人気海外ドラマの半数以上は女性が主役、2022〜2023年の米調査

米テレビ界で、男女平等を目指す動きが加速しているようだ。
ハリウッドのジェンダー平等に取り組む米Reframeが、2018年より恒例の「テレビ界におけるジェンダーと雇用に関するレポート」を発表。2022-2023年シーズンに公開された脚本シリーズの人気上位200作品において、女性の雇用に「前向きな進展」があったことを明かした。
調査では、女性が主演を務めるシリーズの数が、過去最高を記録したことがわかった。2022-2023年シーズンの人気上位200作品の内、女性が主役のシリーズは108作品(54%)。91作品(45.5%)だった前年から増加した。また、その内39作品(19.5%)が、有色人種の女性が主役のシリーズだったという。
助演キャストの多様化も進み、152作品(76%)で、50%以上の助演キャストが「女性またはその他の性別」であることがわかった。129作品(64.5%)においては、25%以上が有色人種の女性で構成されていたという。
脚本家は男女のバランスがとれた結果となり、女性によって執筆されたエピソードの割合は50.08%。前年の48.4パーセントから増加を示した。女性ショーランナーの割合も、前年の29.5%から32.5%に増加となった。
また女性監督が手掛けたエピソードの割合は、36%から40%に増加。しかしパイロット版だけでみると、女性が監督したのは、113本の内わずか31本。その内、有色人種の女性が監督したのはわずか3本で、すべてストリーミングサービス向けだったという。
なお、ReFrameは毎年キャストやスタッフなど主要なポジションの人材配置を評価し、ジェンダーを包括した雇用基準を満たした作品にスタンプを授与している。
エミー賞ノミネート作品で同スタンプを獲得したのは計6作品。コメディ部門からは「ウェンズデー」、「アボット・エレメンタリー」、「マーベラス・ミセス・メイゼル」、「一流シェフのファミリーレストラン」、「マーダーズ・イン・ビルディング」の5作品がスタンプを獲得。ドラマ部門は「イエロージェケッツ」の1本にとどまり、前年の3本から減少した。
ReFrameのディレクターは声明の中で、脚本シリーズは「男女平等を目指す動きにおいて、スタジオの長編映画をはるかに凌駕しています」とコメント。「我々は、この前向きな進展と、平均を押し上げた作品やショーランナーを祝福すると同時に、今年スタンプを獲得したシリーズの3分の1が、その後打ち切りとなったことも指摘したいと思います。脚本シリーズの開発・制作が再開されたら、男女平等が最優先事項であり続けること、そして女性が台頭してきたからといって進歩が停滞したり後退したりしないことが極めて重要です」と語った。
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Source:Stockhouse,The Hollywood Reporter