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なぜNetflixドラマは人気作でも打ち切りになるのか? ─ 「決して軽んじていない」「長い目で見ている」と幹部

シスター戦士
Netflixオリジナルシリーズ「シスター戦士」7月2日独占配信

Netflixによるオリジナルシリーズの早期打ち切りは、たびたび議論を巻き起こしてきた。同サービスでは「ストレンジャー・シングス 未知の世界」(2016-)や「ブリジャートン家」(2022-)、「ウィッチャー」(2019)など世界的ヒット作がユニバースを拡張していく一方、熱狂的なファンベースを持つシリーズがわずか2シーズンほどで打ち切り(キャンセル)となるケースが少なくない。

2022年も、Netflixオリジナルシリーズのキャンセルが相次いだ。1月にリリースされた超常現象サスペンス「アーカイヴ81」は、1億3,000万時間の視聴時間を記録し、Netflixとニールセン両方のランキングでTOP10入りしたものの、わずか2か月後に打ち切りに。マイケル・B・ジョーダン製作総指揮のヒーロードラマ「レイジング・ディオン」シーズン2もTOP10入りを果たしたが、配信から2か月で打ち切りとなった。また8月には批評家から高い評価を誇る「ベビーシッターズ・クラブ」が2シーズンで打ち切られ、ファンの間で波紋を呼んだ(現在、リバイバルまたはテレビ映画化の企画がされている)。

直近では「ウィンクス・サーガ: 宿命」(2021-)がシーズン2、「ザ・ホーンティング」シリーズや「真夜中のミサ」(2021)で大成功を収めたマイク・フラナガンによる「ミッドナイト・クラブ」が1シーズンで打ち切りに。12月13日には「シスター戦士」のキャンセルも発表され、番組ファンによる怒りのツイートや嘆願書が出回る事態となった。

こうしたファン人気の高いシリーズが早期打ち切りとなった場合、物議が起こるのは当然だ。Netflixの週間ランキングでTOP10入りし、熱狂的なファンベースを築いたシリーズであっても、わずか1~2シーズンで打ち切りになるのはなぜだろうか?Netflix幹部のピーター・フリードランダーが米Varietyに語ったところによると、打ち切りのプロセスは我々が考える以上に複雑のようだ。

ファンにとって早期打ち切りは無慈悲な判断に思えるが、フリードランターいわく「キャンセルはこの仕事の一番難しいところ」とのこと。「クリエイターやNetflixの全関係者が作品にかける労力を思うと、我々は作品に対して情熱を持って取り組んでおり、決して軽んじているわけではありません」。

しかし打ち切りは「永遠に続く仕事のフラストレーションの一部」だと表現し、「キャンセルがあるのは新しい経験ではないし、継続するような番組をお届けできることを望んでいます」と語った。

またNetflixのTOP10リストの役割については、視聴者が番組を発見したり、視聴したりする際における、あくまでも「便利なツール」だとコメント。「そういう意味で本当に役に立っていますし、その瞬間の人気を物語るものだと思います」と述べつつも、シーズン更新を検討する際の大きな指標にはならないようだ。「我々が決断を下すときは、長期的な視点で、より長い目で見ることが大切です。我々は常に多くの変数も見ています。TOP10は、その内のひとつの変数に過ぎません」。

直近に打ち切りとなった「シスター戦士」は、11月に公開されたシーズン2が3週間にわたりNetflix英語シリーズの週間トップ10にランクインし、最高で第5位を記録していた。米Deadlineは同シリーズの打ち切りに関して「小規模ながら熱狂的なファン層を築いており、それがシーズン2への更新を後押ししたが、長期的にシリーズを維持するには十分ではなかった」としていたが、今回のフリードランターの発言はこの見解を裏付ける形となったといえるだろう。

Source:Variety,Variety,Deadline

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KyokoKyoko Okajima

アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

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