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『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』なぜジェレミー・レナーは登場しなかった?カメオ出演を断っていた事実も判明

ジェレミー・レナー
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/14779748196/

トム・クルーズ主演の人気シリーズ『ミッション:インポッシブル』最新作、映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』には、なぜか登場しないシリーズの常連キャラクターがいる。シリーズ第4作『ゴースト・プロトコル』(2011)、第5作『ローグ・ネイション』(2015)で活躍したウィリアム・ブラントだ。演じたのは、『アベンジャーズ』シリーズや『ハート・ロッカー』(2008)、『メッセージ』(2016)などで知られる人気俳優ジェレミー・レナーである。

なぜジェレミーはシリーズの最新作に出演しないことになったのか。その背景には多忙を極めるジェレミーの事情と、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』で脚本・監督を務めたクリストファー・マッカリーの制作スタイルの事情があった。

ミッション:インポッシブル/フォールアウト
ここに並んでてもおかしくなかったはず…! © 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

ジェレミー・レナー、『アベンジャーズ』で多忙

結論からいえば、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』にジェレミーが出演しなかった理由は“スケジュールの都合”である。ジェレミーは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)や『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』の撮影でホークアイ役を演じる予定が入っていたのだ。

しかし大物スター俳優が多数出演する『アベンジャーズ』2作品では、常に出演者が入れ替わりながら撮影を進めていたとされる。ならばジェレミーも『フォールアウト』と撮影を両立することもできたのではないか……。しかし英Digital Spyにて、クリストファー・マッカリー監督はこう語っている。

「(『フォールアウト』の)撮影が始まった時点で脚本ができていなかったんです。なので、誰がこの映画に登場するのか、どのくらい時間がかかるのか、いつ撮影に来てほしいのかを伝えることが難しかった。彼(ジェレミー)はマーベル映画に関わってたので、単純に予想できなかったんです。もし脚本が完成していれば、“大丈夫、この期間は(『アベンジャーズ』の撮影に)行ってもらえます”ってことが言えたんでしょうけど。それぞれの役柄がどうなるのか全く予想できなくて。残念ながら、タイミングが合わなかったんですよね。」

ジェレミー・レナー
ジェレミー・レナー Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/14779748196/

『フォールアウト』の脚本は、なんとクランクインする時点でわずか33ページしかできあがっていなかったといわれている。撮影しながら脚本を執筆し、改稿を重ねながら、俳優とともに作品を練り上げていくのがクリストファー監督のスタイルなのだろう。ベンジー役のサイモン・ペッグによれば、前作『ローグ・ネイション』でも物語の結末が撮影中に決まっていたそうだ。

Empireにて、クリストファー監督は「どんな映画になるのかわからなかった。(撮影には)完全な自由が必要だったんです」と語っている。しかし監督は、ジェレミーが撮影の全体に参加できないと知るや、別の方法で本編に登場させることを計画していたことを明かした。それは、映画の冒頭でジェレミー演じるウィリアム・ブラントを殺してしまうというアイデアだったのだ。

「レナーには“どうだろう、オープニングのシーンで、君がチームを守るために自分を犠牲にするってアイデアがあるんだけど”と話しました。ミッションに失敗するばかりか、チームメンバーが死んでしまうんだと。そしたらジェレミーは“ありがとうございます、でも結構です”って(笑)。[中略]3日間の撮影で安い給料をもらって(本編で)吹っ飛ばされる、そっちを選ばないのは賢明ですよね。」

逆に言えば、ジェレミーは自身のキャラクターが死ぬという形でのカメオ出演を断ることで、シリーズの次回作に登場する可能性を残したというわけである。今回は残念ながら登場しなかったものの、第7作以降で再びイーサン・ハントとのタッグを見ることができるかも…?

映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は2018年8月3日より全国の映画館にて公開中

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公式サイト:http://missionimpossible.jp/

Sources: DS, Empire
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。