「カウボーイビバップ」の反省活かした実写「ONE PIECE」、成功の鍵は「原作キャラに極めて忠実であること」

Netflixのドラマ版「ONE PIECE」は、配信後初の週末に視聴回数1,850万回の好発進を切り、早くもシーズン2が正式決定。漫画実写化という高い壁を乗り越えた。Netflixと製作を手がけるTomorrow Studiosは、1シーズンで打ち切りになった「カウボーイビバップ」の反省を活かしたようだ。
「『カウボーイビバップ』は翻案だったということが、一番の教訓だったと思う」と米Deadlineに語ったのは、製作を手がけたTomorrow Studiosのマーティ・アデルスタイン。同作での経験を経て、「ONE PIECE」では「キャラクターに極めて忠実でなければならないこと、人々はルフィをルフィとして見たいのだということ」を学び、「ファンの支持を得るために原作にできる限り近づいた」と語る。
その上で、番組全体を通して「最も重要な部分」だったのは、主人公ルフィ役のキャスティングだそう。同社のベティ・クレメンツは、イニャキ・ゴドイを見つけた時の感動をこう振り返っている。「イニャキを見たときは、満場一致でしたね。彼はこの偉大な精神と、この役に対する熱意を持っていました。イニャキに決まった瞬間、私たちは安心しました。そして彼は見事にやり遂げたのです」。

他のキャストたちに関しても、「皆、私たちが実写版のキャラクターでやりたかったことを体現してくれました」とクレメンツは称賛。ゾロ役の新田真剣佑については「とてつもない才能の持ち主で、日本ではとても有名」と述べ、「ゾロというキャラクターを引き受けるのは大変なことです。彼(新田)はすごく魅力的な存在感を放ち、素晴らしい武道家であり格闘家でもあります」と高く評価した。

またキャストたちの仲の良さや、それぞれの生き方にも、作中の麦わらの一味に通じる部分があるようだ。「役者たちはそれぞれ、自分の人生をとても率直に、現在進行形かつ興味深い方法で生きています。彼らはとても仲が良く、(ロケ地の)南アフリカでは多くの時間を一緒に過ごし、世界中を旅しています。なので我々にとっては、それも有効でした」。
この原作に忠実なキャスティングは、実写版「ONE PIECE」成功の鍵といえるだろう。本作は2週目の視聴者数も好調で、9月4日から9月10日までに1,930万回の再生回数を記録。配信から2週間足らずで、3,780万回の再生回数を達成している。このままいけば、Netflixの歴代TOP10にランクインする可能性も十分ありそうだ。