、それぞれの正義を背負って戦い、成長する姿を描いた作品として、多くの文化や人々に影響を与えるマーベルの魅力に迫る。

膨大な世界を構築するマーベルの世界に、まさにその足で歩み入ることができる『マーベル展 』。本展示会は、『HISTORY 』『HERO』『CINEMATIC UNIVERSE』『ART』そして『CULTURE』の5つのテーマで展示エリアが分けられており、マーベルが巡ってきた歴史や、多くの人を魅了する作品を生み出し続ける秘密を紐解く構成となっている。

THE RIVERでは一般公開となる2017年4月7日に先駆け、前日6日にマーベル・エンターテイメント社シニア・バイスプレジデント&エグゼクティブ・エディター、トム・ブリーヴォートと、同社バイス・プレジデント、アジアにおけるブランド管理&開発担当のC.B.セブルスキーと共に会場を巡ることができた。両氏による本展示会の解説とともに、それぞれのセクションを紹介しよう。

なお、この『マーベル展』は、あまりにも貴重な展示物が惜しみなく登場するだけあって、一部の撮影可能エリアを除いて全面撮影・録画禁止となっている。今回掲載する写真は、特別に撮影を許可頂いた環境下でのものであることをお断りしておく。

『マーベル展 時代が創造したヒーローの世界』六本木ヒルズ 解説

メインエントランス

まず来場者を出迎えるのは、日本初公開となる全長5メートルの超巨大アイアンマン。どうやって運び込んだのかと不思議に思うほどの巨大っぷり、スマホのカメラに収まりきるだろうか…というレベルの迫力だ。

『マーベル展 時代が創造したヒーローの世界』六本木ヒルズ 解説
©THE RIVER

日没後から22時までの間は、30分に1度ライトショーが開催され、巨大なアイアンマンが音楽と共にライトアップされる。マーベル展の会場は、通常は六本木ヒルズ森ビル展望台として稼働しており、東京都を一望できる超高層エリア。ガラス張りの窓一面に広がる東京の絶景をバックにライトアップされる巨大アイアンマンの絵力たるや、プロトンキャノン級。ちなみにこの巨大アイアンマンは撮影OK。Instagramで自慢せずにいられない。

HISTORY

マーベル展のスゴいところは、シネマティック・ユニバース関連の展示物ばかりでなく、生原稿や激レアなビンテージアイテムなど、コミックの貴重な資料も大量に収められているところ。日本にもマーベルの熱心なファンはたくさんいるが、生原稿などを直接間近で見る機会は多くないだろう。

HISTORYのエリアでは、マーベルの歴史を振り返るため1930年代に遡り、現存する貴重な資料とともにその歴史が紹介される。トム・ブリーヴォートは、1939年に発行されたマーベル・コミックス#1を前に説明する。

©THE RIVER
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「こちらは最初期のマーベル作品で、ヒューマントーチが描かれています。プラスチックケースに収められていますが、これはとても貴重なものなんです。アメリカではこういったものは古本として捨てられてしまうので、現存しているものは非常に稀。保存状態によって10点満点の基準が定められているのです。もともとは10セントで売られていたのに、完ぺきな保存状態のものは何百万ドルの価値がつけられるんですよ。」

まるでマーベルの考古博物館。滅多にお目にかかれない貴重なヴィンテージ・コミックに魅入っていると、C.B.セブルスキーが次の展示場へ案内してくれた。

「よく言われますように、マーベルとは『窓の向こうに広がる世界』。他のフィクション世界とは異なり、マーベル・ユニバースとは現実の世界なんです。ニューヨークやロサンゼルス、東京で展開される物語。だからマーベル・コミックを開けば、まるでその世界に飛び込んだような気持ちになれるんです。」

©THE RIVER
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セブルスキーは、次のセクション『HERO』への入り口を指して言う。

「このデザインは、私たちがマーベル・コミック、マーベル・ユニバースの中に足を踏み入れていくことを示しているんです。さて、コミックの世界に入ってみましょうか。レッツゴー!」

HERO

ここから先は、ファンにとっては感動が追いつかないほどに充実したエリアとなっている。映画に登場した衣装や小道具が多数展示されているのだが、すべてレプリカではなく本物(後ほど登場する『スパイダーマン』スーツのみ不明とのこと)。つまり、ロキさんの衣装やスーツも、トム・ヒドルストンが袖を通したものであるということだ。もちろんそれだけではない。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーからアベンジャーズのメンバーの衣装、アイアンマンのスーツからキャプテン・アメリカのシールドまで、全てがスクリーンの中に登場した正真正銘の本物。そのひとつひとつをじっくりご紹介したいところだが、あまりお見せしすぎると実際に訪れた際の衝撃が薄れてしまうため、ごくごく一部を紹介しながら進めるとしよう。

COSMIC & MISTIC

まず始めの『COSMIC & MISTIC』セクションでは、広大なマーベル・ユニバースの中でも宇宙や神秘世界を舞台に活躍するヒーローやヴィランたちが紹介される。

たとえば皆が大好きなロキの実物衣装もじっくり見られるのだ。

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このように、ヒーロー(またはヴィラン)としてのコスチュームと、私服の衣装がセットで展示されているのだが、これはマーベルのキャラクターたちには人間としての側面もあるということを知ってもらうためだそう。

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もちろん、展示されているのは映画の衣装やプロップだけではない。人気キャラクターが初登場した号のコミックや生原稿も惜しみなく大公開。アーティストの筆跡が生々しいまでに感じられる。

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「マーベルとしての歴史は、1961年の『ファンタスティック・フォー #1』から始まりました。」トムは、ヴィンテージ・コミックスの生原稿を前に語る。

「コミックスは何年もの間、様々な派生物を生み出しました。あまり鼓舞するようなものでない作品を手掛けたあと、スタン・リーとジャック・カービーがコミックに対して新しいアプローチを生み出したのです。それは、スーパーヒーローを”一個人”として描くということでした。スーパーパワーとは、呪いなのか恵みなのかと悩むといった、生身の人間性が描かれていることが、マーベル・ヒーローが大きく支持される所以なのです。マーベルのヒーローたちは、読者たちが悩むような困難にも、同じように悩むわけです。だからこそ個人的なつながりを感じられるんです。」

GLOBAL

続く『GLOBAL』のセクションでは、アベンジャーズなど地球を守るために国際的に活躍するヒーローたちが紹介される。映画の成功によって日本でも絶大な知名度を得たアベンジャーズやX-MENだが、その発展を長年見守ってきたトムは知られざる裏側を明かしてくれた。

©THE RIVER
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「マーベルの『二本柱』となるX-MENとアベンジャーズは、同じ日にコミックスがスタートしているんです。実はX-MENは、1960年代にデビューした際は失敗だったんですよね。人気が出ず、掲載9年後に中止となったんです。70年代半ばになって、新たなキャラクターを交えて、『ジャイアントサイズX-MEN』として戻ってきてから爆発的な人気となりました。その後何十年も、スーパーヒーロー・フランチャイズとしてナンバーワンの人気を博すようになるわけです。

『アベンジャーズ #1』なのですが、実はアクシデントの産物なんです。もともとは『X-MEN』と同日にデアデビルを発売する予定でした。当時、出版物の印刷には予約が必要だったのですが、デアデビルを手がけるビル・エヴァレットというアーティストが締め切りに間に合わなかったんです。印刷の予約はしてしまっているし、さぁどうしようと考えた結果、スタン・リーとジャック・カービーが既存のキャラクターたちを集結させてみようというアイデアをひらめいたんです。アイアンマンやハルク、アントマンらを『アベンジャーズ』として集め、ロキと戦わせようと。とても素早く仕上げられました。」

トラブルの埋め合わせのため、慌てて制作された『アベンジャーズ #1』だが、なんとこのマーベル展ではその生原稿が収められている。

「この展示会では、そのストーリーのページの一部もございますが、よく見るとインクにかけられていない鉛筆の線も確認できるはずです。超特急で制作されたので、100%の状態で印刷されたわけではなかったのです。ところが皮肉なことに、これが大成功。マーベル・シネマティック・ユニバースの礎となるような作品となりました。これもすべて、ビル・エヴァレットの原稿が納期に間に合わなかったからなのです。

『GLOBAL』エリアの目玉は、アベンジャーズのメンバーの劇中衣装や展示物だ。こちらは『アイアンマン3』より、損傷したアーマー(マーク42)。細部までリアルに作り込まれたキズ、割れ、ヨゴレは、何時間でも眺めていたい。

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こちらはキャプテン・アメリカのシールド。

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映画関連の展示物に限らず、コミックの生原稿もたっぷり展示されている。

『マーベル展 時代が創造したヒーローの世界』六本木ヒルズ 解説
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LOCAL

『HERO』セクションの最後は『LOCAL』、つまり街のヒーローとして住民に愛されるキャラクターにまつわる展示がされている。なんと、初公開となる『スパイダーマン:ホームカミング』の衣装も展示。まだ隅々まで見慣れたわけではないトム・ホランド版スパイディのコスチュームを隅々までじっくり確認することができる。

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ちなみにマーベル展に展示されている映画の衣装やプロップはマーベル・シネマティック・ユニバースのものだが、ご存知のように『ホームカミング』のスパイダーマンは権利がディズニー/マーベルでなくソニー・ピクチャーズに帰属する。そのためか、トムとセブルスキーすらも「初めて見たよ!」と驚いていた。なお、先述したように展示物は全て映画撮影に実際に使用されたものだが、こちらの『ホームカミング』スパイダーマンのスーツのみ、撮影用のものかは未確認。

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さて、コスチュームもじっくり拝んでおきたいところだが、ふと後ろを向くと『ホームカミング』に登場するプロップの数々が。ピーター・パーカーが授業で使ったノートや、ポエム(!?)、メモ書きなどが大胆に展示されている。これって、『ホームカミング』のストーリーを紐解く重大なヒントになるのでは…?特別に撮影させていただいた劇中小物の一部を少しだけお見せしよう。その全容は、是非会場にて自分の目で直接確認して欲しい。

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『マーベル展 時代が創造したヒーローの世界』六本木ヒルズ 解説
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『マーベル展 時代が創造したヒーローの世界』六本木ヒルズ 解説
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「スパイダーマンといえば、おそらくマーベルで最も有名なキャラクターです。」トムは、親愛なる隣人について解説する。「1962年『アメイジング・ファンタジー #15』にて初登場しました」と語るトムの後ろに、まさにそのイシュー現物が展示されている。

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「スパイダーマンはスタン・リーとスティーブ・ディッコというアーティストによって生み出されたのですが、マーティン・グッドマン(スタン・リーの叔父でタイムリー・コミックス社の社長)は、女の子にもモテない、いじめられっ子のティーン・エイジャーがスーパーヒーローになるなんていうアイデアはクレイジーだから、当初はうまくいかないだろうと考えていました。それでも、この物語を手がけたいと考えていた2人は『アメイジング・ファンタジー』というシリーズの最終回への掲載へなんとか漕ぎ着け、それで終わりだと思っていたんです。

8ヶ月後、マーティン・グッドマンが戻ってきて”『アメイジング・ファンタジー』の売上を見たよ、君たちはスパイダーマンというキャラクターが大好きなんだね、もっとやるべきだろう”と彼らに告げたのです。以来、スパイダーマンはマーベル・ユニバースの主要キャラクターとして世界中に知れ渡るようになりました。間もなく、新作『スパイダーマン:ホームカミング』が劇場にやってきます。この展示会では、映画の公開前でありながら撮影小物をどこよりも早くご覧になれます。」

CINEMATIC UNIVERSE

こちらは、世界的な大成功を収めるマーベル・シネマティック・ユニバースの世界観を堪能できるエリア。C.B.セブルスキーが成功の秘訣を語ってくれた。

『マーベル展 時代が創造したヒーローの世界』六本木ヒルズ 解説
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「2000年初頭、マーベルは新たなる成功を収めました。コミックスだけではなく、玩具、アニメーション、そして映画です。このはじまりは『ブレイド』、『スパイダーマン』、そして『X-MEN』で、他のスタジオを通じてリリースしていました。これらが大成功を収めたので、我々には何が出来るだろうかと考えたのです。そうして、2007年にマーベル・スタジオを設立。2008年には第一作目となる『アイアンマン』公開に至りました。

『アイアンマン』公開時には、”なんでマーベルはアイアンマンから始めたんだ?アイアンマンなんて、マーベルの中ではB級、C級のキャラクターじゃないか”という意見もありました。ですが、マーベルには常に“素晴らしいキャラクターと素晴らしいクリエイターがいれば、素晴らしいコンテンツが生まれる”という信念を持っていました。ロバート・ダウニー・Jr.にジョン・ファヴロー監督、プロデューサーのケヴィン・ファイギ。他にも素晴らしいキャストとクルーの力によって、素晴らしい物語が生まれました。その後の歴史は御存知の通りです。

『アイアンマン』についてひとつ非常に重要なことは、マーベルの歴史としてのみならず、映画史としても初めて、他の作品につながりを持つ作品であったということです。我々のコミックスのようにですね。ケヴィン・ファイギ自身がマーベルのファンだったので、映画もコミックスのユニバースのようにしたかったのです。

各作品のエンディング後には必ず”ポストクレジットシーン”と呼ばれる映像を挿入しています。ファンの方はご存知ですが、映画が終わってすぐに劇場を去ってはいけないんです。その後にお楽しみがありますから。他のキャラクターが映画にやってくるんですよね。

最初の5作品で個々のキャラクターを描き、『アベンジャーズ』へと繋げました。これはオープニング興行収入記録としては世界最高値を記録。この成功により、新しいキャラクターを別のジャンルから描けるようになりました。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』はSF映画として、『アントマン』はコメディとして、『キャプテン・アメリカ』ではスパイ映画として、といった具合です。マーベルでは、スーパーヒーローをあらゆるジャンルから語っているんです。」

ART

映画によってマーベルに慣れ親しんだファンも、原作コミックには手を出していない、という方はとりわけ日本では多いのではないだろうか。中には、いわゆる”アメコミ風”の画風に慣れず、食わず嫌いしている方もいるかもしれない。そんな方こそ、マーベル展の『ART』セクションでの展示物はじっくり堪能して頂きたい。現在のマーベル・コミックを見れば、マーベルがいかに時代や文化に合わせてその表現手法を革新させてきたがよくわかるはずだ。そこには、我々が思い浮かべるようなコテコテな”アメコミ風”の画風から、日本の漫画やコミック文化と出会いクロスオーバーしていった進化・変容の跡が見られる。

『マーベル展 時代が創造したヒーローの世界』六本木ヒルズ 解説
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ここでは、セブルスキーがマーベルとアーティストの関係性について教えてくれた。

「マーベル創立当初、スタン・リーやジャック・カービー、スティーブ・ディッコといったアーティストたちはニューヨークに暮らし、オフィスにいました。ブルペンと呼ばれる部屋に集まって作業をしていたんです。

現在では、アーティストはフリーランス。スタッフとして常駐しているわけではないんです。彼らはヨーロッパ、南アメリカ、そしてここ日本など、世界各地に散らばっています。私たちは、世界中どこからでもアーティストを雇っているんです。

“マーベルで働くにはどうすれば良いですか”とよく聞かれるのですが、必要なのは”才能”だけです。あなたのポートフォリオと履歴書があなたの作品なんです。

現在、マーベルには3,500人のフリーランス・アーティストがいます。こちらで上映されているのはジョー・ケサダのビデオ。もともと才能豊かなアーティストでしたが、今ではマーベル・エンターテインメントのチーフ・クリエイティブ・オフィサーとして活躍しています。彼のクリエィティブ・ヴィジョンは、90年代前半よりマーベルを先導してくれているんです。」

特にマーベルは日本のポップカルチャー文化を非常に大切にしていることもあり、日本の漫画家・イラストレーターらが手掛けた『マンガ・ヴァリアントカバー』作品や原画が展示されている。

「マーベルは日本の作家さんとも仕事をしているんです」と、セブルスキーは日米ポップカルチャーの文化融合について語る。実はマーベルが作品を通じて日本人アーティストを世界中に広めてくれているという嬉しい事実は、我々ももっと知っておくべきだろう。

「ここ15年でアメリカでも日本の漫画ブームが起こったこともあり、より多くの日本人アーティストがマーベルと直接仕事をしてくださるようになりました。最近の取り組みとしては、昨年の8月に行った『ジャパニーズ・マンガ・アーティスト月間』。こちらに展示されているように、様々な日本人アーティストにコミックの表紙を手がけていただきました。

マーベルは常に、クリエィティブにおけるダイバーシティ(多様性)を重視しています。いくつかの作品は、日本でも有名なアーティストさんに手がけていただきました。中には、新米アーティストの方もいらっしゃいます。それだけ幅を持たせて、マーベルという世界をお見せしたいと考えているのです。マーベルが取り組んでいる流儀に合えば、世代、国籍、スタイル問わずどなたでも参加頂いています。また、重要なのは女性アーティストにも多数参加頂いているということ。マーベルはダイバーシティに価値を置き、探求しているので、キャラクターだけでなくクリエイターに対しても同様の取り組みを行っています。」

本展示会では、ゆでたまご、村田雄介、真島ヒロという日本を代表する3人の漫画家がマーベル展のために特別に描き下ろした作品も公開。日本人漫画家とアメコミが出会って生まれた化学反応は、この展示会でしかお目にかかれない。

『マーベル展 時代が創造したヒーローの世界』六本木ヒルズ 解説
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「ここにあるのはとても特別なものです。日本での展示会のために制作されたもので、日本で最も人気のある3人の漫画家さんに、新しいアートワークを描き下ろして頂きました。真島ヒロセンセイにスパイダーマンを、村田雄介センセイにアイアンマンを、そしてゆでたまごセンセイにハルクを描いて頂きました。日本のファンの皆さんにお楽しみいただける特別な作品で、私たちも非常に光栄に思っています。」

CULTURE

最後は、マーベルが他の分野に影響を及ぼした例が紹介される。中でも一部の日本人を驚かせるのが、1978~1979年に放送されていた東映版スパイダーマン(スパイダーマッ!)から、『レオパルドン』の貴重な超合金フィギュアが展示されていることだろう。犬笛にむせび泣く男、スパイダーマッ!といえば、最近では本国コミック『スパイダーバース』にも登場するなど、マーベル側も「許せる!」姿勢に変化している。トムは、「レオパルドン抜きには、マーベルの歴史は語れません」とコメントしてくれた。レオパルドンを正式に展示してくれたマーベルの日本愛…。愛のために血を流す男、スパイダーマッ!

『CULTURE』セクションでは、ほかに『エージェント・オブ・シールド』やNetflixのドラマシリーズ、日本独自に制作されたTVアニメ『ディスク・ウォーズ・アベンジャーズ』、さらにはディズニー・ワールドでのアトラクションなど、様々なメディア・フォーマットに波及するマーベル・コンテンツについてのパネルが展示されている。

「マーベルとは、解剖学的には身体なのです」とセブルスキーは説く。

マーベル・スタジオによる映画は、顔にあたります。皆さんはまず顔を見るということですね。ゲームやアニメーションは腕。コンシューマープロダクツ(=グッズなど)は、お金を稼いで歩み進めるためにあるという意味で、会社における脚のようなもの。コミックは心臓部にあたります。クリエイターが全ての中心となり、全身に血液を巡らせるのです。マーベルは、映画やゲーム、日本の漫画からも影響を受けながら、これらのシナジーによって血液を循環させ、ここまで大きな身体に成長しました。このマーベル展を経て、さらに大きく成長できればと願いっています。」

その巨大な身体で全世界を堂々と闊歩するマーベルのこれまでの歴史を紐解くことが出来るマーベル展。トムは、「この素晴らしい展示会は、しかしながらマーベルにとってまだまだ”始まり”に過ぎない」と、途方に暮れるようなスケールを覗かせる。

「これはマーベルにとって、冒険の始まりに過ぎないのです。世界中の皆さんを、これからも冒険、アクション、ワクワクするようなファンタジーの世界にお連れしましょう。マーベル展にお越し頂きまして、誠にありがとうございます。」

マーベル公式ショップ、ホットトイズ限定ストア

訪れた人々が口を揃えて「想像以上だった」と絶賛するマーベル展、充実の展示物の後に待っているもうひとつのお楽しみといえば、マーベル公式ショップだ。数々のマーベル・グッズがミッチミチに並ぶこの限定ショップに立ち入るには、マーベル展のチケット半券が必要。ここでしか買えない限定グッズも多数展開されており、中でもファッション・アイコンとしても定着しつつあるマーベル・ロゴをあしらったバッグや、文房具、雑貨、Tシャツ の数々にはどれも目移りしてしまう。原作コミックや映画のBlu-ray/DVDも販売されているので、展示会を通じて気になったキャラクターの関連作品をこの機会に是非手に取ってみよう。また、ショップ店内の奥に設置された大きなモニターでは、解禁されたばかりの『スパイダーマン:ホームカミング』予告編映像も上映。つい買い物を忘れ、口をアングリ開けて見入る観客の姿も見られた。

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会場限定グッズはこちらから:http://www.tokyocityview.com/marvel-exhibition/shop.html

また、マーベル展が開催されている52階の2階下、50階ではホットトイズの期間限定店舗『MARVEL 六本木ヒルズ ホットトイズストア』がオープン。こちらもマーベル展の入場チケットを持参の方だけが入れる特別な空間。ここでしか買えない限定グッズほか、有名人9名が手がけた1/1スケールの「キャプテン・アメリカのシールド」も展示。参加有名人は、竹中直人、山田孝之、竹内涼真、BABYMETAL、夏菜、小島瑠璃子、小杉竜一(ブラックマヨネーズ)、LiLiCo、ダンテ・カーヴァー(順不同)。ほか、国内初展示となるアントマンやブラックパンサーをはじめ、アイアンマンやキャプテン・アメリカ、ドクター・ストレンジなどのホットトイズ製等身大フィギュアも展示。

まだまだあるぞ。お帰りの際に見逃せないのが、六本木ヒルズ内ウェストウォーク2階南側吹き抜けに展示されたハルクとハルクバスターの等身大フィギュアだ。どこからどう撮っても画になってしまう大迫力の2体を、その目で思う存分ご体感頂きたい。

『マーベル展 時代が創造したヒーローの世界』六本木ヒルズ 解説
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マーベルカフェ

全身でマーベルを楽しんだら、ぜひ味覚でもマーベルを堪能してみよう。『マーベル展』会場に隣接するカフェ「Museum cafe & restaurant THE SUN & THE MOON」のカフェテリア「THE SUN」は、『MARVEL CAFE』として期間限定オープン。マーベルの世界観をイメージしたフードやドリンクなど、ここでしか味わえない特別なメニューが展開される。またカフェ入り口では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のメンバーと記念撮影ができるフォトスポットも設けられており、SNS投稿が捗る。

まだまだ帰れない!六本木ヒルズ各所でマーベルを堪能し尽くせ

ここまででも充分、マーベルの魅力を思う存分お楽しみ頂いたかと思うが、六本木ヒルズはまだファンを帰してくれない。今回は六本木ヒルズ全体を挙げてのマーベルとの全力コラボレーションということで、展示会場や限定ストア以外でもマーベルの世界にダイブすることができる。

超クールな限定アイテムたち

六本木ヒルズ内のストア各所では、今回のマーベルプロジェクトのために特別に作られた限定コラボアイテムが販売される。参加ストアと限定アイテムは以下の通り。

  • Dartin Bonaparto:「アイアンマン」スパンコール刺繍Tシャツ ¥25,920
  • B’2nd roppongi:3D SPIDE 2D MARVEL Tシャツ ¥18,360
  • ESTNATION:iPhone7ケース ¥19,980
    カードケース ¥13,500
    キーキャップ ¥6,480
  • KAPITAL legs ROPPONGI:デニムウエスターナーヴィンテージリメイク(HEROES/VILLAINS)¥388,000
  • DESIGNWORKS deuxcotes:ピクトプリントTシャツ「ハルク」「アイアンマン」「スパイダーマン」各¥10,800
  • N.HOLLYWOOD:プリントTシャツ 各¥10,800
  • Sov.DOUBLE STANDARD CLOTHING:MARVEL ダブスタ プリントTシャツ(レディス)¥11,800
  • HOLLYWOOD by MARK&LONA:マーベル キャディバッグ ¥105,840
  • TOUCH:フェイスタオル 各¥2,376
    バスタオル 各¥5,400
    タオルハンカチ 各¥1,296
  • UNITED ARROWS ROPPONGI:手ぬぐい コミック柄 各¥1,728
    「スパイダーマン」「キャプテン・アメリカ」のモチーフ柄 各¥1,404
  • Tabio:「スパイダーマン」ソックス 各¥2,916
  • HANWAY:傘「コミック」「キャプテン・アメリカ」「スパイダーマン」各¥27,000
  • 1PIU1UGUALE3:Tシャツ 各¥7,020
  • CLASSICS the Small Luxury:ハンカチ 各¥2,700
  • ‎LEGO® Certified Store:76077 アイアンマン:デトロイト・スティールの攻撃 ¥4,095
  • TSUTAYA TOKYO ROPPONGI:MARVEL ✕ Tカード ¥540

各アイテムの詳細は六本木ヒルズ公式サイトにて:http://www.roppongihills.com/sp/marvel-project/

「ベビーグルート」を探せ!

六本木ヒルズ各所に、等身大のベビー・グルートが30箇所隠されている。見つけたうちの2ヶ所を撮影して、ハッシュタグ #marvel_pj を付けてSNSでシェア。森タワー総合インフォメーションでシェアした画面を見せると、マーベルプロジェクト 六本木ヒルズ限定デザインのオリジナルステッカーがゲットできる。

マーベルのフォトスポットに行こう!

マーベル・コミックの表紙や名シーンを切り取った迫力満点の特大パネルが、六本木ヒルズ各所に6ヶ所登場している。ほか、実物大フィギュアのフォトスポットも。六本木ヒルズ内を歩いていると、いきなりソーさんがこんにちはしてくるのは今回のプロジェクトだけ。お気に入りのキャラクターを見つけたら写真を撮って、ハッシュタグ #marvel_pj でシェアしよう。

マーベルのストリートギャラリー

ウェストウォーク4Fメンズゾーンには「マーベルのストリートギャラリー」が出現。マーベルが誕生した80年代のニューヨーク・ブルックリンの街をイメージした一画に、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の世界観が紹介されている。

映画の世界観を堪能するインスパイアメニュー

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』が2017年5月12日に公開されることを記念し、六本木ヒルズ内のレストランとカフェ11店舗が『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』にちなんだ限定メニューを展開。しかも限定メニューをオーダーすると、スペシャルコースターが手に入る。種類は店舗によって異なるので、お目当てのキャラクター/柄を狙ってレストランやカフェを巡ってみよう。

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  • キングジョージ:野菜ガモラモラサンド ¥1,500
    もらえるコースター:ガモーラ
  • 毛利 サルヴァトーレ クオモ:クロケット・ラクーン ¥ 830
    もらえるコースター:ロケット・ラクーン
  • エッグセレクト:たっぷり野菜とキーマカレーのベビーぐるぐるート・ロール ¥ 1,200
    もらえるコースター:ベビー・グルート
  • ブラッセリー ル デュック:ガーディアンサラダ ベビーヨーグルートソース ¥980 
    もらえるコースター:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
  • ヒルズ ダル・マット:ベビー・グルートリュフのカルボナーラ ¥1,944 
    もらえるコースター:アイアンマン
  • カプリカフェ:春句 アサリのバジルスパゲティ ラディッシュ添え ¥1,058
    ベビー・ヨーグルートのカプレーゼ風サラダ ¥540 
    もらえるコースター:ハルク
  • モロコバー:ギャラクシーザーサラダパンケーキ ¥ 1,200
    もらえるコースター:ソー
  • アンディアーモ:スターロー丼 ¥1,500
    もらえるコースター:スターロード
  • カフェクレープ:Space Station-Lord Crepe ¥1,200 
    もらえるコースター:ブラックパンサー
  • ピットインクラブ:キウイ スターベビーヨーグルート ¥550 
    もらえるコースター:キャプテン・アメリカ
  • タリーズコーヒー:ベビー・ヨーグルート&アサイー ¥620 
    もらえるコースター:アベンジャーズ

各メニューの詳細は六本木ヒルズ公式サイトにて:http://www.roppongihills.com/sp/marvel-project/

全国巡回も決定

『マーベル展 時代が創造したヒーローの世界』は、六本木ヒルズにて2017年4月7日(金)〜6月25日(日)にかけて開催されたのち、全国複数箇所を巡回予定。しかし、展示会メインエントランスに設置された5mの巨大アイアンマンや、六本木ヒルズ各所で展開される展示物や限定コラボアイテム・メニューは六本木ヒルズ会場限定。マーベル展を最大限楽しみたいファンは、六本木ヒルズにアッセンブルすることをおススメしたい。また、本記事でご紹介した展示物はごくごく一部。会場では想像以上の驚きがきっと待っているはずだ。

『マーベル展 時代が創造したヒーローの世界』は、2017年4月7日(金)〜6月25日(日)、六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー(六本木ヒルズ 森タワー52階)にて開催。会期中無休、10時〜22時(最終入場:21時30分)。入場料は一般¥1,800、高校生・大学生¥1,200、4歳〜中学生¥600、シニア(65歳以上)¥1,500。※展望台(屋上スカイデッキは別料金)、森美術館入館料を含む。

公式サイト:http://www.tokyocityview.com/marvel-exhibition/

©2017 MARVEL
Photoes:©THE RIVER

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。