ファッションとはアートなのか?『メットガラ ドレスをまとった美術館』監督インタビュー

「ファッション界のアカデミー賞」とも呼ばれる『メットガラ』は、一人あたり25,000ドルと高額な席料にもかかわらず瞬時に満席となるイベントだ。
映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』は、その裏側に初潜入した、胸が高鳴るドキュメンタリー映画だ。

この舞台の主催者は、映画『プラダを着た悪魔』でメリル・ストリープが演じた敏腕編集長のモデルと言われている人物、アナ・ウィンターである。
アナ・ウィンターとはファッション誌US版『VOGUE』の編集長であり、メトロポリタン美術館(MET)の理事という顔も持つ人物だ。

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今回、本作を監督したアンドリュー・ロッシにインタビューを行うことができた。

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Q:アナの指名でこの企画にカメラを持ち込むことを許されたとお聴きしましたが、監督は以前からアナと交流はあったのでしょうか?

アンドリュー:個人的に会ったことはありませんでした。
しかし、アナがファッション業界やNYの文化にとても重要な役割を果たす人物であり、出版業界においても有名な人物であったので存在は知っていましたよ。」

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Q:アナ・ウィンターさんは少し気むずかしいイメージがあるのですが、撮影中に気をつけたことや、彼女と監督の距離を近づけたエピソードなどがあったら教えてください。

アンドリュー:クリエイティブな世界に身を置いている人の良いところは、僕の立場(脚本家であり監督)に共感してくれるところです。そしてドキュメンタリーを作るにあたって、自分たちの世界がどういうものであるのかを表現したいという気持ちもしっかりと持ってくれているところですね。アナもアンドリュー・ボルトン(MET服飾部門のキュレーター)も寛大な心で企画をスタートさせてくれました。

最初は大丈夫かな?という目で見ていたかもしれませんが、少しずつ深いところの撮影をさせてもらえるようになりました。アナと最初の撮影はミュージアムでの会議のシーンでした。アンドリューも一緒だったけれど、美術館側はギャラリーにカメラが入ることをすごく危惧していたんです。しかし、アナが今回の展示の会場になるから一緒に展示を見ようと誘ってくれて、ミュージアムを一緒に周りました。この出来事がミュージアムと僕らの信頼関係を築くきっかけにもなりました。

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Q:日本ではまだファッションをアートとしてみている人は少ないと思いますが、どのような取り組みをすると次世代のファッション業界の発展につながるとお考えですか?

アンドリュー:この映画を作っている中で、“ファッションはアートなのか”ということについて、僕も考えが変わっていったんです。鍵となったのは劇中で(ハロルド)コーダさんも言っていますが、ファッションは“物作り”という観点で見られていて、そこに価値が見出されていました。しかし“アートであるか”ということは、そこに“分析する価値があるのか?”ということに言い換えられるのではないかと思うのです。そう考えると、ファッションというものも、またそれに触れる人を喜ばせ、刺激し、チャレンジする物になるので、アートと呼ばれる絵画や建築、彫刻と同じ物と言えるでしょう。その一方でファッションには様々な種類があり、ファインアートとは呼びにくい物もあります。そういったものも含めファッション全体のことをとらえるかごちゃ混ぜにしてしまうところがあると思うのです。

例えば、マックイーン一つとっても、素晴らしいアートと呼べるような作品もあれば、商業性の強い作品もあるというのが僕の考えです。

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Q:たくさんの著名人を取材していて、特に興味を惹かれた人はいますか?

アンドリュー:ウォン・カーウァイさんです。撮影できたことは大変光栄でした。

彼がインスタレーションの光のデザインの展示の一部を調節している姿を撮影することができました。中国のアートやカルチャーに対して今起きていることに言及し、「in the making」という言葉で“今まさに作られつつある”という表現をしたのがとても印象的でした。彼が僕にとってのハイライトとなりました。

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Q:少し気が早いかも知れませんが、監督の次回作の構想はもうありますか?

アンドリュー:実はもう新作はあるんです。プロデューサーとして携わった実際の事件に関する作品で サウス・バイ・サウスウエスト映画祭でプレミア上映する『Mommy Dead and Dearest』です。監督作品はフル・フレーム・ドキュメンタリー映画祭でプレミア上映される『Bronx Gothic』というダンサーを扱った映画があります。

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ファッションと芸術を描いた『メットガラ ドレスをまとった美術館』

『メットガラ ドレスをまとった美術館』では、洋服が美しく飾られ展示される姿は、まさにアートであり芸術の一片である様子が収められている。ファッションは時代を映す鏡であるという言葉がぴったりの作品だ。

何と言ってもラストのレッドカーペットを歩く華やかなセレブたちの姿は必見!ジャスティン・ビーバーやアン・ハサウェイなどたくさんのセレブが見られ、まさに夢のような時間を体感できる。ファッションに興味がある人のみならず、芸術や文化、様々な観点から楽しめる作品になっている。

『メットガラ ドレスをまとった美術館』は、4月15日(土) Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開。

公式サイト:http://metgala-movie.com/

©2016 MB Productions, LLC

About the author

毎日をhappyに生きるがモットー!BOOKSTAND、東京ルッチで映画関連の記事掲載中

映画鑑賞の趣味から東京国際映画祭WOWOW賞の審査員を経験し現在にいたる

 

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