『パイレーツ・オブ・カリビアン』ジョニー・デップ、ディズニーの「演技抑えて」要求を無視していた

ディズニーの人気海洋冒険映画、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの人気を不動のものとしたのは、ジョニー・デップ演じる主人公ジャック・スパロウの魅力だ。1980年代にキャリアをスタートさせたデップは、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003)でアカデミー賞主演男優賞に初ノミネート。エキセントリックな魅力にあふれる演技は、世間のジョニー・デップ像さえも塗り替えたといっていい。
しかしディズニー側は『呪われた海賊たち』の製作当初、デップによるジャック・スパロウの演技プランに抵抗感を抱いていたようだ。デップは仏euronewsにて、ジャック役の演技を見たディズニー側は「怯えきっていた」と語っている。
「彼らはすごく不安がっていましたよ。ジャック船長の言うことを誰も理解できないんじゃないかと。(幹部から)電話がかかってきて、“ジャックが酔っ払っているのか、君が酔っ払っているのか? 彼は何をしてるんだ?”と。だけど、まったく落ち込まなかったし、むしろやる気が出ましたね。心配されているのなら、なおさら自分の仕事をしようと思って。芝居を抑えてほしいと言われたら、むしろ上げていきました。」
ディズニーの要求を無視するという作戦は見事に功を奏し、デップの演技は高く評価され、『パイレーツ・オブ・カリビアン』は絶大なる人気を獲得。強烈なキャラクターが少なくないシリーズだが、「『パイレーツ』といえばジョニー・デップ」という印象を与えることになった。その後、デップは第2作『デッドマンズ・チェスト』(2006)、第3作『ワールズ・エンド』(2007)、第4作『生命の泉』(2011)、第5作『最後の海賊』(2017)までジャック・スパロウ役を演じつづけている。
ただしディズニーは現在、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のリブート企画を進行中。2020年5月時点では、第1~4作の脚本家テッド・エリオットと「チェルノブイリ」(2019)のクレイグ・メイジンが執筆を進めていることが判明していた。今後の作品にジャック・スパロウが登場するかは不明で、その進退には注目が集まっている。なお、マーゴット・ロビー主演の女性版『パイレーツ・オブ・カリビアン』新作映画(タイトル未定)も企画されているが、こちらにジャックは登場しない見込みだ。
Source: euronews