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【ネタバレ】実写「ONE PIECE」第3話解説 ─ ウソップ、カヤ、クラハドールが登場

ONE PIECE
Netflix シリーズ「ONE PIECE」 8 月 31 日(木)世界独占配信

この記事には、「ONE PIECE」第3話『TELL NO TALES』のネタバレが含まれています。

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┃クレジット:Netflixシリーズ「ONE PIECE」8月31日(木)世界独占配信 / (C)尾田栄一郎/集英社

ドラマ「ONE PIECE」第3話『TELL NO TALES』解説

7年前のシロップ村。少年ウソップは警鐘を鳴らし、「海賊が来る」と叫びながら町を走り回っていた。しかし、海賊は現れない。ウソップはこれを繰り返し、やがて町の人々から相手にされなくなる。にも関わらず、7年経った今もこの日課を続けていた。ウソップはいつか海賊が来ると信じ、その時がきたら自分が町を守ると語る。「キャプテン・ウソップにまかせとけ」。

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麦わらの一味の船では、ルフィが海賊旗を作り、「これでおれたちも立派な海賊団だ」と嬉しそうに話す。しかしナミは「海賊団じゃない」と否定。ゾロはいびつなドクロのデザインを見て「独特だな」と一言述べた後、船が浸水し始めていることを伝える。そこで3人は「本物の海賊船」を調達するため、シロップ村のあるゲッコー諸島へ向かう。

ルフィたちを捕らえようと意気込む海軍の軍艦では、ガープ中将が新兵たちを訓練していた。ヘルメッポの下手くそなロープ結索を見て、手際よく結び直すコビー。これによってヘルメッポをイラつかせるが、ガープからは「よく結べとる」と誉め言葉をもらう。ガープはもっとレベルの高い指導をするため、コビーにだけ「ついて来い」と指示。ヘルメッポには結索を練習するよう命令する。

シロップ村に着いた麦わらの一味は、バギーの手配書を発見。首を持ってくればよかったと後悔するゾロに、ルフィはもう自分が追われる身だろう、と指摘する。ナミはシロップ村が造船で有名な場所だと知り、ルフィたちに「選び放題」だと報告。ルフィは早速船を探しに行き、ゾロは「あの道化め…」と言いながらバギーの手配書を丸めて捨てる。

当のバギーは、「待ってろよゴム野郎、ハデに捕まえてやる」とルフィに恨みたっぷりだ。そこに“アーロンの使い”と名乗る男が登場。バギーは「リクエストは受けつけてねェ」と伝えろと言い、ナイフを投げつける。しかし男は素早く避け、一発の突きでバギーを気絶させる。

造船所を歩きながら、理想的な船の条件を挙げていくルフィ。ナミは「そんな船は操縦できない。3人しかいないのに」と一蹴し、こっそり出るから目立たない船にするよう告げる。するとルフィは、船は「盗まない」と宣言。ナミに「どんな海賊?」とツッコまれるが、第2話で言っていた通り「一味違う海賊」なのだろう。ルフィにとって船は仲間同然であるため、これぞというものを見つけて、正しい方法で入手するつもりだ。

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One Piece. Jacob Romero Gibson as Usopp in season 1 of One Piece. Cr. Courtesy of Netflix © 2023

ルフィはある船を見つけると、ヒツジをかたどった船首像に目を奪われる。すると「見事だろ?」と、ウソップから声をかけられる。ウソップから船の説明を受けたルフィは、「完璧」だと感激。この船を売ってもらおうするが、ウソップは慌てた様子で「売り物じゃない」と言う。ただしウソップの親友が造船所を所有しているため、直接交渉するよう提案する。

4人はそろって、大富豪のお嬢様・カヤの屋敷を訪問。ナミはカヤが執事&使用人と住んでいることを知り、「人が少ないなら盗みも簡単そう」と企む。ウソップはカヤと「親友」のはずが屋敷の裏に回り、「VIP用の入り口」を通ると説明。それがウソであることは明らかだ。案の定、使用人のブチ&シャムに見つかると「またウソをつく気か」と怒鳴られ、追い返されそうになる。

しかし、カヤと親友なのは本当であった。その場にやって来たカヤはウソップを歓迎。ウソップに「誕生日だね」と声をかけられると、嬉しそうな表情を見せる。一方で、彼女の横にいる執事・クラハドールは迷惑そうだ。

カヤが「また冒険の話を聞かせて」と言うと、ウソップはルフィたちを部下として紹介。4人は屋敷のディナーに招待される。クラハドールは乗り気ではなかったが、4人が風呂に入って着替えるという条件で了承する。

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One Piece. (L to R) Emily Rudd as Nami, Iñaki Godoy as Monkey D. Luffy in season 1 of One Piece. Cr. Courtesy of Netflix © 2023

ウソップはカヤに“世界一の真珠”をプレゼントし、「南海にすむ巨大な金魚から奪ってきた」ものだと説明。その時の体験として、作り話を披露する。嬉しそうに聞き入るカヤだが、急に咳き込んでしまいお茶を飲む。妙に鮮やかな青色をした、怪しいお茶だ。ウソップが体調を尋ねると、カヤは「変わらない」と回答。病気を患う彼女にとって、ウソップの披露する話は癒しだと言う。ウソップが執事たちの目を盗んででも屋敷に通っていたのは、愉快なほら話でカヤを元気づけるためだったのだ。

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One Piece. Jacob Romero Gibson as Usopp in season 1 of One Piece. Cr. Courtesy of Netflix © 2023

ルフィたちは豪華なクローゼットに案内され、ディナーで着る服を選ぶ。ナミは次々に試着して感想を求めるが、ルフィは興味なさげ。それよりも、こんな豪邸にひとりで住むカヤを不憫に感じているようだ。ルフィはカヤが船を譲ってくれることを期待するが、ナミは「お金持ちはケチ」という理由で無理だろうと予想。ふたりは賭けることにし、もしルフィが負けたらナミの計画通り「盗む」ことで同意する。一方ゾロは、執事のクラハドールに「見覚えがある」と気になる発言を放つ。

そのころクラハドールは、和やかな雰囲気でカヤと会話をしていた。その中で、カヤの両親に拾ってもらい、ふたりへの恩返しとして彼女に仕えてきた、と回顧。自分が過保護なのはカヤが心配だからだと言い、涙を浮かべる。

だが、こんなものは茶番である。キッチンではブチが“お茶”と同じ青色のスープを料理中。うっかり味見しようとしたところで、シャムが止める。そこにクラハドールが現れて「今夜ばかりは一切の抜かりがないようにしろ」と命令。カヤのために作られたお茶も、スープも、毒入りであることは間違いない。クラハドールの真の姿は、ゾロの「見覚えがある」発言につながることになる。

海軍パートでは、ガープがコビーに囲碁を通して戦術を叩き込んでいた。コビーが勝負に勝つと、ガープは海賊にも「先手先手で動きを封じる」ことが大事だと教える。その後ガープが連敗していると、ヘルメッポが登場。無人の帆船を見つけたといい、その手にはルフィの作った海賊旗を持っている。麦わらの一味がまだ近くにいると予想したガープは、コビーの指揮の下でゲッコー諸島に上陸するよう命令。この機会を「モノにしろ」とコビーを激励する。

ちなみに原作でガープ&コビー&ヘルメッポが繰り返し登場するようになるのはもっと後だが、実写版では新兵コビーが成長していく過程が描かれ、ルフィに対して海軍側のカウンターパートとして機能している。

屋敷ではいよいよディナーが始まり、軽食を楽しむルフィ&ウソップ。ナミは、カヤの財産を管理する執事のメリーと話し、造船業の内情を聞き出そうとする。そこで美しいドレスを着たカヤが登場し、同じくドレス姿のナミに「似合ってる」と声をかける。

ゾロはクラハドール本人に見覚えがあると伝え、「ミラーボール島のファンキーバーとか」と具体的な場所を挙げる。が、クラハドールはしらばっくれている。ちなみに「ミラーボール島のファンキーバー」は、作者・尾田栄一郎の扉絵連載「ジャンゴのダンス天国 Vol.8」(単行本15巻掲載)に登場する場所。こうしたマニアックな小ネタを見つけるのも、実写版「ONE PIECE」の楽しみのひとつである。

食堂で席に着き、魚を食べたいと言うカヤ。しかしクラハドールに「体によくないから」と言われ、ブチ特製の青いスープを勧められる。クラハドールの支配的な態度が気に食わないナミは、「誕生日なんだから」と口を出し、彼と対立する。ウソップは張りつめた空気を変えるため、ルフィに船の件を話すよう促す。

船が欲しいと伝えるだけでなく、自分が海賊であること、モーガンやバギーを倒したことも意気揚々と話すルフィ。ゾロ&ナミはばつの悪そうな顔をするが、カヤは「ウソップさんの冒険話みたい」と笑顔を見せる。ルフィはテーブルの上に乗って夢を語り、ヒツジの船首像の船が理想だと伝える。しびれを切らしたクラハドールは全員を追い出そうとするが、カヤの一言で、屋敷に一泊させることに。最悪の空気になったにも関わらず、ルフィは「手応えあり」と自信たっぷりだ。

屋敷の地下では、メリーが落ち着かない様子で誰かを待っている。クラハドールが姿を見せると、造船業の経営権について切り出し、カヤが「あなたに譲渡するなど、控えめに言っても不自然」だと指摘する。メリーがカヤ本人と話すため去ろうとすると、突然、クラハドールは超人的なスピードで移動。恐怖で震えるメリーの背後へ回り、5本の刃がついた武器“猫の手”で刺し殺す。

ここで再びバギーが登場。怯えた様子で「何が望みだ」とわめいている。そこに魚人の海賊団の船長である“ノコギリのアーロン”が現れ、東の海(イーストブルー)で仕事するなら「奉具を納めろ」とバギーに命じる。恐れをなしたバギーは「もっと礼儀知らずな奴」としてルフィの存在に言及。グランドラインの海図を持ち、ワンピースを狙っていると話すと、アーロンはそういう人間が「海に汚物をまき散らしている」と憤慨。バギーは自分を生かしてくれるなら、ルフィ探しを手伝うと申し出る。

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One Piece. Mackenyu Arata as Roronoa Zoro in season 1 of One Piece. Cr. Courtesy of Netflix © 2023

脅威にさらされてるとは知らないルフィは、のんきに屋敷をウロウロ。そこでゾロとばったり会い、食べ物と酒を探しに行くことに。一方ナミは枕カバーに高価な物を詰め、それを持ったままカヤの部屋にうっかり入ってしまう。トイレを探していたフリをするが、枕の存在はバレバレであった。それでも友好的なカヤに対し、そっけない態度のナミ。しかしカヤに「友達」と呼ばれるとソファに座り、会話を始める。

ルフィ&ゾロがキッチンに着くと、そこにはウソップがいた。ウソップは興味津々で「本当にワンピースをめざすのか?」とルフィに聞き、自分も行きたいと目を輝かせる。しかし「カヤがいるから行けない」と我に返ると、ゾロに「恋人なのか?」と尋ねられる。

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One Piece. (L to R) Jacob Romero Gibson as Usopp, Iñaki Godoy as Monkey D. Luffy in season 1 of One Piece. Cr. Courtesy of Netflix © 2023

カヤの部屋でも同じ話題が出たらしく、彼女は笑いながら恋人じゃないと否定。ウソップが母親を亡くした頃に出会い、身寄りがなくなった彼をカヤの両親が雇った、という経緯があるようだ。ナミが両親はどうなったのか聞くと、カヤは海で亡くなったと言い、それ以来悲しみに暮れていることを明かす。カヤに身近な人を亡くした経験があるか聞かれたナミは、複雑な表情で「ない」と答える。

ウソップも、カヤは「親友」だと回答。両親を亡くした上、病気を患う彼女のそばにいたいだけだと言う。しかし「きれい」「頭がいい」とカヤを絶賛する様子から、好意があるのは丸わかりだ。しまいには「おれのこと好きだと思う?」と意見を聞き、ゾロに「おれに聞くな」とあしらわれる。

ウソップは話すのをやめて、射撃を開始。その見事な腕前をルフィに褒められると、父親譲りだと明かす。ウソップの父親は、彼が赤ん坊のころ海に出たきり村に戻っていない。しかしウソップは、いつか父親が帰ってくることを信じている。ヤソップという名を聞いたルフィは「知ってるぞ」と大興奮。シャンクスの仲間で、息子がいると言っていたと話す。ゾロは自分には関係ないと言わんばかりに酒のありかを尋ね、ウソップとともに地下のワインセラーへ。一方ルフィはキッチンに残り、毒入りスープを飲み始める。

地下に着いたゾロ&ウソップは、メリーの死体を発見。ゾロは死体に5本の刃の跡を見つけ、「どこかで見た」と話す。そこに、“猫の手”を装着したクラハドールが登場。その姿を見て、ゾロはクラハドールの正体を確信する。クロネコ海賊団の船長、“百計のクロ”ことキャプテン・クロだ。ゾロが「モーガンに処刑されたはずだ」と言うと、クロは「うぬぼれの強いバカが役に立った」と返す。モーガンは第1話で「“百計のクロ”も自分ひとりで捕らえた」と誇らしげに語っていたが、それは勘違いだったようだ。

ゾロが刀で斬りかかると、クロは得意の俊足で移動。2本の刀を出して戦いに臨むゾロだが、背後からシャムに殴られ気絶する。シャムは急いで逃げたウソップを懸念するが、クロは「あいつが何を話そうと信じる者はいまい」と余裕をかます。その後ブチとシャムは、ゾロ&メリーを井戸の中に捨てる。

ウソップは「海賊だ」と大声で叫ぶが、クロの予想通り、誰にも信じてもらえない。そしてふと、子ども時代を思い出す。町民に腕をつかまれ、母親のもとに帰される幼いウソップ。病気の母から、海賊なんてウソをやめるよう言われるが、「でも来るよ。父ちゃんの船が」と聞く耳を持たない。父が帰ってくれば、母も元気になると信じているからだ。そんなウソップに母は「きっと来るね」と返し、目を閉じて息を引き取るのだった。

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COURTESY OF NETFLIX

その瞬間を思い出し、「海賊が本当に来た」と涙を流すウソップ。「誰か信じてよ」と漏らすと、コビーが現れ「僕は信じます」と声をかける。

原作のポイントを抑えつつ、いくつもの変更が加えられた第3話。ウソップ&村の少年たち(にんじん・ピーマン・たまねぎ)から成る「ウソップ海賊団」が不在なのは寂しいが、様々なアレンジを見ては、制作側の工夫や苦労を感じさせる。また、ジェイコブ・ロメロ・ギブソンがウソップを魅力たっぷりに演じており、実写のゴーイングメリー号も豪華&迫力満点に仕上がっている。

Netflixシリーズ「ONE PIECE」は配信中。

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KyokoKyoko Okajima

アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

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