『トップガン マーヴェリック』「マーヴェリック、本当は冒頭で死んでいる説」、監督が見解

トム・クルーズ主演『トップガン マーヴェリック』(2022)には、とある仮説がある。トム演じる主人公のマーヴェリックは映画の冒頭で死亡していて、残りはすべて死者となった彼の夢なのではないか、というものだ。
ポッドキャスト「Happy Sad Confused」にて、監督のジョセフ・コシンスキーはこの仮説に言及。実現しなかった幻のアイデアについても明かした。
この記事には、映画『トップガン マーヴェリック』冒頭シーンへの言及が含まれています。

映画の冒頭で、トム・クルーズ演じるマーヴェリックはアメリカ海軍の実験機「ダークスター」に乗り込む。これはマッハ10の極超音速飛行を目的とした機体だったが、最高速度がマッハ10に達していないことを理由に、計画は凍結寸前だった。マーヴェリックは上官の通達を前に離陸し、実験を見事成功させるが、さらなる記録を目指した結果、ダークスターが空中分解してしまう……。
この時、無事にコックピットから脱出したマーヴェリックだったが、一部のファンの間では「ダークスターの実験でマーヴェリックは死亡したのではないか」という説が浮上。この半ばジョークのように語られてきた珍説を、コシンスキー監督はきちんと否定した。
「当初の脚本では、マーヴェリックが地球に戻ってくるフリーフォール(自由落下)を描いていました。そのことが仮説を否定することになると思います。宇宙服を着て、宇宙から再突入してくる様子を想像すると、いかにも壮大なシークエンスでした。」
すなわち、ダークスターからの脱出劇はもともと完成版以上にダイナミック(荒唐無稽とも言えるかもしれない)なものだったのだ。ちなみに監督いわく、このダークスターのシーンも、のちにマーヴェリックとルースター(マイルズ・テラー)の関係を描くことにつながってくる重要なもの。「現在のマーヴェリックがどうしているのか」を描くことが大切だったという。
もっとも、この“マーヴェリック、冒頭で死亡している説”を監督は嫌っているわけではなく、むしろ「大好き」だと語る。「映画は解釈されるものだから、複数の解釈があるのがいい。芸術作品が解釈されること、人々が作品を読み解くことが僕は大好きなんです」
▼ 『トップガン マーヴェリック』の記事
【インタビュー】『F1/エフワン』実際のサーキットで「夜中に15分だけ撮影許された」 ─ 「この映画を楽しむのにF1知識は不要」ジョセフ・コシンスキー監督に訊いた 『トップガン マーヴェリック』監督が語る 『トップガン マーヴェリック2』あらすじ一部判明 ─ マーヴェリックが実存危機に陥り「小さな存在」に?「最後に、もう一度だけ」 「小さな存在」に? 『トップガン マーヴェリック』続編、壮大かつ野心的なアイデアあり ─ すでに約1年間の脚本作業が進行中 順調そうです 「トム・クルーズは本物の限界までやるから怖いんですよ」もし『F1/エフワン』がトム・クルーズ主演だったら 「クラッシュしていたと思う」 「トムは限界までやるから」 『トップガン マーヴェリック』続編、すでに構想固まっている ─ 「難しいのはアクションじゃない、感情面だ」 「一度話し合って決まった」
Source: Happy Sad Confused