配給先探し難航のコッポラ最新作『メガロポリス』に前進、仏インディペンデント系会社が獲得に名乗り

配給先探しに難航していると伝えられていたフランシス・フォード・コッポラ監督最新作『Megalopolis(原題)』に前進だ。フランスのインディペンデント系配給会社Le Pacteとの間で交渉が進められていると米Varietyが報じている。
『Megalopolis』は大災害に見舞われたニューヨークを舞台に、ユートピアとして街を再建しようとする建築家を主人公とする物語。キャストにはアダム・ドライバーやフォレスト・ウィテカー、ローレンス・フィッシュバーン、ダスティン・ホフマン、ジョン・ヴォイトといったAリスト俳優が名を連ねている。
『Virginia/ヴァージニア』(2013)以来13年ぶりの監督復帰を果たすコッポラにとって、本作は身銭を切ってでも実現させたかった野心作。1億2,000万ドルの製作費が投じられたが、とある壁に突き当たってもいた。3月下旬、ハリウッドの大手スタジオが配給権獲得に後ろ向きと伝えられたのだ。
コッポラ側は、配給先に対して製作費の半分以上に相当するマーケティング費用を捻出してもらうことを期待しており、かつプロデューサー陣の報酬として総利益の半分を要求していると報じられており、これにスタジオ各社は尻込みしていたという。試写会で本作を鑑賞した業界人の多くが、商業映画として幅広い観客に訴求することが「非常に厳しい」との見解を示したとも伝えられている。
現在、契約を進めているというフランスの配給会社Le Pacteは、フランス拠点のインディペンデント系配給会社。『落下の解剖学』や『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』といったヒット作を出しているものの、巨額のマーケティング費用を抱えられるかどうかは疑問の余地が残る。
本作は、2024年5月に行われる第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への出品が決定しており、同地でワールドプレミアを迎える予定。報道によれば、米ストリーミング大手のAmazon StudiosとAppleが配給権獲得に名乗りを上げる可能性があるとのことだが、同映画祭コンペティション部門への出品の条件としてフランスでの劇場公開が含まれるため、同2社にはこれを遵守する必要が生じてくる。
Source:Variety