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【保存版】エモキッズ集合!洋楽・洋画ファン必読、名作映画に影響されたミュージックビデオ特集

映画と音楽はつながっています。この映画と音楽のつながりを紹介する記事の第二回目は、ミュージシャンたちが曲をテレビやネットで放送するために作るミュージックビデオを紹介します。ただ演奏している様子だけのビデオもありますが、面白いストーリーがあるビデオも多く存在します。
今回取り上げるのは、演奏シーンだけでなく、名作の映画からインスパイアされた物語性のある映像が含まれたミュージックビデオです。楽曲は主に2000年代のパンク/エモが中心になります。バンド名/曲名とともに、ビデオの元ネタとなった映画もご紹介しましょう。

30 Seconds To Mars/ The Kill(Bury Me)

皆さんご存知の30セカンズ・トゥー・マーズ。え、知らない? THE RIVER読者的には知っていなきゃいけません。なぜならこのバンドのボーカルは何を隠そう我らのジョーカー、ジャレッド・レトですから。ジャレッド・レトの歌声はとてもすごくて、ハイトーンもシャウトもお手のものです。演技も素晴らしくて、歌もうまいし、曲も書いて楽器もできる、しかもヴィーガン(完全菜食主義者)、なんて、非の打ちどころが全くありませんね。俳優としての彼のファンにも是非30STMを聞いていただきたいです。
この曲は2005年にリリースされた“A Beautiful Lie”というアルバムからの一曲。このアルバムと2009年リリースの“This Is War”はポストハードコア、エモ、ロック然としていて筆者のお気に入りです。最新アルバム“Love, Lust, Faith and Dreams”はエレクトロ要素が強すぎて好みではありませんでしたが、最近の洋楽が好きな方は気に入るでしょう。

MVの元ネタは『シャイニング』(1980年)

http://www.wikiwand.com/it/Shining_(film)
http://www.wikiwand.com/it/Shining_(film)

最も怖いホラー映画の一つとして知られる『シャイニング』。スティーブン・キング原作で、鬼才スタンリー・キューブリック監督による息詰まる演出、ジャック・ニコルソンの怪演が見どころです。双子ちゃんとかシャワー浴びてる女とか、夢に出てくるほど怖いですよね。
MVはこの映画の雰囲気をそのままに、誰もいないホテルの閉塞感、タイプライターやバーテンダーなど、映画を見ている人ならニヤリとなる小ネタも出てきます。

Taking Back Sunday/Cute Without The “E”(Cut From The Team)

2000年代初頭、Jimmy Eat WorldやDashboard Confessionalといったバンドとともにエモシーンを作り上げたのがTaking Back Sundayです。当時エモキッズだった人は、最初のC#のコードを聞くだけで胸が締め付けられる思いをする人がいるんではないでしょうか。エモファッションといえば“タイトなジーンズにタイトなTシャツ”というイメージですが、このビデオを見ると、2000年代初頭のエモファッションって意外とそこまでタイトじゃないんですよね。この曲は2002年リリースの1stアルバム“Tell All Your Friends”からの一曲。彼女に浮気されてしまった(もしくは好きだった女の子が違う男とくっついてしまった)男がウジウジと女々しい泣き言を言っている、という歌詞です。これぞ00’sエモですね。最高

MVの元ネタは『ファイトクラブ』(1999年)

http://www.film4.com/reviews/1999/fight-club
http://www.film4.com/reviews/1999/fight-club

ブラッド・ピットとエドワード・ノートン主演でジャレッド・レトも出演している、デヴィッド・フィンチャー監督の映画『ファイト・クラブ』。素手の殴り合いシーンは下手なアクション映画よりも迫力があり、後半に進むにつれて精神が擦り減るようなスリラー描写も登場する、2000年代における傑作の一本でもあります。
MVはほとんど映画をなぞっており、「僕はジャックの○○」やサブリミナル的イメージ、肥満男とのハグ、フィルムの焦げにタッチするところなど、色々な小ネタが満載です。

The Used/ All That I’ve Got

FinchやSaosinなどと並んで語られるスクリーモバンド、The Used。この曲が収録されている2ndアルバムの“In Love And Death”とデビューアルバムの“The Used”はメインストリームなスクリーモの名盤です。この曲”All That I’ve Got”は、キャッチーなメロディと、バンドにしては激しすぎない演奏で誰にでも聴きやすいと思います。歌詞は大切な人を失ってしまった後、悲しみや孤独に十分に打ちのめされつつも、自分はもう平気だと強がる男の物語です。悲しいね。エモいね。

MVの元ネタは『時計じかけのオレンジ』(1971年)

http://www.telegraph.co.uk/film/what-to-watch/a-clockwork-orange-stanley-kubrick-controversy/
http://www.telegraph.co.uk/film/what-to-watch/a-clockwork-orange-stanley-kubrick-controversy/

またしてもスタンリー・キューブリック監督による、ディストピア近未来SF映画『時計じかけのオレンジ』。クラシック音楽とオールディーズ音楽にのせて、暴力の限りを尽くす不安定な年ごろの主人公と、それを管理・支配しようとするシステムを過剰なほど皮肉たっぷりに描いています。
本作とMVの関連性は前述のものより薄くて、登場人物の衣装くらいです。歌が始まった場面のボーカルのメイクやハット、終盤でテーブルに座っている場面の白いシャツに黒いハットがそうですね。デカダンな雰囲気はMVにも映画にもありますが、やや類が違うのでそこはスルーで。

My Chemical Romance/ Ghost Of You

はい。来ました、みんな大好きマイケミ! え、そうでもない? 2000年代中盤に根暗だった人はみんな聞いてたマイケミですよ。2000年代中盤の三大エモバンドといえばMy Chemical RomanceとFall Out BoyとParamore、というくらいシーンを引っ張っていました。すでに解散していますが現在も人気は絶大で、今年は彼らの3rdアルバム“The Black Parade”の10周年盤が発売されてファンは盛り上がりました。この曲は彼らの2ndアルバム“Three Cheers For Sweet Revenge”からの一曲。死別してしまった人への申し訳なさ、そこから生まれる自己嫌悪の感情を歌っています。

MVの元ネタは『プライベート・ライアン』(1998年)

http://www.mirror.co.uk/tv/gallery/saving-private-ryan-4868265
http://www.mirror.co.uk/tv/gallery/saving-private-ryan-4868265

スティーブン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦を舞台にした戦争映画『プライベート・ライアン』。冒頭のオマハ・ビーチ上陸は、直視できないほどリアルで残酷なシーンとして有名ですね。
MVもこの有名な冒頭の上陸シーンをもとに作られています。先日公開されて話題となった『ソーセージ・パーティー』でも同じシーンがパロディにされていましたが、こちらは音楽も相まって笑えるものではありません。ただしオマージュとしてかなり良くできていますし、ボーカルのジェラルド・ウェイの熱演も見どころです。ちなみに彼はコミックのライターとしても活動しているので、アメコミファンの方はぜひチェックしてみてください。

good charlotte/ Predictable

2000年代初頭に、New Found GloryやSimple Planと一緒に元気いっぱいヤンチャなパンク小僧として登場したGood Charlotte。一度はダークな路線に走ったものの、近年はまた明るくなり、今年もポップで明るいアルバムをリリースしました。この曲はちょうどバンドがダークな時代に入った頃の3rdアルバム“The Chronicles of Life And Death”からの一曲。人との関係がこの先ダメな結果にしかならないと分かってしまい、先回りして傷つくという内容の歌詞。ちなみにこの曲“Predictable”は、日本盤のアルバムには日本語バージョンも収録されているので、気になる方はチェックしてみてください。

MVの元ネタは『シザーハンズ』(1990年)

http://www.timeout.com/london/film/edward-scissorhands
http://www.timeout.com/london/film/edward-scissorhands

みんな大好きティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演のタッグによるファンタジー/ロマンス映画『シザーハンズ』。ジョニー・デップ演じる、The Cureのロバート・スミスのような髪型とハサミで出来た手を持つ人造人間エドワード・シザーハンズと、ウィノナ・ライダー演じるエドワードが居候する一家の娘のラブストーリーです。
ティム・バートン作品はポップパンク/エモバンドにとても愛される傾向があり、Good Charlotteも例に漏れずティム・バートン作品の大ファン。MVでは映画に登場する住宅街や、エドワードが住んでいた城が登場します。アニメーション部分もティム・バートンの影響丸出しで、彼らのバートン愛が感じられます。

まとめ

ミュージックビデオを見てみると目の周りを黒く塗っている人が多かったですね。エモです。男のアイライナー、「ガイライナー」なんて言われています。筆者は中高生のころに大好きだった(今でも好きですが)音楽を紹介するので、なんだかとても恥ずかしい気持ちになりました。
映画もバンドも知ってたけど、こんな繋がりがあるなんて知らなかった、とか、映画は知ってたけどこんな曲知らなかった、曲は知ってたけど映画が由来だなんて知らなかった、という方に知ってもらえれば幸いです。このような音楽と映画の特集をこれからもやってゆくので、いつになるかはわかりませんが、次回も楽しみにしていただければと思います。

前回の特集はこちら。

Writer

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Nao C.V.Nao Goto

パンクロックと映画が好きです。ストレートエッジになりたいのに、ストーナーフィルムに憧れています。ヴィーガンです。スタンドアップコメディアンもやってます。

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