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ジョニー・デップ、『パイレーツ・オブ・カリビアン』復帰は絶望的か ─ ディズニーとの協業を拒否、アンバー・ハード名誉毀損裁判で詳細

Johnny Depp ジョニー・デップ Amber Heard アンバー・ハード
Photo by Georges Biard https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Johnny_Depp_Deauville_2019.jpg|Photo by Gage Skidmore https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Amber_Heard_(43723454772).jpg |Remixed by THE RIVER

現在、米ヴァージニア州で開廷されているジョニー・デップとアンバー・ハードの名誉毀損裁判にて、米ディズニー製作の映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの現状に関する最新情報が米Varietyのレポートで明らかになった。法廷での証言によると、シリーズ第6作は現在「宙吊り状態」にあるものの、ジョニーはシリーズに復帰しない姿勢だという

ジョニーとアンバーの名誉毀損裁判は米国時間2022年4月11日より開かれており、同月19日で5日目を迎えた。ジョニーは、2018年12月にアンバーが、米ワシントン・ポスト紙への寄稿を通じDV被害をめぐる虚言を弄したとして、5,000万ドルの賠償金を求める名誉毀損訴訟を提起していた。なお、アンバーは寄稿文に加害者の名前を記載していない。

本裁判でのジョニー側の訴えは、アンバーの寄稿により、加害者であることを暗示されたジョニーがキャリアを台無しされたこと。開廷5日目、証言台に立ったジョニーは、訴えの根拠として『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズを挙げた。

 2018年10月、英タブロイド紙Daily Mailは、シリーズ第1作『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003)の脚本家であるスチュアート・ビーティー氏からの証言として、シリーズがリブートされるにあたり、ジャック・スパロウを演じてきたジョニー・デップは「降板(out)」だと報じた。ジョニー側の訴えでは、アンバーの名誉毀損が降板の原因になったとされているが、アンバーの弁護人を務めるベン・ロッテンボーン氏は尋問で、ジョニーの離脱はディズニーの元々の意図であったことを指摘。これにジョニーは、タブロイド紙の記事を「知らなかった」とし、「それも驚くようなことではない」と述べたという。

「私が“妻殴り(wife beater)”と世界中でひっきりなしに話されるようになって、2年が経っていました。ディズニーが安全策として縁を切ろうとしていたことは確かです。あの当時は、#MeToo運動の真っ只中でした。」

2016年5月、アンバーは当時の夫であるジョニーからDV被害を受けたとして、裁判所に離婚調停を申し立てた。同年8月に両者の合意により示談となり、2017年1月に離婚が成立している。ジョニーによれば、示談を決めたのは当時の弁護士からの助言に従った結果だといい、彼自身は「選択の余地が与えられていなかった」とのこと。また、ジョニーは示談後に名誉毀損裁判へ踏み切った意図として、「名指しされていたか否かに拠らず、ハード氏の言葉(寄稿)によって私のキャリアに影響が生じたと考慮しなければ、真の愚か者になってしまう」と述べている。

実際のところ2020年12月には、ディズニー側がジョニーの『パイレーツ・オブ・カリビアン』復帰に難色を示しているとの報道がなされており、暴行疑惑が要因だとの見方も伝えられていた。今回、ジョニーは証言台で、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズについてのディズニーの意向を巡る矛盾点を指摘。「アトラクションからは私のキャラクターは除かれていません。ジャック・スパロウ船長の人形を売ることも止めていません。何もかも売り続けているんです」と述べ、自身のキャリアへの影響を強調している。

ジョニーによれば、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(2017)に続くシリーズ第6作は「宙吊り状態」にあるといい、企画が完全消失したわけではないことが示唆されている。とはいえジョニーのジャック・スパロウ再演は未知数で、その上今回の裁判では、その可能性が限りなくゼロに等しいことが分かっている。ロッテンボーン氏は、ジョニーに「もしディズニーが3億ドルと百万頭のアルカパを連れて話を持ちかけてきても、『パイレーツ・オブ・カリビアン』でディズニーと仕事をともにすることは無いということですか?」と尋ねると、ジョニーは「その通りです」と答えたという。

現在『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズからは、マーゴット・ロビー主演の新作企画が進められている。プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーは、同作でのジョニー版ジャック・スパロウの登場を望んでいたほか、ジョシャミー・ギブス役のケヴィン・マクナリーもジョニーの再演に賛同していた。もっとも、ディズニーの姿勢は上述の通りで、ジョニーにも再演の意向が無いとなると実現は厳しいものと思われる。

ジョニーは2018年以降、米ワーナー・ブラザース製作の『ファンタスティック・ビースト』シリーズからも事実上の解雇を言い渡され、現在のキャリアは小規模作品路線に傾いている。2021年には水俣病を題材とした映画『MINAMATA-ミナマタ-』に出演。今後は、ルイ14世を演じる歴史映画(タイトル未定)への参加を予定している。ジョニーは俳優活動自体は継続する意向のようだが、証言台ではキャリアについてこのようなことも述べたという。

「一度起きてしまっては、もう失われたも同然です。この裁判の結果がどうであれ、私はそれを残りの人生で一生背負い続けることになります。私は、自分の人生を終わらせるために彼女が利用した名誉毀損と複数の虚言で訴えているのです。」

なお、今後の裁判ではアンバーへの尋問も予定されているといい、計6週間に渡って行われる見込みとのこと。続報を待ちたい。

Source: Variety,Daily Mail,THR

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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