【特集】『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の愉快な悪党たち、宇宙海賊ラヴェジャーズのメンバー&その素顔に迫る
読者の皆さんこんにちは。いかがお過ごしですか?
私めはと言えば、しっかりガーディアンズ・ロスを患っています。最近は他の映画を観るために映画館に足を運んでも、気が付くと『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/リミックス』の鑑賞券を購入、既に2D、3D、4D、IMAX、字幕、吹替ほぼ全てのバージョンで鑑賞済みであるにも関わらず、同じ館内でドラックスが「俺たちは家族だ」とか言ってるのかと思うと居ても立っても居られない感情に襲われるわけです。こうなるとお財布事情的にも、マーベル・スタジオには一刻も早く『リミックス』のBlue-rayをリリースして頂きたいところですが、こちらに投稿する記事にしてもですね、2回に1回はガーディアンズ絡みにしないと精神の均衡が保てない気がする状態ですので、筆者と同じような症状を発症している方、お暇な方のみお付き合い頂けたらこれ幸いです。
“ガーディアンズ・ロス”なアナタに捧ぐ、ラベジャーズ特集
今回特集するのは『リミックス』劇中で、一名を除いて全員宇宙の塵となったラヴェジャーズのヨンドゥ一味。映画一作目では、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと共闘し、善玉として活躍した彼らでしたが、今作ではテイザーフェイスの反乱、粛清、そしてヨンドゥの逆襲を経てほぼ全滅の憂き目にあってしまいました。騒々しくも華々しく作品世界を彩った最低で最高な男たち、そのバイオグラフィーを一人ずつご紹介します。
皆様もこの記事を参考に、夜空に輝く星を見て左胸トントンしてくださいね。(ヨンドゥとクラグリン、テイザーフェイスは、主要キャストですので適当に触れるのみにしています)
ヨンドゥ・ウドンダ(マイケル・ルーカー)
Mr.ブルースカイ。言わずと知れたエクレクター号の艦長。一味のリーダーでしたがピーターへの依怙贔屓が過ぎて部下に反乱を起こされます。
演じるマイケル・ルーカーは、ジェームズ・ガン監督の最愛の俳優。その友情はガン監督の長編初監督作品『スリザー(2006)』からの縁で、ガン監督の長編作品すべてに出演しています。監督のSNS(Twitter、Instagram)において最も登場回数が多い俳優さんでもあります。
ちなみに一作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で、ザンダー星の故買屋をニヤニヤしながら尋問するシーン。あの「ブラーブラーブラー…」という人を喰った台詞は、マイケル・ルーカー自身の発案によるものです。
クラグリン(ショーン・ガン)
Hey everyone! Ask me anything on Reddit tomorrow 3/16 at 12noon Pacific. I’ll try to come off smart AND funny. pic.twitter.com/wREvCuWa1z
— Sean Gunn (@seangunn) 2017年3月15日
『リミックス』ではかなり美味しいところを持って行ったクラグリン。ヨンドゥの遺志を継ぐものとして次作以降の活躍が期待されます。
演じるショーン・ガンはジェームズ・ガン監督の弟さん。ロケット・ラクーンのモーションを担当していることでも知られています。以前Twitterで本作についてファンの質問に答えた時に、ヨンドゥ演じるマイケル・ルーカーと共演して嬉しい瞬間を聞かれて、「彼が目の前からいなくなったとき」と答えてました。兄弟揃ってマイケル・ルーカーを凄く慕っているようですね。ヨンドゥとクラグリンの関係性に通じるものがあります。
テイザーフェイス(クリス・サリヴァン)
#GotGVol2 BEHIND THE SCENES – “He’s too adorable to kill!” #Taserface pic.twitter.com/IhdLxRsnvH
— Chris Sullivan (@SullivanTweet) 2017年5月23日
そんなに悪い奴じゃなかったと思うんですよね。切った張ったの世界で生きる以上、一味のリーダーが弱みや甘さを見せることは、一味全体の死活問題だと思います。ただ、ちょっと思慮が足らなかったのかな?新リーダーに名乗りを上げたら、想定以上に持ち上げられてのぼせ上がっちゃったのかもしれません。造反分子を処刑したのが運の尽きで、クラグリンに裏切られるわ、ヨンドゥの怒りをもろに受けて焼かれるわ、いまわの際にソヴリン人に馬鹿にされるわ、なんだかあわれな男でした。
演じたクリス・サリヴァンは、ベン・アフレック監督近作『夜に生きる』にも出演している実力派俳優です。
タルク(トミー・フラナガン)
最後までヨンドゥへの忠義を貫いたが故に、宇宙空間に生身で放り出されてしまった好漢。彼が死ぬ場面は映画全体でも屈指の悲劇的なシーンでした。荒くれ者揃いのヨンドゥ一味にあって一人、理性派然とした佇まいが素敵でしたね。
演じるトミー・フラナガンは数々の有名作品に出演している名優。筆者が一番印象に残っているのは『グラディエーター(2000)』での主人公マキシマス(ラッセル・クロウ)の副官シセロ役。忠誠心がゆえに死ぬところとか、ちょっと今作に通じる役どころです。右ほおにある巨大な傷は、特殊メイクではなく若いころ暴漢に襲われた本物の傷なんだそうです。それはともかく普段の姿がとてもカッコいい俳優さんです。
オブロ(ジョー・フリア)
タルク同様、ヨンドゥ派だったために命を落とした赤い肌のラヴェジャーズ。「助けてくれ!船長!」という命乞いが大変に痛ましゅうございました。
演じるジョー・フリアは、TVドラマでの端役中心にキャリアを重ねてきた俳優で、本国アメリカでの知名度もまだあまりないようで、彼自身の情報は少ないですが近況としては、ボクシングジム通いで大幅なダイエットに成功したとか。
ハーフナット(ジミー・ユーリーン)
ベアハートでミラノ号を包囲する際、木にいた蜘蛛をパクッと食べた人。タルクを粛清するときにもノリノリでどうかしてるくらい楽しそうでしたし、ヨンドゥのヤカに貫かれる際も超目立ってましたね。
演じたジミー・ユーリーンは、マインドレス・セルフ・インダルジェンス(MSI)というロックバンドのフロントマン。MSIはステージ上での過激なパフォーマンスで知られるバンドです。蜘蛛を食べるくらい朝飯前かも。劇中では一際目立つ特徴的なヘアスタイルをしていましたが、これはジミーさんの普段の姿です。ちなみにハーフナットとは英語で…(自粛)
ヴォーカー(ブルース・マキノン)
なぜか義眼を狙われる男。一作目ではロケットに計画の遂行にはアイツの義眼が必要だなんてギャグのネタにされ、『リミックス』ではベイビーグルートがヨンドゥにおつかいさせられているときに、間違えて盗み出してきてしまってましたね。彼が死亡するシーンは確認できていませんが、おそらくエクレクター号爆発炎上に巻き込まれていると思います。義眼を探しているうちに訳も分からずやられたとしたら、ちょっと気の毒ですね。
演じたのはブルース・マキノンという俳優さんです。
ギフ(スティーヴ・アジー)
100万の四分の一が25だと思っているおデブちゃん。テイザーフェイスの名前がクールだ、うんうん、だよな、なんて言ってたのに、ロケットが「こういうのはどうだ?タ〇〇ン袋!」とテイザーフェイスを嘲ると、たまらずブホーッと吹いていた姿が可愛らしゅうございました。ヨンドゥの攻撃を受けて吹っ飛んでいましたが、他のメンバーと違い急所に穴を開けられているところは描かれなかったのが、もしかすると生存フラグかもしれません。
演者のスティーヴ・アジーの本業はコメディアン。ガン監督の前々作『スーパー!』にも出演しているマルチタレントです。
ブラル(ステファン・ブラックハート)
「オモチャがねえと、何にもできねえだろ?」ベアハートの夜、ロケットを挑発してものの見事にやっつけられた情けない男。ロケットに命を奪われたかに見えましたが、その後元気にヨンドゥに殺られている姿が確認されました。
演者のステファン・ブラックハートは、特殊メイクからは想像つかない二枚目俳優。ジェームズ・ガン監督のクレジットなしの初監督作『トロメオ&ジュリエット(1996)』にも出演していたジェームズ・ガンファミリーの最古参メンバーの一人です。
レッチ(エヴァン・ジョーンズ)
(画像一番右がレッチ)ヨンドゥとロケットを投獄した際、テイザーフェイスにベイビーグルートを殺すか聞いた人。そのあとラヴェジャーズを模した服をベイビーグルートに着せて、抵抗するグルートを蹴ったひどい人。そして、ヨンドゥ&ロケット脱出の際に、グルートじきじきに始末されてしまった「ざまあ」な人です。
どこかで見た顔だと思っていたら、演者のエヴァン・ジョーンズは、エミネムの自伝映画『8 Miles(2002)』でチェダー・ボブという主人公の友人のラッパーを演じた方でした。
ナーブリク(テレンス・ローズモア)
Narblik’s baby and puppy sitting service “I promise not to eat them” Will travel anywhere in the quadrant. Absolutely NO raccoons! pic.twitter.com/TVYx0KQFkG
— Terence Rosemore (@TRoseActor1) 2017年5月8日
タルクが宇宙空間に放り出された際に、窓の中から「バッハハーイ」といい感じに嫌な顔していた黒人男性。サイテーな役どころでしたが、演じたテレンス・ローズモアは、俳優業の傍ら「 Film+Art Vocational Initiative」という、アートやエンターテインメント業界を志す青少年にその機会を与えるべく啓蒙活動を行っている団体の設立者でもあります。
スクロート(マイク・エスカミラ)
(写真右がスクロート)御多分に漏れず、テイザーフェイスについてヨンドゥにやっつけられた一人ですが、中の人マイク・エスカミラさんは本業スタントマン。『キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー』や『アントマン』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/リミックス』においてユーティリティー・スタントマンとして活躍されています。
余談ですが彼の公式Instagramは第一線のスタントマンらしく様々なXスポーツを楽しむマイクさんの姿が確認でき、写真のクオリティも高いので非常に楽しめます。ちなみに写真左の方もラヴェジャーズで、中の人はデイヴィッド・ヤロヴスキーというガン監督の友人の映画監督さんなんですが、ラヴェジャーズとしての役名がわからなかったのでリスト入りさせていません。
Eyecatch Image:©THE RIVER