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『Mr.ノーバディ』の主人公は、ちゃんと痛がる ─ イリヤ・ナイシュラー監督単独インタビュー

Mr.ノーバディ
© 2021 Universal Pictures
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──監督にとって、ハリウッドでの大作映画としてはこれが初めてですね。また、ケリー・マコーミックやデヴィッド・リーチ、マーク・フィッシャーといった別の方々がプロデュースに入る、という経験も初めてだったはずです。

製作チームが優秀で、良かったです。デヴィッドもケリーもマークもブレイデン(・アフターグッド、プロデューサー)もボブも、それぞれアイデアを持ち込んでくれたので、最善のものが出来ました。契約があるからやる、ということじゃなくて、ベストを尽くそうという気持ちをみんなが持っていました。それに、ノウハウ豊富な人たちにも囲まれていました。特にデヴィッドは、映画ビジネスでの歴が長年ありますし、監督でもありますから。そういった人たちが脇を固めていると安心です。

僕が(撮影地カナダの)ウィニペグに着いた時、2,000枚くらいのストーリーボードを書いて持っていったんですけど、それを見せながら「こういう映画です」って説明したら、すぐに理解していただけて。たくさん話し合いをして変更点も多々ありましたけど、常に全員でベストを求めて模索していました。誰が言い出したかとかはどうでも良くて、「こうするべきだ、君の意見は関係ない」みたいなことも一切なく、「どう思います?話しましょう」って感じ。よく、映画監督が初めてアメリカで映画を撮ると「もうハリウッドの連中とは仕事しない!あいつらはクソだ!クリエイティブもクソもあったもんじゃない!」って言うと聞きますけど、全然そんなことなかったですよ。やりたいようにやらせてもらえました。文句なんてありません。たまたまラッキーだったのかもしれませんけどね。ブレイデン・アフターグッドも「こんな映画が作れて幸運だ」って言っていました。メンバーもよかったし、アプローチもよかったし、取り組む姿勢もよかった。それから予算にも恵まれて、そのおかげでもあります。

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──脚本は『ジョン・ウィック』のデレク・コルスタッドが執筆していますが、どんな部分に惹かれましたか?映像化が一番楽しみだったところは?

先程の回答と重複してしまいますが、ハッチの内なる葛藤です。ボブとプロデューサーから電話をもらったときに、「この作品の特別なところ、ポテンシャルがあるところは、addiction(依存、常用癖、専心)についてのストーリーだと思います。キャラクター主体の映画でありながら、ポップコーン映画のような楽しさもある。その両面の良いところを持っていると思います」という話をしました。過激でありながら、たくさんの人に楽しんでもらえる。凄まじいアクションで何人もを殺しますが、でもちょっと注目すれば、実はその中に流れ星のような、面白いものが流れていることに気づくはずです。だからこの映画をやりたいと思いました。

僕がストーリーを第一に考えたことは、ボブにとっても良かったと思います。最初の話し合いでは、どうやって撮影するかについては話しませんでした。そういうことを考えるのは楽しいので、後からいくらでも思いつくし、彼らも『ハードコア』は観ていただいていたから、僕がこういうのが得意だということは分かっているはず。それよりも大切だったのは、ストーリーをどう見せるか、そこにどう集中するかでした。

──尊敬する映画監督は誰ですか?

難しい質問ですね、いっぱいいるから(笑)。えーっと、うーん……、そうですね、やっぱり最初に思い浮かぶのは(クエンティン・)タランティーノかな。それから……、(デヴィッド・)フィンチャーに……、クリストファー・マッカリーも大ファンです。彼のスタイルは素晴らしい。自分で脚本も書ける監督というのは珍しいんです。タランティーノや、ウェス(・アンダーソン)もそうですよね。それからマーティン・スコセッシ。巨人です。

──ありがとうございました。まだまだコロナ禍が続きますが、この映画を劇場で観るべき理由は何ですか?

良い時間を過ごせるからです。でも大切なのは、見た後に思い出して笑顔になれるところ。きっと笑いたくなるはずです。究極的にはアクション・スリラーなんですけど、楽しいアクション・スリラーになっています。こういう映画はすごく珍しいと思います。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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