スターウォーズ、『ライトセーバーの色』設定改変で賛否両論!シスの赤は『血の色』だった?
惑星オルデランの破壊で生じた無数の人々の叫び声を感じ取ったオビ=ワン・ケノービのように、世界中のスターウォーズ・ファンの間で挙がった怒りや戸惑いの声を察知したジェダイもいるかもしれない。
スターウォーズに登場するライトセーバーは、ジェダイは青や緑、ダークサイドの使い手は赤といった色をしていた。その光の色はこれまで、グリップ部分の内部に収められた『カイバー・クリスタル』の色に由来するものとして説明がなされていた。ところが、今回新たに発売される正史小説『Ashoka(アソーカ)』で、この設定が一部改変されることとなった。その驚きの内容に、ファンの間では賛否両論の議論が巻き起こり、炎上のような状態となっている。
一体、ライトセーバーの神秘にどのような改変がなされたのか。ファンはなぜ戸惑っているのかを解説してみよう。
これまでの設定
侍にとっての刀のように、ジェダイにとってのライトセーバーとは命の次に大切な武器であり、自分の化身でもある。ジェダイは修行のうちの通過儀礼として、フォースを頼りに洞窟を探検し、自分のライトセーバーに利用するクリスタルを見つけ出さなければならなかった。ジェダイが採掘する天然クリスタルの色が主に緑や青なのに対し、シスが使うライトセーバークリスタルがなぜ赤なのかというと、彼らは人工のクリスタルを好んで使用するからだ。人工的に作られたクリスタルは赤色になってしまうというのがこれまでの設定だった。
新設定
今回の新設定では、なぜシスのクリスタルが赤く色付くのかという点について、少し具体的な説明が加えられることになった。
小説『Ashoka(アソーカ)』が明かした新設定からは、人工のクリスタルという設定が無くなっている。なんでも、クリスタルそのものにフォースの感能力が備わっており、元は無色のクリスタルが使用者を選び、フォースに呼応して色付く。しかし、クリスタルはダークサイドの使い手には呼応しないので、彼らは他の者からライトセーバーを盗むか、奪って手に入れるしかない。
すると、クリスタルは選んだ者との関係性が絶たれフォースに反応しなくなり、ダークサイドに捻じ曲げられたクリスタルは『血を流し』、赤く染まるのだという。
賛否両論
この新設定は、CBR、CINEMABREND、geektyrant、slashfilmなどといった数々のファンメディアが一斉に報じており、コメント欄ではファンの評価が真っ二つに割れている。
「納得できた」「シスのテーマと一致している」という肯定的な声が見受けられる一方、残念なことに現時点では反対派の失望や怒りの声の方が多数に見られる。
往年のファンはやはり、以前の人工クリスタルの設定を好んでいる。とりわけ、『石が血を流す』という表現がピンとこない。しかも、この設定では過去の作品にいくつかの矛盾が生じてしまう。スターウォーズ・ユニバースにおいて、更なる説明や、新たな考察・解釈が求められることになった。
矛盾点
クリスタルの色が持ち主のフォースサイドによって決まるなら、『エピソード3 / シスの復讐』でアナキンがダークサイドに堕ち、ジェダイ殲滅とオビ=ワン殺害を試みた時、彼のライトセーバーが青いままだったのは何故だろうか。
また、グリーヴァス将軍はこれまで倒したジェダイが持っていたライトセーバーをコレクションしているが、それらがオリジナルの色を維持している理由についても、更なる説明や解釈が求められる。
逆ミディクロリアン
こうした抜本的な改変について、ファンの間では『ミディクロリアン事件の再来』と呼ぶ声もある。
『ミディクロリアン』とは、神秘的なヴェールで包まれていたフォースを数値化できるものとしてしまったことで、ファンを失望させたスターウォーズ史最大の汚点だ。
かつてフォースとは、劇中でオビ=ワンやヨーダによってその概念のみが語られていた。フォースは万物に流れていて、感応者はフォースとの対話を通じてあらゆる神秘に通ずることができる。映画を観ればフォースの概念は理解することができる。しかし、それが何故なのかを詳しく解明されることはなかったし、誰も求めていなかった。
それこそがスターウォーズを他の『サイエンス・フィクション』と差別化し、『スペース・ファンタジー』として孤高の輝きを放つ所以だった。
ところが『エピソード1 / ファントム・メナス』では、フォースの使い手としての素質は血中のミディクロリアン値によって左右されるという、興ざめする設定が付け加えられた。「この世界にもフォースがあって、自分にもその素質があるのかもしれない」とファンの中に密かにあった希望を、『数字で決まるんだよ』というたった一言の説明ですべて踏み潰してしまったのだ。
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