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マイケル・ケイン、声のAI生成に合意「次世代の物語を支援したい」 ─ レプリカ音声映像も公開

マイケル・ケイン
Photo by Manfred Werner / Tsui https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Michael_Caine_-_Viennale_2012_e.jpg Remixed by THE RIVER

『ダークナイト』3部作などの名優マイケル・ケインが、AIオーディオ企業ElevenLabsによる、自身の声のAIレプリカ生成に合意したことがわかった。

ケインが参加したのは、企業が広報活動やパートナーシップ、創造的取り組みのために、タレントの声をリクエストできるプラットフォーム「アイコニック・ボイス・マーケットプレイス」。ElevenLabsは企業とタレントの権利者をつなぎ、双方が合意して契約を結んだあとは、自社のテクノロジーによるAI生成の“声”を使用できるようになる。

ElevenLabsはケインをサービスに迎えるにあたり、プロモーション映像を公開。ケインのAIレプリカ音声によるナレーションを聴くことができる。

映像のなかで、ケインのナレーションはこう語る。

「私はこれまで、スクリーンの内外でさまざまな役柄を演じてきました。さて、皆さんに質問です。“声”を象徴的にするものとは何でしょう? トーンか、アクセントか、それともバランスでしょうか。答えはシンプルに、“メッセージ”です。[中略]

声は私たちに強さや力、抗議、祈り、そして喜びをもたらします。もちろん、新たな境地や進歩はつねに警戒されるものです。けれども、人間の原動力や情熱、芸術性、そして創造性は常に勝利します。なぜなら、テクノロジーはメディアにすぎないから。これこそが、人間らしさの増幅なのです。」

ケインは声明のなかで、「私は長年にわたり、人々の心を動かす物語──勇気やウィット、人間の精神を描いた物語──に声を与えてきました」と綴っている。また、ElevenLabsのテクノロジーは「人間性に代わるものではなく、人間性を称えるもの」そして「声を増幅させ、世界中の新たなストーリーテラーに扉を開くもの」と。「私は生涯をかけて物語を語ってきました。ElevenLabsは、次世代の物語を語ることを支援していきます」。

「アイコニック・ボイス・マーケットプレイス」では、マイケル・ケインのほか、ライザ・ミネリ、ジュディ・ガーランド、ジョン・ウェイン、ローレンス・オリヴィエ、バート・レイノルズ、アラン・チューリング、ベーブ・ルース、マーク・トウェイン、トーマス・エジソン、J・ロバート・オッペンハイマーらの声が使用できるようになる。

ElevenLabsは、このサービスを「有名な声を倫理的に提供し、またライセンス契約を可能にすることで、AIによるメディア制作の倫理的課題を解決する」ものだと説明。AIによってスタジオやタレントにさらなる機会を提供し、ストーリーテリングを拡張していくものだとしている。

なおケインのほか、『インターステラー』(2014)『ジェントルメン』(2019)のマシュー・マコノヒーも、ElevenLabsとは2022年より提携。自身のニュースレター「Lyrics of Livin’」のスペイン語版を自らの声で配信しており、このたび同社への投資(金額非公開)を行っていることを明らかにした。

Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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