2020年10月のNetflixオリジナルの新作は、エディ・レッドメイン＆ジョセフ・ゴードン＝レヴィット共演の『シカゴ7裁判』からアーミー・ハマー＆リリー・コリンズ共演のアルフレッド・ヒッチコック監督『レベッカ』（1940）リメイク版など、話題作が目白押し。本記事で、ネトフリの秋に備えよう。

「エミリー、パリへ行く」10月2日独占配信

『あと1センチの恋』（2014）『テッド・バンディ』（2019）のリリー・コリンズ主演のコメディ・ドラマ。

米シカゴで、マーケティング担当として仕事に励んでいた20代の女性エミリー（コリンズ）。会社がフランスの高級ブランドマーケティング企業を買収したことで、思いがけずパリで念願のポジションに就き、SNS戦略の刷新を任されることになる。職場の同僚を説得したり、友達を作ったり、新たな恋に巡り合ったりと、エミリーはワクワクするような経験に挑戦していき…。

脚本・製作総指揮を務めるのは「セックス・アンド・ザ・シティ」（1998-2004）のダーレン・スター。主演のコリンズほか共演者には、『赤ちゃんに乾杯!』シリーズのフィリッピーヌ・ルロワ＝ボーリュー、「メリー・アン・シングルトンの物語」（2019-）アシュレイ・パーク、「13の理由」（2017-2020）のケイト・ウォルシュ、『ザ・ロンゲスト・ウィーク』（2014）のウィリアム・アバディらが名を連ねている。

『ヒュービーのハロウィーン』10月7日独占配信

『アンカット・ダイヤモンド』（2019）などのアダム・サンドラー主演、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」（2016-）ノア・シュナップ共演のコメディ映画。

アメリカ・マサチューセッツ州セーラム。ハロウィーンをこよなく愛する変わり者のヒュービー・デュボワは、地域ボランティアを行うような善意に溢れている人物だが、周囲からは笑い者にされていた。そんな中、ハロウィーンの夜に謎の殺人事件が発生。ヒュービーが町を救う為に奮闘することに……。

出演者にはサンドラー＆シュナップの他、『俺は飛ばし屋／プロゴルファー・ギル』（1996）のジュリー・ボーウェン、『グッド・フェローズ』（1990）のレイ・リオッタ、『レザボア・ドッグス』（1992）のスティーヴ・ブシェミ、『ピクセル』（2015）のケヴィン・ジェームズ、『インヒアレント・ヴァイス』（2014）のマーヤ・ルドルフなどが名を連ねている。監督は『ドゥ・オーバー：もしも生まれ変わったら』（2016）のスティーヴン・ブリル、脚本は『ピクセル』のティム・ハーリヒーがサンドラーと共同執筆した。

「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」10月9日独占配信

シャーリイ・ジャクスンによる怪奇小説『丘の屋敷』を原作とした「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」の“次章”として位置づけられているアンソロジーシリーズ。

舞台は1980年代、イングランド。ブライマナーという屋敷にて、二人の孤児の世話のために雇われた家庭教師に起きる怪奇を描いた物語だ。子どもたちの面倒を見ていた彼女は、やがて屋敷の異変を察し始めて……。

前作に続き、監督・脚本のマイク・フラナガン、製作総指揮のトレヴァー・メイシーが続投。出演者にもヴィクトリア・ぺドレッティ、ヘンリー・トーマス、オリヴァー・ジャクソン＝コーエン、ケイト・シーゲルほか、「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」のメンバーが大勢復帰するが、今回はそれぞれ新たな役どころでの登場となる。

『40歳の解釈：ラダの場合』10月9日独占配信

2020年サンダンス映画祭、米国ドラマ部門で監督賞を受賞したインディーズ・コメディ映画。35mmモノクロフィルムで撮影された話題作だ。

運に見放されたニューヨークの劇作家ラダは、40歳までになんとかひと花咲かせたいと必死。ところが、成功のラストチャンスと思わしきタイミングでつまずき、ラッパーとして再スタートする以外に道が無くなってしまう。ヒップホップと演劇の間で揺れるラダが自らの内なる声について模索する姿が描かれる。

監督・脚本・製作・主演を兼任するのは、ラダ・ブランク。「シーズ・ガッタ・ハヴ・イット」（2017-2019）では製作と脚本を務めている。出演者には、「After Forever（原題）」（2018-2019）のピーター・キム、「ハウス・オブ・カード 野望の階段」（2013-2019）のリード・バーニー、『食べて、祈って、恋をして』（2010）のウェルカー・ホワイトらが名を連ねた。

「ソーシャルディスタンス」10月15日独占配信

「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」（2013-2019）製作陣が贈る全編リモート制作のアンソロジーシリーズ。

舞台は、新型コロナウイルスのパンデミックが始まった最初の数ヵ月。この時期に、先の読めない孤独な状況に直面した人間たちの精神力が描かれる。各話では、互いに離れ離れで会うことも叶わず、テクノロジーを頼りに連絡を取ることで心の絆を保つ他ない人々に湧き起こる特別な感情を、バーチャル・レンズを通して映し出す。

企画・製作総指揮・ショーランナーを務めるのは、「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」のヒラリー・ワイズマン・グレアム。ほか製作には同じく「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」からタラ・ハーマンとジェンジ・コーハン、「TRUE DETECTIVE」（2015-）のブレイク・マコーミックらが参加している。全8話構成。

「スター・トレック: ディスカバリー」シーズン3 10月16日独占配信

SFアドベンチャー『スター・トレック』のドラマシリーズ「スター・トレック：ディスカバリー」の新シーズン。

U.S.S.ディスカバリーの乗組員である女性主人公マイケル・バーナム（ソネクア・マーティン＝グリーン）視点で描かれる「スター・トレック」の物語。シーズン3では、まだ見ぬ未来へ文字通り踏み出す一同が、未知なる時間・空間のなか、新たな登場人物たちに支えられながら、希望を甦らせるべく力を合わせることになるという。

シーズン3は全13話構成。出演者はグリーンのほか、サル役のダグ・ジョーンズ、ポール・スタメッツ役のアンソニー・ラップ、シルヴィア・ティリー役のメアリー・ワイズマン、ヒュー・カルバー役のウィルソン・クルーズ、フィリップ・ジョージャウ役のミシェル・ヨーら。新キャラクターの“ブック”ことクリーヴランド・ブッカー役には「NIGHTFLYERS／ナイトフライヤー」（2018-）のデヴィッド・アジャラが起用された。

企画・製作総指揮は、映画版『スター・トレック』シリーズや『ミッション:インポッシブル3』（2006）などで知られるヒットメーカーのアレックス・カーツマン、「スター・トレック：ディープ・ スペース・ナイン」（1993-1999）「スター・トレック：ヴォイジャー」（1995-2001）脚本のブライアン・フラーら。

『シカゴ7裁判』10月16日独占配信

『ファンタスティック・ビースト』シリーズのエディ・レッドメイン、『インセプション』（2010）ジョセフ・ゴードン＝レヴィットら豪華キャスト共演の歴史映画。

1968年、米シカゴで開かれた民主党全国大会。会場近くでは、ベトナム戦争に反対する市民や活動家たちが抗議デモのために集結していた。当初は平和的に実施されるはずだったデモは徐々に激化し、警察との激しい衝突へ発展。デモの首謀者とされたアビー・ホフマン（サシャ・バロン・コーエン）、トム・ヘイデン（エディ・レッドメイン）ら7人の男“シカゴ・セブン”は、暴動の煽動罪で起訴されてしまい、歴史に悪名を轟かせた“衝撃的な裁判”が幕を開ける……。

出演者はレッドメインやゴードン＝レヴィットのほか、『レ・ミゼラブル』（2012）のサシャ・バロン・コーエン、『バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）』（2014）などの名優マイケル・キートン、『ブリッジ・オブ・スパイ』（2015）でアカデミー賞助演男優賞を受賞したマーク・ライランス。さらに『パーティで女の子に話しかけるには』（2017）のアレックス・シャープ、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』（2015）のジェレミー・ストロング、「ウォッチメン」（2019）のヤーヤ・アブドゥル＝マティーン2世らが脇を固めた。

監督・脚本は、『ソーシャル・ネットワーク』（2010）でアカデミー賞脚色賞を受賞、『マネーボール』（2011）でアカデミー賞脚色賞候補となったアーロン・ソーキンが務めた。

『レベッカ』10月21日独占配信

『君の名前で僕を呼んで』（2017）アーミー・ハマー＆『シンデレラ』（2015）リリー・ジェームズ共演、巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督『レベッカ』（1940）のリメイク映画。

原作は、英国が誇る作家ダフネ・デュ・モーリアの同名ゴシック・ロマンス小説（新潮文庫）。嵐のような恋愛を経て、海難事故で妻を亡くした貴族マキシム・デ・ウィンター（アーミー・ハマー）と結婚した女性（リリー・ジェームズ）は、英国の海岸沿いにそびえ立つ夫の豪邸マンダレイで暮らし始める。しかし、そこには謎に包まれた前妻レベッカの影が色濃く遺されていた。レベッカを慕う家政婦ダンバース（クリスティン・スコット・トーマス）に憎まれ口を叩かれる日々を過ごす主人公の女性は、やがて精神的に追い詰められていく……。

出演者にはハマー＆ジェームズの他、家政婦役に『ウィンストン・チャーチル／ヒトラーから世界を救った男』（2017）などのクリスティン・スコット・トーマスが参加している。監督を務めるのは、『ハイ・ライズ』（2015）『フリー・ファイヤー』（2016）のベン・ウィートリー。脚本は『キングスマン』シリーズのジェーン・ゴールドマン、『栄光のランナー 1936ベルリン』（2016）のジョー・シュラプネル＆アナ・ウォーターハウスが担当した。

「エイリアニスト: 暗闇の天使」10月22日独占配信

ダニエル・ブリュール、ルーク・エヴァンス、ダコタ・ファニングの豪華共演による、19世紀を舞台としたサイコスリラー・ドラマのセカンド・シーズン。

舞台は19世紀、隆盛を迎えていたニューヨーク。精神病（※当時の表現）患者は人間の本質から遠い存在だとみなされ、精神病の研究者たちは“エイリアニスト”と呼ばれていた。非人道的な扱いこそ減りつつあったものの、精神科医と患者たちは人々の偏見にさらされていたのだ。優秀だが偏執的な精神科医のラズロ・クライズラー（ブリュール）、ニューヨーク・タイムズのイラストレーターであるジョン・ムーア（エヴァンス）、ニューヨーク初の女性警察職員サラ・ハワード（ファニング）は、シーズン2でスペイン領事の小さい娘が誘拐された事件の捜査に着手。しかし、3人の捜査は殺人事件や詐欺事件、そして凶悪な殺人鬼へと繋がっているのだった…。

出演者には『シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ』（2016）のダニエル・ブリュール、『美女と野獣』（2017）のルーク・エヴァンス、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』（2019）のダコタ・ファニングのほか、双子のアイザックソン兄弟を演じたダグラス・スミス＆マシュー・シアー、使用人サイラス役のロバート・ウィズダム、元市警総監トーマス・バーンズ役のテッド・レヴィンが続投。新キャストとして「YOU ―君がすべて―」（2018-）のメラニー・フィールドらが加わる。

「エイリアニスト」シリーズは、作家ケイレブ・カーによる同名小説をドラマ化したもの。製作総指揮は『007／ノー・タイム・トゥ・ダイ』（2020年11月公開予定）を控えるキャリー・フクナガ、『ミュンヘン』（2005）『アリー/スター誕生』（2018）脚本家のエリック・ロスらが担当する。

『フェイフェイと月の冒険』10月23日独占配信

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで40年近く活躍し続けてきた巨匠グレン・キーンが監督を務める新作アニメーション映画。

少女フェイフェイは、物心ついた頃から今は亡き母が語っていた“月の女神の伝説”を信じ続けてきた。月には昔、美しい女神が愛する男性と共に暮らしていたが、ある出来事をきっかけに離れ離れになってしまい、女神は今でも“真実の愛”の彼を待ちながら、月で孤独に暮らしているというのだ。科学が大好きなフェイフェイは、家族をめぐる様々な悩みを抱えながらも、伝説を証明すべく自ら宇宙船を作り、ウサギのバンジーと月へ向かうことを決意。そしてたどり着いた月の世界には、不思議な王国や幻想的な生き物たち、そして思いがけない冒険が待ち受けていた……。

監督のキーンは、『リトル・マーメイド』（1989）で主人公アリエルのキャラクターデザイナー、『美女と野獣』（1991）『アラジン』（1992）『ターザン』（1999）などでスーパーバイジング・アニメーター、『塔の上のラプンツェル』（2010）で製作総指揮も務めるなど、数多くのディズニー・キャラクターを生み出してきた伝説的アニメーター。共同監督には、初監督作『紙ひこうき』（2012）で第85回アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したジョン・カースが名を連ねた。

主人公フェイフェイの声を務めるのはキャシー・アン。大人気ミュージカル『ハミルトン（原題）』で2016年トニー賞のミュージカル主演女優賞にノミネートされたフィリッパ・スーら実力派も参加している。

「クイーンズ・ギャンビット」10月23日独占配信

『ミスター・ガラス』（2019）『ニュー・ミュータンツ（原題：The New Mutants）』（2020）出演の若手女優アニャ・テイラージョイ主演、作家ウォルター・テヴィスによる小説『The Queen’s Gambit（原題）』が原作のリミテッドシリーズ。

1950年代後半、冷戦時代を舞台に、米国の孤児院に預けられたベス・ハーモン（アニャ・テイラー＝ジョイ）の8歳から22歳までを描く。州政府から与えられた精神安定剤の中毒になりながらも、チェスの驚くべき才能を開花させるベス。麻薬と妄想を無二の親友として、競争の激しい男性優位のチェスの世界で築かれてきた伝統的な境界を打ち破ろうと孤軍奮闘していく。

出演者にはアニャ・テイラー＝ジョイの他、『ある女流作家の罪と罰』（2018）『幸せへのまわり道』（2019）で監督としても活躍するマリエル・ヘラー、『メイズ・ランナー』シリーズのトーマス・ブロディ＝サングスター、『ハリー・ポッター』シリーズや『悪魔はいつもそこに』（2020）のハリー・メリング、『ジョーカー』（2019）のビル・キャンプなどが名を連ねている。監督・脚本を務めるのは、『LOGAN／ローガン』（2016）の脚本、Netflixオリジナルシリーズ「ゴッドレス -神の消えた町-」（2017）の監督・脚本・製作を手掛けたスコット・フランク。全7話構成。

『ホリデーオンリー：とりあえずボッチ回避法？』10月28日独占配信

「アメリカン・ホラー・ストーリー」（2011-）エマ・ロバーツ主演のロマンティックコメディ映画。

休日が嫌いな2人の独身スローン（ロバーツ）とジャクソン（ルーク・ブレイシー）はクリスマスの日に偶然出会う。見ず知らずの2人だが、家族の詮索やデートの誘いを断るため、1年間休日を一緒に過ごすことを約束。異性としての興味を持っていないと安心する2人は相性抜群のタッグを発揮する。ところが、約束の1年が終わろうとしていたある時、互いに嫌っていたものが、思いがけずも愛するものへと変わっていき…。

主演のロバーツほか共演者には、ジャクソン役で『ハクソー・リッジ』（2016）のルーク・ブレイシー、『僕のワンダフル・ジャーニー』（2019）のジェイク・マンリー、「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」（2017-）のジェシカ・キャプショー、「ヘアスプレー ライブ!」（2016）のクリスティン・チェノウェス、『ザ・ベビー・シッター』シリーズのアンドリュー・バチェラーらが参加している。監督は『ビッグママハウス2』（2006）などのジョン・ホワイトセル、製作は『チャーリーズ・エンジェル』シリーズのマックG、脚本は『ベビーシッター・アドベンチャー』（2016）のティファニー・ポールセンが務めた。