【本当の正義とは】『日本で一番悪い奴ら』警察官という正義は、いとも簡単に悪に堕ちるのか?
2002年7月・・・一人の現職警官の逮捕で発覚した通称「稲葉事件」をモチーフに、綾野剛主演で描かれた「日本で一番悪い奴ら」(以下:日悪)。
日本警察史上最大の不祥事。奴らはいったい何をしたのか!?
実際に起こった現職警官による不祥事
日悪・・・稲葉事件の当事者である稲葉氏の書籍「恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白」の内容が物語の大体を占める。
主演の綾野剛だが、日悪が公開される一月程前に公開された佐藤浩一主演の「64前篇/後編」にも出演していた、今注目のモテモテ俳優。
この日悪・・・R15指定だが、娯楽エンターテイメント作品である。
仕事の成績、金、女、男の欲望全てを上手く表現している。
他人同士が組織を組み、オヤジ、兄弟と呼び合い家族化し、やがて崩壊していく。
運命は、些細な切っ掛けから・・・
取り柄である柔道の腕を買われ、北海道警察へと就職する主人公の諸星要一。
下っ端、手柄は上司に持って行かれる。北海道警察が諸星のおかげで柔道日本一になったことなど、誰も気にも止めない。そんなある日、ひとりの上司にクラブへ誘われ、手っ取り早い手柄の上げ方をレクチャーされる。
そこから諸星の人生が狂いはじめ、日本警察史上最大の不祥事発覚までの道のりが幕を開ける。
みんなは悪いことしたこと、無いんですか?
「正義の味方、悪を絶つ」を己のスローガンとし、現職警官が暴力団と手を組み、後には北海道警察挙げての”ヤラセ逮捕”へと発展する。
未だ公開中であるため、あまり内容には触れないでおくとして、本編135分は、あっという間。
公共の安全を守る一人の警察が、己の点数稼ぎに没頭し、北海道警察の成績のために利用される。
エースと呼ばれ、いい女をものにし、名を広めた結果すすき野の街を歩けば、頭を下げてもらえる。
北海道警察のために、諸星なりの己の正義のために、”飛び込むしかなかった”のかもしれない。
諸星の変って行く私服が笑えたのは、筆者だけだろうか?
綾野剛の演技力
言うまでもないが、凄い役者だ。人が感じる胸の内を上手く表現している場面が、随所にある。
顔の表現、言葉回し、人の持つ欲望・・・
脅されれればビビる。銃を突き付かれ、痛い思いをさせられれば死を感じる。
失敗すれば、どうしたらいいか戸惑う。いい女がいれば欲しくなる。
権力を持っても人は人であり、怖いものが無くなるわけではない。
溺れれば、欲を抑えることなどできなくなることを・・・
この映画を見て、稲葉事件の一番の被害者は誰なのかを考えてみてるのもいいのではないだろうか?
昨今、現職警察官の不祥事が目立つ日本ではあるが、”悪い奴ら”を取り締まる警察が”一番悪い奴ら”にならないでほしいと願うばかりである。
この映画を見る事で何を感じ、あなたの今後の人生に影響を与える部分がきっとあるはずです・・・
https://youtu.be/7T2dZ4WGCbs