アカデミー賞&エミー賞候補作『行き止まりの世界に生まれて』公開決定 ─ トランプを大統領にした、繁栄から見放された土地のドキュメンタリー

第91回アカデミー賞&第71回エミー賞にWノミネート、世界で59の映画賞に輝き、全米の批評家・観客が絶賛。オバマ元大統領も2018年の年間ベストに選んだ傑作ドキュメンタリー『Minding the Gap(原題)』が、邦題『行き止まりの世界に生まれて』として、2020年9月4日(金)より全国順次公開となる。あわせてポスタービジュアルが到着した。
“全米で最も惨めな町”、米イリノイ州ロックフォードに暮らすキアー、ザック、ビンは、貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードにのめり込んでいた。スケート仲間は彼らにとって唯一の居場所であり、もう一つの家族。しかし彼らも大人になるにつれ、さまざまな現実に直面し、少しずつ道を違えていく。カメラは、明るく見える彼らが抱える暗い過去と葛藤を、そして思わぬ一面を露わにしていく。心が張り裂けそうになる、それでも未来は変えられると願わずにいられない、痛みと希望をはらんだ傑作だ。
舞台のロックフォードは、かつて栄えていた鉄鋼や石炭、自動車などの産業が衰退し、いまやアメリカの繁栄から完全に見放された「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」に位置する。2016年の大統領選では、“夢を失った”ラストベルトの人々による投票が、トランプ大統領の誕生に大きな影響を与えた。2020年11月に控える大統領選では、再びラストベルトが鍵を握るとみられ、その存在が改めて注目を集めるだろう。本作を通して、未来のアメリカが見えてくる。

監督のビン・リューは、10代の頃から撮りためたスケートビデオとともに、閉塞感のある故郷で必死にもがく若者3人の12年間を通して、親子、男女、貧困、人種といったさまざまな分断を見つめ、“トランプのアメリカ”の知られざる現実を映し出す。アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門、エミー賞ドキュメンタリー&ノンフィクション特別番組賞にノミネート、第34回サンダンス映画祭などで59の賞に輝いた本作は、米Rotten Tomatoesでは100%フレッシュを獲得。米メディアでは「21世紀アメリカの豊かな考察」(New York Times)「ドキュメンタリーの新時代」(WIRED)と評され、オバマ前大統領をもって「感動的で、示唆に富む。ただただ惚れ込んだ」と言わしめた。
映画『行き止まりの世界に生まれて』は、2020年9月4日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー。