Menu
(0)

Search

【インタビュー】『マトリックス レザレクションズ』再登場するサティーはどんな存在? ─ プリヤンカー・チョープラー・ジョナスが語る

マトリックス レザレクションズ
©2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

2021年12月17日(金)、1年の締めくくり目前にSF超大作『マトリックス レザレクションズ』が日本公開を迎える。世界の常識を覆した『マトリックス』シリーズ18年ぶりの新作ともあって、ファンからかけられた期待は計り知れない。

『レザレクションズ』では、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世演じるモーフィアスやジョナサン・グロフ演じるスミスといった、3部作でお馴染みのキャラクターと同名の登場人物が話題となっているが、このたびTHE RIVERが単独インタビューを行ったプリヤンカー・チョープラー・ジョナス扮するサティーも、そのうちの一人。サティーといえば、『マトリックス レボリューションズ』(2003)で、マトリックスを救う最後の希望として登場した不正プログラムの少女だった。

もしプリヤンカー演じるサティーが『レボリューションズ』の少女だとしたら、本編でも重要な役割を担うことになりそうだが、それは本編を観てからのお楽しみ。プリヤンカーとの取材では、『レザレクションズ』出演の経緯や本編を観た感想、コロナ禍で公開される意義などを訊いた。

 マトリックス レザレクションズ
©2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

サティーは「とても特別な役割」

── よろしくお願いします!

こんにちは。お元気ですか?

── 実は日本では夜の11時なのですが、プリヤンカーさんと話せるとなれば全く問題ないです。

えぇ、なんかごめんなさい……!

── 気を遣わせてすみません。お元気でしょうか?

今は新作の撮影でロンドンに滞在しているんですけど、気分は良いし、心地良いです。ここでは秋が終わって冬が始まろうとしていて素敵です。

── 良かったです。それでは最初に、どのような流れで出演が決まったのかを教えていただけますか?

別の作品の撮影をしていたら、エージェントから電話があって、ラナ(・ウォシャウスキー監督)が次の日にサンフランシスコで会いたいというんです。すぐに飛行機の便を手配しました。彼女に会いに行ってお話をしてから、この素晴らしい役をオファーしていただいたんです。『マトリックス』のようなフランチャイズに参加できるなんてワクワクしました。

── 演じる役をお聞きになった時は、どのような反応でしたか?

このキャラクターを演じられて、素直に嬉しかったです。彼女を演じられるだけの信頼を抱いてもらえて光栄に思っています。

── ラナ監督とは、以前から親交はあったのでしょうか?

いえ、この映画までは彼女とお会いしたことがなくて。

── そうなんですね。『マトリックス』以外にもウォシャウスキー姉妹の作品はご覧になっていましたか?

もちろんです。ウォシャウスキー姉妹も彼女たちの作品も象徴的な存在ですからね。映し出す世界やジャンルは特にそうですけど、彼女たちは傑出した映画を作り出してきましたよね。

── 出演するかしないかを決断する際、あなたはネオのように迷わず赤いピルを選びましたか?

(笑)。まあ、そういうことですね(笑)。この映画で私が何を選び、何をしているかは秘密です。出演するにあたって一番ワクワクしたのは、このキャラクターがとても特別な役割で、フランチャイズ全体の中でも欠かせない存在だったということ。演じられて光栄でした。

── 役作りをする上で、ラナ監督からは具体的にどのような指示を受けましたか?

彼女はとても(指示が)具体的な監督です。私の役柄にもはっきりとした考えを持たれていましたし、役作り期間中も何度かお会いしました。『マトリックス』が何なのかを説明できる人は非常に限られていますから、私としてもラナの指示に必ず従うようにしていました。すごく頼らせていただきました。

 マトリックス レザレクションズ
©2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

夫ニック・ジョナスと「興奮しっぱなし」の本編鑑賞

── 撮影中、一番大変だったことは?

具体的なシーンは言えないですが、太陽が沈む間にやらなければいけなかったことがたくさんありました。1日のうちの45分間で撮り終えるといった感じです。これまでで一番苦戦したことかもしれないです。太陽が沈む前に、20のシーンをこなさなければいけなかったので。セリフもしっかり全部暗記して。45分間でやりきらなきゃいけないプレッシャーはものすごかったですよ(笑)。

── 監督のラナ・ウォシャウスキーは、多様性を意識した作品づくりやキャスティングを推進している方です。本作での経験はいかがでしたか?

この映画を通して、私にも友人が出来ました。ドイツとサンフランシスコでの撮影もすごく楽しくて。自分が観たままの世界が映画にも反映されているってすごくワクワクすることだと思います。私たちもそのために努力を欠かさず行いました。

── 本編はご覧になりましたか?もしそうであれば、本作の感想を教えていただけますか?キアヌは本編を観て圧倒されたあまりに、ラナ監督に「どうやったんですか?」と聞き返してしまったそうですが……(笑)。

この映画には、私も驚きました。美しいですし、ファンの方々が期待していること全てが詰め込まれています。ファンの方々のためのサプライズもありますよ。

── 映画はお一人で鑑賞されたのですか?

夫のニック(・ジョナス)と一緒に観ました。

── ニックとは何か話をされましたか?彼の反応も気になります。

彼も気に入っていました。彼に聞いたら一番早いと思いますが、2人で興奮しっぱなしでした(笑)。一緒に観られて良かったです。

レジェンド3人を目の当たりにして

 マトリックス レザレクションズ
©2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

── ラナ監督のご両親が亡くなったことが『レザレクションズ』製作の契機になったと伺いました。監督にとって非常にパーソナルなテーマが扱われているのではないでしょうか。『レザレクションズ』で描かれるテーマに共感しましたか?

間違いなくしました。彼女が映画で提起しているテーマにもそうですし、物語がどう進むのかにも深く共感しました。でもとにかく、観ていて楽しいですよ。

── 『マトリックス』が現代に蘇り、存在する意義は何だと思いますか?

「『マトリックス』は本当に存在するものなのか?」。まずはそこが問いじゃないでしょうか?(笑)。1作目が公開された当時、「運命を選ぶ」ということこそ、『マトリックス』が提起していたテーマでした。これには多くの人が考え、意識したと思います。本作も、その延長線上にあるんです。

── 撮影現場で印象に残っているエピソードはありますか?

撮影期間の一瞬一瞬が印象に残っています。共演者も本当に素晴らしい方々ばかりで。特にジェイダ(・ピンケット・スミス)とキアヌ(・リーブス)、キャリー=アン(・モス)の3人が再演している姿を見られたのは、最高の経験でした。私自身、現場ではずっとファンの女の子のようでした。

── 最後に、『マトリックス』がコロナ禍で公開される意義は何だと思いますか?

映画やエンターテインメントは楽しいものですから、特にパンデミックの間は皆さんに元気を与えたと思います。業界全体も、安全に映画を作ってきました。ステイホームしている時にストリーミングサービスを享受したり、映画を観たりするのは、正気を保つためでもあると思うんです。少なくとも私にとってはそうですから。これを与えてあげられる業界の一部になれてとても光栄ですし、『マトリックス』もコロナ禍で撮影された映画ですから、そんな作品を世界にお届けできるなんて、私の大きな誇りです。

『マトリックス レザレクションズ』は2021年12月17日(金)より全国公開。

Writer

アバター画像
SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。