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ザ・ビートルズ最後の新曲「ナウ・アンド・ゼン」MV公開 ─ ピーター・ジャクソンが監督、今(ナウ)と昔(ゼン)が交差する

ザ・ビートルズ”最後の新曲”として話題の「ナウ・アンド・ゼン」のミュージック・ビデオが公開された。映画界の巨匠、ピーター・ジャクソンが初めて担当したミュージック・ビデオとなる。

当初の公開時間よりも1時間くりあがってザ・ビートルズのYouTubeチャンネルにて公開されたミュージック・ビデオでは、プレミア配信の時にのみポール・マッカートニーからビデオの紹介があり、その後にビデオが配信となった。

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ミュージック・ビデオは、「ナウ・アンド・ゼン」の新たなレコーディング風景から、今は亡きジョン・レノンやジョージ・ハリスンが、現在のポールやリンゴと一緒に演奏する様子や、ジョンがコミカルにストリングスのレコーディングを指揮していたり、今と昔(Now and Then)のポールとリンゴが一緒に演奏していたりといったザ・ビートルズらしいユーモアにあふれた中盤、そして最後にはバンドの歴史を辿り、4人のメンバーがステージでお辞儀をして、そのまま消えていくという構成になっている。生粋のビートルズ・ファンであるピーター・ジャクソン監督だからこそ作り上げた、ザ・ビートルズのユーモアを取り入れながらも、非常に感動的に仕上がったミュージック・ビデオとなっている。

ナウアンドゼン」の物語は1970年代後半、ジョンがニューヨークのダコタ・ビルにある自宅でヴォーカルとピアノによるデモを録音したことから始まる。1994年、妻のヨーコ・オノ・レノンは、ジョンの「フリー・アズ・ア・バード」と「リアル・ラヴ」のデモとともにこの音源をポール、ジョージ、リンゴに渡した。この2曲はザ・ビートルズの新曲として完成し、『ザ・ビートルズ・アンソロジー』のプロジェクトの一環として、1995年と1996年にそれぞれシングルとしてリリースされた。このとき同時にポール、ジョージ、リンゴは新しいパートをレコーディングし、プロデューサーのジェフ・リンとともに「ナウアンドゼンのラフ・ミックスを完成させていた。しかし、その時点ではジョンのヴォーカルとピアノを分離して、クリアで曇りのないミックスを実現し、曲を仕上げることが技術的な制限により不可能だった。そして 「ナウアンドゼン」は、将来的に再度作業を行う可能性を残しながらもお蔵入りとなった。

2021年になると『ザ・ビートルズ:Get Back』が公開された。 ピーター・ジャクソンが監督を務めたこのドキュメンタリーは、数々の賞を受賞したフィルムとオーディオの修復技術で視聴者を驚かせた。ウィングナット・フィルムズのMALオーディオ・テクノロジーを使って、ジャクソン監督のチームは映画のモノラル・サウンドトラックをデミックスし、楽器とヴォーカル、そしてザ・ビートルズの会話の中の個々の声を分離することに成功した。この成果は、4トラックのマスター・テープを音源として使用した2022年の『リボルバー』の新たなミックスへの道を開いた。結果、今、「ナウアンドゼンのデモに対して何かできるではないかという考えが浮上した。ピーター・ジャクソンとエミール・ド・ラ・レイ率いる彼のサウンド・チームは、ジョンのオリジナル・ホーム・レコーディングに同じ技術を適用し、ピアノの音から分離することでオリジナルのヴォーカル・パフォーマンスの明瞭さと完全性を保つことに成功した。

2022年、ポールとリンゴはこの曲を完成にさせるべく作業を開始した。ジョンのヴォーカルに加え、「ナウアンドゼンにはジョージが1995年に録音したエレクトリック・ギターとアコースティック・ギター、リンゴの新しいドラム・パート、ポールのベース、ギター、ピアノが含まれており、ジョンのオリジナルの演奏にマッチしている。ポールはジョージにインスパイアされたスライド・ギター・ソロを加えた。そして彼とリンゴはサビでバッキング・ヴォーカルも担当している。

ロサンゼルスでは、ジャイルズ・マーティン、ポール、ベン・フォスターによって書かれたこの曲の切なく、ザ・ビートルズの真髄とも言えるストリングス・アレンジのキャピトル・スタジオでのレコーディング・セッションを、ポールが監修した。さらにポールとジャイルズは「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」、「エレナ・リグビー」、「ビコーズ」のオリジナル・レコーディングのバッキング・ヴォーカルを、『LOVE』のショウとアルバムの制作中に完成したテクニックを使って新曲に織り込んだ。完成した曲はポールとジャイルズがプロデュースし、スパイク・ステントがミックスした。

「ナウ・アンド・ゼン」は11月2日23時にデジタル配信が開始され、日本や英国、米国など17カ国のiTunes Storeにて配信直後に総合1位を獲得、11月3日には日本にて輸入のアナログ・シングル盤が発売されたが、多くのお店では発売と同時に売り切れるなど、今でも全く衰えないバンドの人気を物語っている。「ナウ・アンド・ゼン」は、日本盤[直輸入盤仕様]としてアナログ盤が11月17日に発売されるがこちらも発売と同時に売り切れになることが予想される。

また、「ナウ・アンド・ゼン」など多くの楽曲が追加された通称『赤盤』『青盤』の2023年ヴァージョンが11月10日に日本盤CD、輸入盤LP、デジタルにて、11月22日には日本盤[直輸入盤仕様]のアナログ盤が発売となることも決定している。

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THE RIVER編集部THE RIVER

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