批評家酷評?ザック・スナイダー『REBEL MOON』は予算も高額 ─ ゲーム&コミックで拡大するユニバース、成功掴めるか

ザック・スナイダー監督によるSF大作『REBEL MOON:パート1 炎の子』の幸先の悪さが目立っている。現時点で米レビューサイトRotten Tomatoesの批評家スコアは23%。さらに米Forbesによれば、2部作となる『REBEL MOON』では推定1億6,600万ドルもの巨額が製作費に投じられているという。
『REBEL MOON』は、かつてスナイダー監督が構想していた独自の『スター・ウォーズ』映画企画をオリジナルの世界観で新たに作り変えたSF超大作。“マザーワールド”と呼ばれる巨大帝国が銀河を支配する世界を舞台に、アウトローな戦士たちの反乱(REBEL)が描かれる。
DCユニバース、『アーミー・オブ・ザ・デッド』と壮大な世界観のユニバース作品を手がけてきたスナイダーの新作として、配信前から注目が集まる『REBEL MOON』だが、前評判は芳しくない。Rotten Tomatoesの批評家スコア23%はスナイダー作品歴代ワースト並みの数字。「よくわからないユニバースで描かれる支離滅裂な話だ」(Empire)、「ものすごく金のかかった『スター・ウォーズ』の模倣品」(The Wrap)、「重苦しく伝えられる大量の物語背景は、観客をファンタジーに没入させるどころか、遠のかせている」(The Guardian)といった感想があがっている。
「ものすごく金のかかった」との指摘もあった2部作で1億6,600万ドルという予算は、スナイダー監督作『マン・オブ・スティール』(2013)の2億2,500万ドルに比べればリーズナブルだ。ただし1作あたりに換算すると、大ヒットを記録したNetflix映画『タイラー・レイク -命の奪還-』(2020)の6,500万ドルよりも高額。そこにプレミアイベント等のプロモーション費用もかさんでくる。
2024年4月には、続編『REBEL MOON: パート2 傷跡を刻む者』の配信開始を控えており、さらにはゲーム化やコミック化も決定しているなど、フランチャイズ化にも積極的だ。当然Netflixとしては、前編で勢いをつけておきたいところだろう。
とはいえ、批評家の意見だけが映画を評価するわけではない。Netflix映画『レッド・ノーティス』はRotten Tomatoesで批評家スコアが37%だったが、観客スコアは92%と高水準で、続編製作も決定している。現時点で『パート1 炎の子』の観客スコアは72%。『REBEL MOON』ユニバースの未来は、視聴者の手に委ねられていると言ってもいい。
Netflix映画『REBEL MOON – パート1:炎の子』は2023年12月22日(金)、続編『REBEL MOON: パート2 傷跡を刻む者』は2024年4月19日(金)配信開始。
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Source: Forbes,Rotten Tomatoes(1,2),Empire,The Wrap,The Guardian