「マインドハンター」シーズン3、無期限製作保留に ─ デヴィッド・フィンチャーが別企画に集中、出演者を解放へ

『セブン』(1995)『ファイト・クラブ』(1999)のデヴィッド・フィンチャーが製作総指揮を務める、Netflixオリジナルシリーズ「マインドハンター」のシーズン3製作が無期限保留となっていることがわかった。米Deadlineが報じている。
1970年代を舞台に、FBI行動科学課の特別捜査官が連続殺人鬼のプロファイリングに挑む「マインドハンター」は、ノンフィクション『マインドハンター FBI連続殺人プロファイリング班』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)を原作に実話事件を扱うサイコスリラー。『ゾディアック』(2007)で60~70年代の凶悪犯罪を描いたフィンチャー監督は、シリアルキラーの心理や、捜査する側に忍び寄る“闇”を抑制の効いた作風で描いた。
報道によれば、Netflixは「マインドハンター」シーズン3の製作を無期限保留としたものの、シリーズの製作を打ち切ってはいないとのこと。ただし、2019年12月の時点でジョナサン・グロフやホルト・マッキャラニーら出演者たちは契約から解放されたという。判断に至った背景には、製作総指揮・監督のデヴィッド・フィンチャーが、ただいま別の企画に集中しているという事情があった。
「デヴィッドは初めてのNetflix映画『Mank』の監督や、『ラブ、デス&ロボット』シーズン2のプロデュースに焦点を絞っています。将来的に『マインドハンター』に戻ってくるかもしれませんが、彼が自分の新しい仕事を追求している中で、俳優たちが他の仕事を探すことを制限するのはフェアではありません。」
フィンチャーが手がける『Mank(原題)』は、脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツの伝記映画で、名作『市民ケーン』(1941)のクレジットをめぐる監督オーソン・ウェルズとの対立を描く。ゲイリー・オールドマンやアマンダ・サイフリッド、リリー・コリンズらを出演者に迎え、フィンチャー自ら脚本を執筆する力作だ。また、『デッドプール』(2016)ティム・ミラー監督との共同プロデュースによる「ラブ、デス&ロボット」はSF&ファンタジーの短編オムニバスアニメシリーズで、練られたストーリーや先鋭的な映像表現などで話題を集めた。
2020年1月現在、「マインドハンター」シーズン3についての話し合いはNetflixとフィンチャーらの間でも行われておらず、実現の可能性は不透明。出演者たちはフィンチャーとの仕事を楽しんでおり、大勢が新シーズンに復帰する可能性は高いというが、契約からの解放により、製作が実現した際に各人のスケジュールがどうなっているかはまた別の問題だ。
Netflixオリジナルシリーズ「マインドハンター」シーズン1・2は全世界独占配信中。
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Source: Deadline