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【特集】『ローグ・ワン』イチのナイスガイ、ラダス提督!モデルとなったチャーチル元首相との共通点【我が偏愛のSWクリーチャー9】

スター・ウォーズ初のアナザーストーリー映画『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』。みなさんもうさすがにご覧になりましたよね?いかがでしたか?筆者は大満足でございました。言いたいことが全くないわけじゃありませんが、そんなこと気にならないくらい、カッコよくて、楽しくて、そして感動できる映画でした。

【注意】

この記事には、映画『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』に関するネタバレ内容が含まれています。

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スター・ウォーズ キャンペーン

泣ける映画イコールいい映画というわけではないと思いますが、『ローグ・ワン』はとにかくジワっとくるシーンが多かったです。皆さんはどこで一番泣けましたか?カシアン隊長の演説シーン?いいですね、冒頭の冷酷な所業を回収するニクイ演出でした。それともK-2SOとの別れの場面?ああいう人ならざる者の献身つうのは、たまらんですよね。余談ですが彼のバンダイ製のS.Hフィギュアアーツはバカ売れしていて、品切れ間近だそうですよ。中間管理職クレニック長官の悲哀もよかったですね。最後の、見上げればそこに手塩にかけたデス・スター、かわいそうでした。前評判の高かったチアルート&ベイズのコンビも良かったなあ…もう一回観に行こうかな(五回目)。

なぜラダス提督は出撃したのか

そんな名場面たちの中から、筆者が個人的に一番好きなシーンを選ぶとしたらですね、終盤、ヤヴィン4にて、ローグ・ワンがスカリフで勝手に戦いを始めたとの知らせを受けたモン・モスマ議員、一瞬の逡巡の後、「ラダス提督は?」と反乱軍主戦派リーダーの名前を挙げると、部下が「もう出発しました!自分も戦うと言って!」という場面、あそこですね。

・・・あれ?ピンと来ませんか?わかりにくかったかもしれないので、話を整理しますと、この場面の伏線としてこんな遣り取りがあったわけです。

絶望的な帝国軍との戦い、究極兵器デス・スターの完成が迫る中、限りなく微かな光明を見出した主人公たち。勝利するにはかなり分の悪い賭けに出るしかないってところで、反乱同盟軍のお偉方会議にデス・スター設計図ゲット作戦を注進するのですが、日和見揃いの皆さんは、その主人公たちの訴えを退けてしまいます。ただ、その会議で主人公たちの賭けに乗ろう、戦わないで降伏などありえない、と主張していたのがモン・カラマリ族、ラダス提督だったわけです。

観客である我々には、スカリフの戦いにおいて、ローグ・ワンの置かれた孤立無援な状態がよく見えています。最初は調子よく攻勢をかけたとしても、圧倒的な物量の前にやがてジリジリと潰されてしまうことは火を見るよりも明らか。「希望は死なないー(誰かは死ぬけれども)」なんてキャッチコピーから想像される未来がもうすぐそこまで来てるってときに、やっと遠い本部の味方に伝わるローグ・ワン単独奮闘の知らせ、でもそんな今から準備して行って間に合うのかよ、ってところで「もう向かってる」ラダス提督。降伏決議にさぞ忸怩たる思いを抱えていたのでしょう。ローグ・ワンがいなかったら、自らが特攻していたかもしれません。肝胆相照らすようなローグ・ワンの単独行動、ラダス提督は嬉しかったんだと思います。

そんなわけで作戦会議の際の、威風堂々たる立ち居振る舞い、そして遅参は恥とばかりに戦場へ真っ先に駆けつける勝負師魂。劇中連発される「フォースと共にあれ」も、彼が言う場面が一番感動しました。というわけで誰が何と言おうが(異論は認めます)筆者にとって『ローグ・ワン』イチのナイスガイは、このラダス提督、今回は彼の特集です。

http://www.slate.com/blogs/browbeat/2016/12/26/star_wars_mon_calamari_rebels_admiral_ackbar_and_admiral_raddus_explained.html
http://www.slate.com/blogs/browbeat/2016/12/26/star_wars_mon_calamari_rebels_admiral_ackbar_and_admiral_raddus_explained.html

ラダス提督のモデルはウィンストン・チャーチル

http://mmtdayon.blog.fc2.com/blog-entry-1338.html
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そもそも『ローグ・ワン』に登場するキャラクターは、映画の製作段階においてスタッフのイメージを共有するために、歴史上に実在した人物をモデルにしたケースが多かったのですが、このラダス提督にも、実在のモデルが設定されていました。それは、イギリスの元首相サー・ウィンストン・チャーチルです。

2016年プライスウォーターハウスクーパース調べの「世界のCEOが選ぶ尊敬する人物」で、ネルソン・マンデラやガンジー、スティーヴ・ジョブスらを振り切って最も多くの票を集めたのが、このチャーチルでした。チャーチルの歴史上に残した足跡、そして政治家・軍人、そして作家としての評価は決して一様ではなく、彼を「戦争屋」と言って嫌う論調も少なくないですが、はっきり言えることは2つ。チャーチルが枢軸国と戦う象徴であったという点と、現在も英国国内にとどまらず人気が非常に高い人物であるという点です。

前述した通り、チャーチルは作家としての側面も持ち、その文才からか数多くの名言を残していますが、その中にこんなのがあります。
時は1940年5月、英国、第二次世界大戦の最中、ヴェーザー演習作戦の失敗を受けてネヴィル・チェンバレン首相が失脚、代わって政権の座についたのは、海軍大臣を務めていたチャーチル。ナチスドイツ相手に宥和政策をとっていた前首相とは異なる、主戦派の代表でした。その第一次チャーチル内閣発足時の下院で行った演説で、「あらゆる困難を克服して勝利を得るのだ。勝利なくして我々の生存はありえないからだ。」と言っています。まさにラダス提督。

また同じ1940年6月、ダンケルクの激戦のあと「我々は決して降伏もしなければ敗北もしない、最後の最後まで戦い抜くつもりだ」と発言、この演説でアメリカが参戦を決め、連合国側の勝利が決定したと言われています。われわれ日本人には馴染みが薄いですが、欧米人にとってラダス提督というキャラクターは「チャーチルまんまやないか」とニヤリとできるキャラクターなわけです。

聞いたことのある声?

『ローグ・ワン』の字幕版をご覧になって、ラダス提督の声を聴いて、「どこかで聞いた声だぞ」と思ったアナタ、もうスターウォーズ、ファンを通り越してフリークスの域に達しています。

が、それもそのはず、今回ラダス提督の声を演じたステファン・スタントンさんは、3DCGアニメシリーズ「クローンウォーズ」「反乱者たち」で、グランモフ・ターキンの声を担当した声優さんです。ん?ターキン総督役なら、本人が出てなかったか?しかも声優が必要な状態で。と思わなくもないですが、なかなか面白いトリビアですよね。

http://www.starwars.com/databank/admiral-ackbar
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声優といえば忘れてはならない、今年4月、こちらのシリーズでご紹介したラダス提督と同族、アクバー提督の声を演じたエリック・バウアーズフェルドさんが、93歳で逝去されたという悲しい出来事がありました。エリックさんは高齢の身を押して昨年公開の『エピソード7:フォースの覚醒』でもアクバー提督の声を担当されていました。もう二度と本家の「It’s a TRAP!」が聞けないと思うと、ほんとに辛いです。遅くなりましたが謹んでご冥福をお祈りいたします。

ラダス提督の玩具が欲しい!

http://news.toyark.com/
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そんなわけで、個人的に思い入れたっぷりのラダス提督、フィギュアコレクターの筆者としては是非6inch、ハズブロの人気ラインブラックシリーズでリリースして頂きたいところですが、いまだその情報は入っておりません。現在リリースが判明しているラダス提督関連グッズは、以前THE RIVERの記事でもご紹介しましたベーシックフィギュアのみ。くそ、なんでだよ!しっかりしてよハズブロ!
ただ、その種類の多さからスター・ウォーズ・カードフィギュアは敬遠している筆者でございますが、リリースが予定されているローグ・ワンのベーシックは、軒並みクオリティが異様に高く(サンプル写真ですがね)、また新たな沼へ足を踏み出しそうな自分が怖い、そんな師走の末でございます。

スター・ウォーズ キャンペーン

Eyecatch Image:https://commons.wikimedia.org/wiki/Winston_Churchill
http://www.slate.com/blogs/browbeat/2016/12/26/star_wars_mon_calamari_rebels_admiral_ackbar_and_admiral_raddus_explained.html

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アクトンボーイ

1977年生まれ。スターウォーズと同い歳。集めまくったアメトイを死んだ時に一緒に燃やすと嫁に宣告され、1日でもいいから奴より長く生きたいと願う今日この頃。

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