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クリストファー・ノーラン、撮影現場はイス禁止「座るってことは働いてないってこと」 ─ アン・ハサウェイ&ヒュー・ジャックマン語る

クリストファー・ノーラン Christopher Nolan
© LFI/Avalon.red 写真:ゼータ イメージ

映画監督クリストファー・ノーランは、撮影や上映へのこだわりなど、ストイックな映画製作で知られるフィルムメーカーだ。撮影現場では、キャストやスタッフなど周囲への要求も大きいようで……。『プレステージ』(2006)に出演したヒュー・ジャックマン、『ダークナイト ライジング』(2012)『インターステラー』(2014)に出演したアン・ハサウェイが、米Varietyの対談企画でノーランの素顔を語っている。

2人によると、ノーランは『ブラック・スワン』(2010)のダーレン・アロノフスキー、『ブレードランナー 2049』(2017)のドゥニ・ヴィルヌーヴと並ぶ、セットに携帯電話を持ち込ませない映画監督のひとり。しかもハサウェイいわく、「クリス(ノーラン)は椅子も許さないんですよ。椅子があったら人は座る、座るってことは働いてないってことだって」。

これにはヒューも「ほんとに?」と驚くが、ハサウェイは「彼は正しいと思う、そうやって空気を引き締めてるんだから」と肯定的だ。「彼の映画は、視野や狙い、技術的達成、興奮がすごく大きいでしょう。決まったスケジュールと予算の中でいつもそこに到達する、その中で椅子に目をつけたんですよ」。

ヒューの反応から察するに、『プレステージ』当時のノーランは椅子を撤廃していなかったのかもしれないが、ヒューのほうにも、ノーランが“休むこと”に厳しかったことを示すエピソードがある。出演契約をまとめる中で、控え室のトレーラーを1人あたり1台ではなく、共演のクリスチャン・ベールと2人でシェアするよう求められたというのだ。しかし、待機時間を過ごすトレーラーは俳優にとっての家がわりであり、自分のトレーラーを持つことは俳優の目標のひとつ。ノーランの要求に、ヒューは「別にかまわないんだけど、ノーランと話したい」と応じたという。

「そしたら、弁護士のところに電話がかかってきて、“トレーラーの必要性はよく理解してます”と言うんだ。それでも、クリスチャン・ベールとヒューにはトレーラーをシェアしてもらいたいって。そのかわり、トレーラーで1時間以上待たせるようなことはしないし、毎晩7時には仕事を終えて解散することを約束すると。で、その約束を守ってくれた。つまり、そこにいないのにどうして車輪付きの家が要るんですか、って話なんだよね(笑)。みんな働いてるでしょって。」

ちなみに自称「監督オタク」のハサウェイにとって、ノーランの映画づくりは特にお気に入りだという。「(製作は)限界まで小さい規模にしておいて、だけど出来上がる映画は超巨大、すごく華やか。私たちの仕事もきちんと狙い通りに組み合わされていて、それも刺激的なんです」。

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Source: Variety(1, 2

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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