『キングスマン』マシュー・ヴォーン監督、『X-MEN』で若いウルヴァリンを撮りたかった ― 『ファンタスティック・フォー』への意欲も

『キングスマン』(2015)のマシュー・ヴォーン監督が、かつて自身の手がけた『X-MEN』シリーズ作品の初期構想を明かした。数々のヒーロー映画に携わってきたヴォーンは、『キック・アス』(2010)や『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011)で脚本・監督を務めたほか、それぞれの続編ではプロデューサーを務めている。
このたびヴォーンがその思いを語ったのは、原案・製作として参加した『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)だ。自身の監督した『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の続編にあたる本作で、彼は脚本をサイモン・キンバーグと共同執筆していたのである。のちに『キングスマン』の製作でプロジェクトを離脱したため「原案」というクレジットにとどまったが、一時は脚本を90%書き上げるところまで到達したというのだ。

『X-MEN:フューチャー&パスト』以前を描きたかった
最新作『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2018年1月5日公開)のため米UPROXXの取材に応じたヴォーンは、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』がお気に入りだというインタビュアーに、続編から離脱した理由を語っている。
「つまり、こういうことだと思うんですよ。僕が全力を注げるのは、ある映画を作らなきゃいけない時や、逃げられない時だけなんだって。その映画に情熱を傾けなきゃいけない、その映画のことを信じなきゃいけない時ですね。1作目(『ファースト・ジェネレーション』)は良かったと思いますし、良いものを作るため、楽をしないために自分自身の限界を超えられたと思います。」
もちろんヴォーンは『X-MEN:フューチャー&パスト』の際にやる気がなかったというわけではない。むしろ死力を尽くした結果、“これは違う”という結論に至ったようなのだ。
「以前、続編を作らなかったのは僕がワクワクしなかったからですよ。『フューチャー&パスト』では一生懸命に脚本を書きましたが、それでも抜けた理由がふたつありました。
ひとつはブライアン・シンガーをとても尊敬していることです。『X-MEN』はブライアンの世界で、僕は彼に遊ばせてもらってるんだと思いました。楽しかったですけど自分の遊び場ではなくて、僕は自分自身の遊び場が欲しかったんです。
そしてふたつめは、『フューチャー&パスト』の続編をやりたくなかったこと。あの映画は3部作のひとつであるべき、物語の完結編であるべきだと思っていました。(作れたとしたら)若いウルヴァリンと新しいキャラクターの登場する“そのあいだ”の映画を撮っていたでしょうね。それから『フューチャー&パスト』で若いウルヴァリンと年を重ねたウルヴァリンを登場させて、もう大騒ぎですよ。」
しかし、もしも自身を大のコミックファン、ヒーローファンだと称するヴォーンが、そのイメージ通りに『X-MEN』新3部作を作っていたら……。『LOGAN/ローガン』(2017)でヒュー・ジャックマン扮するウルヴァリンが卒業したため、もしや“若いウルヴァリン”を撮る機会は再び巡ってくるかもしれない?
ところでヴォーンは、『キック・アス』『X-MEN』以外にもリブート版『ファンタスティック・フォー』(2015)にプロデューサーとして携わっている。残念ながら厳しい評価の目立つ本作だが、米CinemaBlendのインタビューによれば、ヴォーンはそうした反応をきちんと正面から受け止めているようだ。
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