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『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』監督、続編『ゴジラ vs キングコング』への関与を語る ─ 「モンスターバース」はこうして作られている

GODZILLA ゴジラ
©Warner Bros. 写真:ゼータ イメージ

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は、ハリウッド版『ゴジラ』シリーズの第2作であり、ワーナー・ブラザース&レジェンダリー・ピクチャーズによる「モンスターバース」の第3作でもある。『GODZILLA ゴジラ』(2014)、『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)につづく本作を経て、同ユニバースは集大成となる『ゴジラ vs キングコング(邦題未定、原題:Godzilla vs. Kong)』を迎えるのだ。

『GODZILLA ゴジラ』のギャレス・エドワーズ、『キングコング』のジョーダン・ヴォート=ロバーツに次いで本作のメガホンを取ったのは、怪獣映画愛を公言するマイケル・ドハティ。独立した作品でありつつもクロスオーバーへの橋渡しを担ったマイケル監督は、つづく『ゴジラ vs キングコング』にどこまで関与したのか。撮影現場でのインタビューで、その内幕が語られている。

「モンスターバース」の流儀

結論から記せば、米Comicbook.comによると、マイケル監督の『ゴジラ vs キングコング』への関与は最小限にとどまっているという。しかし今回のインタビューでは、モンスターバースという“シネマティック・ユニバース”の作られ方、いわば流儀ともいうべきものがうかがえる。

ユニバースの橋渡しをするうえで、マイケル監督が大切にしているのは『GODZILLA ゴジラ』から登場している特務機関モナーク。『ゴジラ vs キングコング』に向けて、「モナークの基礎を固めること」が重要だと語っているのである。

“モナークとは何か”という、ビジュアル面の決定版を開発したいと思います。ギャレス(・エドワーズ)の作品をもとに、まだ作っているところですけどね。たとえばロゴのように、彼の仕事をそのまま使用したところもたくさんあります。それからテクノロジーのリアルさ、そういったことも残しています。ですから、次の作品にも引き継がれればと願っていますよ。」

東京コミコン2018
マイケル・ドハティ監督(東京コミコン 2018にて)©THE RIVER

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』では前作の5年後を舞台に、復活した神話時代のモスラやラドン、キングギドラら怪獣たちとゴジラの戦い、世界の破滅を阻止しようとする特務機関モナークの活躍が描かれる。「モンスターバース」の全作品に登場してきた特務機関モナークの決定版を、マイケル監督は本作で完成させようとしているわけだ。大勢の科学者が登場する今回の物語は、モンスターバース史上、モナークという組織そのものが最も重要な作品となるのだろう。

ギャレス監督からジョーダン監督、そしてマイケル監督へ。モナークをクリエイターが受け継ぎながら描くスタイルについて語る際、監督はシュルレアリスムの手法「優美な屍骸」に言及している。「優美な屍骸」とは、作り手たちが互いの創作する内容を知らぬまま、共同製作における自身の仕事に取り組むものだ。

「あるアーティストから別のアーティストへと、作品が手渡されていくわけです。新しく、かつ面白いレイヤーがそこに加えられていくのが理想的ですよね。」

世界観や設定、キャラクターを共有し、ストーリーを繋げながらもクリエイター同士はほぼ干渉しあわないというスタイルは『アベンジャーズ』などマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の方法論に近い。しかしMCUの場合、クリエイターが話し合うことで世界観を調整し、作品ごとの物語を組み上げるケースもしばしばあるという。また、ユニバース全体の一貫性には製作のマーベル・スタジオが目を光らせているのも特徴的だ。その点において、モンスターバースがどういった方法を採っているのかは明かされていない。

マイケル監督からバトンを受け取り、『ゴジラ vs キングコング』を手がけるのは『サプライズ』(2011)『ザ・ゲスト』(2014)のアダム・ウィンガード監督。同作の撮影は2018年11月に開始され、2019年3月26日現在も継続中のようだ。

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は2019年5月31日(金)全国ロードショー。『ゴジラ vs キングコング(邦題未定、原題:Godzilla vs Kong.)』は2020年3月13日に米国公開予定。

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『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』公式サイト:https://godzilla-movie.jp/

Source: Comicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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