「理解ができない」アル・パチーノ、『スター・ウォーズ』ハン・ソロ役を断った理由を語る

『ゴッドファーザー』シリーズや『スカーフェイス』、『ヒート』などの名優アル・パチーノは『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』でハン・ソロ役を断ったという過去がある。パチーノは以前にも、送られてきた脚本を読んだが内容をよく理解できずに断ったと明かしていたが、米Entertainment Weeklyによる新たなインタビューでは、当時の心境についてさらに細かく語っている。
『新たなる希望』は1977年米公開。当時すでにパチーノは『ゴッドファーザー』(1972)、『ゴッドファーザーPART II』(1974)『狼たちの午後』(1975)などで人気俳優となっていた。
ハン・ソロといえば、ぶっきらぼうな一匹狼で金に汚いが、人情深い一面も持ち合わせた男としてシリーズ屈指の人気を誇る。色男ハリソン・フォードの大胆不敵な演技が見事にマッチしたキャラクターだ。
パチーノはハン・ソロ役を降りたことについて、「ハリソン・フォードのキャリアを作りたい気分なんだ」と冗談を挟みつつ、送られてきた脚本の醍醐味がさっぱり理解できなかったことを改めて語っている。
パチーノは、スティーブン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラ、ブライアン・デ・パルマといった当時のハリウッド新時代を築いた若き「ムービー・ブラッツ」たちを「本物の理想主義者たち」と呼び、コッポラとジョージ・ルーカスが立ち上げたアメリカン・ゾエトロープの作品を敬愛していたと振り返る。「その当時、私はブロードウェイで舞台に出ていた」と話すパチーノは、そこに届いた『スター・ウォーズ』の脚本を読んでみたものの、「“理解ができない”と思った」という。「私の感覚がおかしいのか?とね」。
「実は、友人でありメンターのチャーリー・ロートンに脚本を送ったんです。“どう思う?”と。彼はとても賢いので言いました。“わからんよ、アル。わからん。理解できん”と。私は“僕もです。どうします?ギャラは積んでくれるらしいが、どうしよう。言葉がわからないのに演じられるわけもないか”と。」
結局、パチーノは銀河の密輸業者の役を断り、同役はハリソン・フォードの元へと渡った。当時のフォードは俳優ではなく大工仕事をしており、裏方で働きながらルーカスと交友を深め、これがきっかけとなってハン・ソロ役を射止めたという逸話が知られている。ちなみにハン・ソロ役には他にもシルベスター・スタローンやカート・ラッセルなど名だたる俳優たちも候補になっていた。
▼ ハン・ソロの記事
Source:Entertainment Weekly