【特集】2017年公開『メッセージ』の前に!映画に登場する“宇宙人のあれこれ”を徹底復習

映画の世界に登場するエイリアンは、たとえばタコやモンスターの姿をしていたような時代から、科学の進化とともに変化を重ねてきました。2017年5月、その“最新型”ともいえそうな作品が登場します。『ボーダーライン』(2015年)で注目され、『ブレードランナー』の続編である『ブレードランナー 2049(原題)』にも抜擢された、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の最新作『メッセージ』です。

では、ここにいたるまで、映画のエイリアンたちは一体どんな変化を遂げてきたのでしょうか? その歴史や姿かたち、特徴をまずは見ていきましょう。

タコ型火星人タイプ

かつて宇宙人と言えば、1897年にH・G・ウェルズが書いた小説『宇宙戦争』に端を発した、タコのような火星人の姿が一般的でした。若きオーソン・ウェルズが、ラジオ番組で緊急速報の形をとって火星人の襲来を報じた『宇宙戦争』(1938年)は、全米をパニックに陥れるほど真に迫っていたといいます。

https://monsterminions.wordpress.com/category/sci-fi/page/5/

https://diseasesofmodernlife.org/2015/12/01/requiem-for-a-cliche/

トム・クルーズ主演、スティーブン・スピルバーグ監督による『宇宙戦争』(2005年)でも、火星人はメタリックに進化しているものの、ビジュアルのタコ風味は踏襲されています。

https://jp.pinterest.com/mattyf96/war-of-the-worlds/

http://www.e-mago.co.il/Editor/cinema-2025.htm

またティム・バートン監督のSFコメディ『マーズ・アタック』(1996年)のキモ・グロ火星人は、タコというよりは人型タイプですが、友好を叫びながらも殺戮し放題のやり放題。やることなすこととんでもない連中です。思わず、ブッ!と飲みかけのコーヒーを吹き出すことうけ合い。B級映画に見せかけつつも、バートン節が見事に炸裂した作品です。

https://3fing3rs.wordpress.com/tag/mars-attacks/

https://3fing3rs.wordpress.com/2010/03/12/fresh-look-friday-mars-attacks/

友好的な人型宇宙人

友好的な宇宙人といえば、『スター・トレック』スター・ウォーズシリーズに登場する宇宙人です。姿かたちこそ人間とは違えど、悪人もいれば善良なものもいる、あくまでもヒューマン的な宇宙人はすでにおなじみでしょう。

たとえば『エイリアン・ネイション』(1988年)では宇宙人が地球で刑事として活躍したのにとどまらず、『第9地区』(2009年)ではエイリアンの移民問題が扱われ、『第五惑星』(1985年)では人間が敵である宇宙人と心を通わせるなど、映画には人間社会の問題をそのまま反映させたものがしばしばみられます。しかし、もちろんファンタジーですから設定は自由自在。100万光年生きようが、どんな異形な姿であろうが、なんでもありです。

http://www.liveforfilms.com/2010/08/28/enemy-mine-1985-movie-review/

遭難した敵同士が生き延びるために休戦中『第五惑星』 http://www.liveforfilms.com/2010/08/28/enemy-mine-1985-movie-review/

中身は虚ろ、寄生型エイリアン

カイル・マクラクラン主演の『ヒドゥン』(1987年)や、人面犬でも話題を呼んだ、静かな恐怖をひたひたと描く『SF/ボディ・スナッチャー(1978)』などに登場する宇宙生物は人の体を乗っ取るタイプ

http://reflectionsonfilmandtelevision.blogspot.jp/2013/09/cult-movie-review-invasion-of-body.html

宇宙植物によって眠っている間に生気を吸い取られ、人間そっくりにコピーされる。『SF/ボディ・スナッチャー』 http://reflectionsonfilmandtelevision.blogspot.jp/2013/09/cult-movie-review-invasion-of-body.html

「テレビでおっぱい丸出しが見えるなんて」と淀川長治先生も大興奮した、宇宙美女バンパイアが生気を吸い取る『スペースバンパイア』(1985年)は、ストーリーは忘れてもなぜか女体は思い出せるという代物。え?

http://www.joblo.com/horror-movies/news/ringleader-studios-acquires-colin-wilsons-space-vampires-for-a-lifeforce-tv-series

当時19歳のマチルダ・メイ。おっぱい星人の皆様必見! http://www.joblo.com/horror-movies/news/ringleader-studios-acquires-colin-wilsons-space-vampires-for-a-lifeforce-tv-series

“乗っ取り型”宇宙人の代表格といえば、ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』(1982年)。カート・ラッセルを筆頭にムサいオヤジしか出てきませんが、スリリングさとクリーチャーの異形さで、今もなおSFホラーの金字塔と言える作品です。

リドリー・スコット監督の『エイリアン』(1979年)に登場するのは、とにかく種の存続のみを目的として、人間ほか生物にひたすら卵を産み付け孵化する怪物です。H.R.ギーガーによる素晴らしい造形にも注目しましょう。

http://www.imdb.com/title/tt0078748/mediaviewer/rm737739264

http://www.imdb.com/title/tt0078748/mediaviewer/rm737739264

ちなみに2017年には、『エイリアン』の前日譚である『プロメテウス』の続編、『エイリアン:コヴナント』も公開予定です。『プロメテウス』でスッキリしなかった謎の数々は、今度こそすべて明らかになるのでしょうか。

新作『エイリアン:コヴナント』のポスタービジュアルがついに公開!暗闇に浮かぶゼノモーフの頭部と滴る唾液が恐ろしい!

宇宙人が人類とコンタクトをしないわけ

『宇宙人ポール』(2011年)…はおいといて、スタンリー・キューブリック監督の名作『2001年宇宙の旅』(1968年)やスピルバーグ監督の『未知との遭遇』(1977年)は、もしかして宇宙人とのコンタクトは現実にあり得るのでは、と思わせる映画でした。

http://mentalfloss.com/article/63198/15-things-you-may-not-know-about-close-encounters-third-kind

http://mentalfloss.com/article/63198/15-things-you-may-not-know-about-close-encounters-third-kind

「宇宙人、いるなら出てこい!」と言いたいところですが、実は高度に進化した地球外生命はあえて人類との接触を控えているという説があります。私たちが(観察こそすれ)アリとコンタクトを取ろうとしないのも同じといえば同じでしょうか。ともかく、宇宙を滅亡に陥れるようなことでもないかぎり、高度な文明を持つ生命体は人類などものの数とも思っていないのでしょう。それでも私たちは、宇宙への果てしない夢を見続けているのですが。

ロバート・ゼメキス監督の『コンタクト』(1997年)では、ジョディ・フォスター演じる女性電波天文学者エリーにコンタクトしてきた地球外生命体は、9歳のときに亡くなったエリーの父親の姿を借り、さらに風景も地球のビーチを再現して、人類にわかりやすい方法で接してきました。余談ですが、エリーの勤めるSETI研究所では、SETI@home(セティアットホーム)という分散コンピューティングのプロジェクトを行っており、誰でも自宅のパソコンで宇宙人探しに参加することができます。

http://stuffpoint.com/science-fiction/image/253196/contact-screenshot-screenshot/

http://stuffpoint.com/science-fiction/image/253196/contact-screenshot-screenshot/

クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』(2014年)では、エイリアンこそ出てこないものの、科学に忠実に描かれた宇宙で、未来人(5次元人)なるものの存在が明らかになります。5次元とは、意識の座標軸を指定することで、時間と空間に縛られずに空間を再現することが出来る世界……と聞いただけで脳みそが爆発しそうですが、そんなものを映像化することがそもそも驚異的だといえるでしょう。

http://www.indiewire.com/2015/03/jonathan-nolan-says-his-original-ending-to-interstellar-was-much-more-straightforward-266100/

http://www.indiewire.com/2015/03/jonathan-nolan-says-his-original-ending-to-interstellar-was-much-more-straightforward-266100/

『メッセージ』で宇宙人たちが伝えるものとは

ようやく現在までたどり着くことができました。改めて、“最新型”の地球外生命体が登場する『メッセージ』をご紹介しましょう。

“ある日、謎の宇宙船が地球に飛来”。ここまでは『インディペンデンス・デイ』(1996年)みたいなノリですが、知的生命体である彼らは、地球への攻撃のためにやってきたのではなく、何らかのメッセージを伝えようとしているようです。見た目こそタコやイカのような姿をしていますが、彼らは過去・現在・未来に同時に存在できるというまったくもって不可解な生命体なのです。

http://www.scmp.com/news/hong-kong/politics/article/2006212/replacement-poster-sci-fi-film-arrival-lands-quietly-after

http://www.scmp.com/news/hong-kong/politics/article/2006212/replacement-poster-sci-fi-film-arrival-lands-quietly-after

アメリカでは言語学者ルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)が、物理学者のイアン(ジェレミー・レナー)とともにメッセージの解読チームに招かれます。各国は競って解読合戦をするのですが、一歩解釈を間違えたら、大変な事態になることも想定されます。

ストーリーの基になったのは、テッド・チャンの短編小説『あなたの人生の物語』。小説では、ルイーズは解読していくうちにある能力を身につけることになるのですが、果たして映画ではどのように描かれるのか、解読の過程はどのように映像化されるのか、そして人類に伝えたいメッセージとはいったい何なのか……。興味は尽きません!

http://www.theverge.com/2016/11/20/13670864/arrival-movie-director-denis-villeneuve-enemy-jake-gyllenhaal

http://www.theverge.com/2016/11/20/13670864/arrival-movie-director-denis-villeneuve-enemy-jake-gyllenhaal

映画『メッセージ』は、2017年5月に全国公開予定です。

About the author

マイ・ベストは中年ロックンローラが再起する『スティル・クレイジー』SF・ミステリー・英国・カルト映画。ホラー狂。酔狂。

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