『スパイダーバース』監督、戦後日本が舞台のアニメ製作へ ─ 実写とのハイブリッド、日本のスタジオ「GONZO」とも協働

『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)のピーター・ラムジー監督が、日本のアニメーションスタジオ「GONZO」および米国のアニメーションスタジオ「N Lite」との三者タッグで新作アニメーション企画を2本進行中であることがわかった。米Varietyが報じている。
1本目の作品は、ラムジーが脚本&製作総指揮を務める映画『リッパー(原題)』。第二次世界大戦後の日本を舞台に、ふたりの刑事が、それぞれ愛した女性の命を奪った連続殺人鬼を追跡するというノワール・スリラーだ。ラムジーが監督を務めたNetflixシリーズ「オリー」(2022)と同じく、実写・アニメーションのハイブリッド作品になるという。
クリエイターはN Liteの製作部門を統括するサマンサ・イノウエ・ハート。サミー・ハートとして声優としても活動するなど、アニメーション業界に長年携わる人物だ。共同脚本はポール・アルヴァラド=ダイクストラ&ラファエル・アントニオ・ルイス。プロデューサーにはGONZO代表取締役社長の石川真一郎、女優のヴィオラ・デイヴィスらも名を連ねている。
ラムジーは声明のなかで、この『リッパー』を「非常にパーソナルなプロジェクト」と呼んだ。「第二次世界大戦中の日本における、黒人と日本人の共通体験は、いまだ映画で描かれたことのない歴史的・文化的な交差点です。アニメ全体にとっても素晴らしい機会に、アニメというメディアを心から愛する者として、かつてないものを作りあげることを熱望しています」。
また、ラムジーは同じく企画中のアニメシリーズ「ホタル(原題)」でも製作総指揮を務める。本作は「愛と悲しみによって結ばれた2人の魔法戦士を描く、壮大なSFファンタジー・アドベンチャー」で、クリエイターには同じくサマンサ・イノウエ・ハート&ポール・アルヴァラド=ダイクストラのほか、N Liteのクリスティアーノ・テリーCEOが就任した。
『スパイダーマン:スパイダーバース』の監督チームの一員として大きな注目を浴びたラムジーは、近年は「マンダロリアン」シーズン3(2023)や「スター・ウォーズ:アソーカ」(2023)で実写作品の監督業にも進出。『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023)と続編『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース(原題)』では製作総指揮を務めている。
また、N Liteはアメリカ・日本・アフリカを拠点に多様なクリエイターの物語と企画を発信することをミッションとするスタジオで、日本にも子会社の「株式会社エヌライトジャパン」を有する。GONZOは日本初の黒人主人公によるアニメシリーズとなった「アフロサムライ」を手がけたことでも知られており、まさに盤石の布陣となった。
映画『リッパー(原題)』、アニメシリーズ「ホタル(原題)」のリリース時期は未定。続報を待とう。
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Source: Variety