リドリー・スコット、「好きな映画を4本教えて」と聞かれて自作『ブレードランナー』を挙げる ─ 「この映画があらゆるものの基準になった」

『エイリアン』(1979)『ブレードランナー』(1982)から『最後の決闘裁判』(2021)『ナポレオン』(2023)まで、もはや50年近いキャリアを誇る巨匠リドリー・スコット。彼は“好きな映画を4本挙げろ”と問われたとき、どんな映画を挙げるのか──。
Letterboxdの直撃に、スコットは自身の代表作『ブレードランナー』を挙げた。これまで数え切れないほど実施されてきたような企画だが、自らの映画を挙げるクリエイターはまれである。また、『スター・ウォーズ』との興味深いエピソードも語られている。
Four Favorites with Alien director Ridley Scott and Alien: Romulus director @fedalvar @AlienAnthology #AlienRomulus pic.twitter.com/4Vthm4VUS0
— Letterboxd (@letterboxd) August 15, 2024
『エイリアン:ロムルス』のプレミアに登場したスコットは、「好きな映画を4本教えてください」との問いかけに、「大きな影響を受けた2本」として、スタンリー・キューブリック監督『2001年宇宙の旅』(1968)と、ジョージ・ルーカス監督『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)を挙げた。
いわく、前者は「コンピューターが人間よりミッションを重要視している、そこを『エイリアン』で真似した」とのこと。また、後者には忘れられないエピソードがあるようだ。
「(『スター・ウォーズ』は)最初の映画『デュエリスト/決闘者』(1977)を完成させ、カンヌで賞をもらった後に観た映画です。当時は次回作として『トリスタンとイゾルデ』をやる予定で、どこまで芸術的にやれるかと考えていましたが、『スター・ウォーズ』を初日の夜に観て3ヶ月間落ち込みました。“こんな映画が作られているのに、どうやって『トリスタンとイゾルデ』をやるんだ?”と。そこでUターンしたら、6週間以内に『エイリアン』のオファーが来たんです。偶然でしたが、“やります”と答えました。」
3本目は自らの代表作である『ブレードランナー』で、「この映画は、本当にたくさんのもの、あらゆるものの基準になった」と語る。そして4本目は、ジャン=ジャック・アノー監督『人類創世』(1981)。「あまり知られていないけれど、非常にクレバーで見事な映画です。ぜひ観てほしい」と強調した。「先史時代、雷によって火を発見した部族が、火をバスケットに入れて運ぶという物語。素晴らしいですよ」。
ちなみに、『エイリアン:ロムルス』を手がけたフェデ・アルバレス監督が選んだのは『血闘』(1952)、『エイリアン』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989)、韓国映画『オールド・ボーイ』(2003)。スコットの4本とともに、ぜひウォッチリストに入れてみては。
映画『エイリアン:ロムルス』は2024年9月6日(金)全国公開。
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