今更ながら、『デアデビル』観たさにNetflixを契約して感動した話
筆者は、普段海外ドラマをあまり見る方ではありません。数年前までは、話題になっている作品は一応おさえていたのですが、映画とはまた異なる文法の作品作りや、露骨なシーズンまたぎ等に少々くたびれていたところを『LOST』の最終話で完全にトドメを刺されてしまい、もうドラマはいいやと考えておりました。
ここ数年、DCの『アロー』『フラッシュ』『ゴッサム』、マーベルの『エージェントオブシールド』等、アメコミ原作のドラマが立て続けにリリースされ評判も非常によろしいとは聞き及んでいたのですが、見始めてしまうと消費することになる膨大な時間などを理由に二の足を踏んでおりました。(これらのDCやマーベル原作のドラマが、映画のDCEUやMCUと、直接のリンクをする予定が無いというのも理由のひとつです)。
そんな折、メルマガ登録をしている香港のフィギュアメーカー『HOTTOYS』から、新製品の予告が届いたのですが、それがNetflixオリジナルドラマの『デアデビル』の1/6スケール製品開発開始のお知らせだったのです。
これは極めて異例のことで、今や高級フィギュアメーカーとして特にアジア圏の洋画ファンに広く知られているHOTTOYSが、筆者の記憶にある限り、『ドラマ原作』(しかもネット映像配信サービスでのみ視聴可能)のキャラクターを看板シリーズである1/6フィギュアとしてリリースしたことはなかったはずです。ホームページでHOTTOYSの偉い人のインタビューを読むと、会社としてリリースしたいキャラクターがいても、ちゃんと採算がとれる見込みが少ない商品は1/6スケールのフィギュアとしてはリリースすることができないということを繰り返し答えており、これはつまりHOTTOYSが1/6スケールで商品化するキャラクターには、一定以上の認知度があるという証左なわけです。
筆者も、Netflix版『デアデビル』『ジェシカ・ジョーンズ』、今秋始まるという『ルーク・ケイジ』やその後の『アイアン・フィスト』の噂は聞いていたのですが、敬遠している連続ドラマな上に、ネット映像配信サービス限定というハードルが乗っかり、スルーを決め込んでいました。
が、そういえばここ最近、映画には登場しないにも関わらず、『デアデビル』関係の邦訳アメコミ出版が続いていることが気にはなっていたので、自分の中でパスルのピースがここにきてピッタリはまり、『ひょっとして、見逃してはいけないもを見逃している可能性がある』というところに思いが至り、おっとり刀でNetflixと契約、取り急ぎ『デアデビル』の第1シーズン全13話を鑑賞しました。
Netflixとは
Netflixは、オンラインDVDレンタルや映像のストリーミングサービスで、会員数は全世界で5000万人以上と言われる、世界最大手の映像配信サービスです。特に米国では普及率が高く、『Hulu Plus』や『Amazon Prime』と激しく競い合っています。日本国内では契約すると月額650円~1500円程度の料金(初回月無料)で、様々な映像コンテンツを、テレビだけでなく、スマートフォンやタブレット等で視聴することができます。Netflixの大きな特長としては、独自に製作したオリジナルコンテンツの豊富なラインナップと、料金体系により複数のプロフィールを作ることができるので、二人以上が異なるハードで同時に利用できることなどが挙げられます。
筆者が驚いたのは、やはり契約から視聴可能になるまでのスムーズさで、『デアデビル』の第一話を見始めるのに、Netflixと検索してから5分もかかりませんでした。その昔、スカパーを初めて契約した際の手続きの煩雑さを思うと隔世の感がございました。
で、デアデビルはどうだったの?
前置きばかり長くなりましたが、『デアデビル』はその評判の高さにふさわしい、素晴らしい作品でした。
シーズン1はいわばデアデビルのオリジンとも言うべきストーリーラインで、デアデビルというヒーローを全く知らない方でも問題なく楽しむことができます。
事故により全盲となった主人公が、視力と引き換えに得た『レーダーセンス』を武器に、巨悪と戦うというと、従来のヒーロー映画の王道的なお話ですが、主要キャラを絞り、キャラクターを悪役に至るまでたっぷり尺を使って深く掘り下げることで、どのキャラクターにも非常に感情移入がしやすく、それによって物語自体の牽引力も比例して強くなっていく作りになっています。シーズン1全13話で、とりあえずストーリーも綺麗に一区切りしますので、『この謎はシーズン2へ』みたいなこともなく安心して鑑賞し始めることが出来ます。
欠点はないのかと言うと、劇中、役者が日本語を話す場面が割と頻繁にあり、その発音の不自然さと、日本語ということで字幕が入らないので何を言ってるかわからない、という点が気になりましたが、それもご愛嬌だと笑って許せるハイクオリティな作品でした。
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