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『秘密の森の、その向こう』本編映像、懐かしい玩具がもたらすタイムトラベル ─ 世界が絶賛した『燃ゆる女の肖像』監督最新作

秘密の森の、その向こう
© 2021 Lilies Films / France 3 Cinéma

“不滅の名作”と絶賛された『燃ゆる女の肖像』(2019)の監督、セリーヌ・シアマ。2022年9月23日に公開となる監督最新作『秘密の森の、その向こう』より本編映像が到着している。

映画賞を席巻し、すべてのカットに美が宿る完璧な映像と忘れ得ぬ愛の物語を、世界中の人々が“生涯の一本”としてその胸に刻み付けた『燃ゆる女の肖像』。その名作を生み出した監督のセリーヌ・シアマが、真骨頂である女の深淵を描きつつ、全く新しい扉を開く最新作を完成させた。それは、8歳の少女を主人公にした、“喪失”と“癒やし”の物語だ。

2021年に開催された第71回ベルリン国際映画祭、コンペティション部門での上映を皮切りに、各国の映画祭で上映され惜しみない絶賛評を受け続けている本作。主人公のネリーとマリオンには、これが映画初出演となる双子姉妹のジョセフィーヌ&ガブリエル・サンス。『燃ゆる女の肖像』でセザール賞撮影賞を受賞したクレア・マトンの映像と、シアマ監督が仕掛けたいくつもの“奇跡”によって、胸が震えるほどの深い余韻を約束する唯一無二の傑作がここに誕生した。

8歳の少女ネリーは、大好きな祖母が亡くなり、その家を処分することになった両親とともに祖母の家を訪ねる。幼いころに使っていた思い出の品々に触れるうちに胸を締め付けられてしまった彼女の母親は、ネリーが朝目覚めるとどこかに行ってしまっていた。母親の悲しみを理解しているつもりだったネリーは、ショックを受けてしまう。

公開された本編映像は、古いパドルボールを見つけたネリーが、片付けを進める父親にこれが何なのかを聞きに行く様子をとらえたもの。ひとりで遊べるものだと教わり、ネリーは早速家の外で使ってみることにする。会心の一振りで紐が切れ、ボールが森の中へと飛んで行ってしまった。

母親が幼い頃に遊んでいた森に分け入りボールを探していると、ネリーと同じぐらいの幼い少女が向こうにいた。その少女は、ネリーに気付くと手を大きく振り、「手伝って」と話しかける。

このシーンが描き出す一連の行動を通じて、ネリーは気付かないうちに時空を超えていた。彼女は自分の前に姿を現したその少女が、自分と同じ年のときの母親であることに後になって気付くことになる……。

 

秘密の森の、その向こう
© 2021 Lilies Films / France 3 Cinéma
秘密の森の、その向こう
© 2021 Lilies Films / France 3 Cinéma

前作『燃ゆる女の肖像』の脚本執筆中に、“ある少女が時空を超えて、子どもの頃の母親と出会い友情を育む”という本作の構想が浮かんだというシアマ監督は、「シンプルで分かりやすい設定だからこそ、映画にできるかどうか悩みました。非常に慎重に作り上げた物語です」と語っている。

この場面をはじめ本作が繰り返し見せる“タイムトラベル”については、「タイムトラベルものの新しい手法です。この映画で重要な課題をめぐる旅をする場所は、未来でも過去でもない。共有する時間なんです。機械や乗り物も使わない。映画そのものがタイムマシンなんです」と、シアマ監督が語る。物語を通じて、ネリーとマリオンは、時空を超えながらお互いの家を行き来するが、それが思いもよらない方法によってなされることになるため、ぜひ注目してほしい。

秘密の森の、その向こう
ⓒ2021 Lilies Films / France 3 Cinéma
秘密の森の、その向こう
ⓒ2021 Lilies Films / France 3 Cinéma
秘密の森の、その向こう
ⓒ2021 Lilies Films / France 3 Cinéma

映画『秘密の森の、その向こう』は、2022年9月23日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー。

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THE RIVER編集部THE RIVER

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