『シャイニング』ウェンディ役シェリー・デュヴァル逝去、75歳

映画『シャイニング』(1980)のウェンディ・トランス役などで知られるシェリー・デュヴァルが現地時間2024年7月11日、糖尿病による合併症のため亡くなった。75歳だった。
「私の親愛なる、愛しく素晴らしい人生のパートナーであり友人が、私たちのもとを去りました。この頃は苦しみが多すぎました。もう、彼女は自由になりました。飛び立て、美しきシェリーよ」。夫でミュージシャンのダン・ギルロイは声明を発表した。
テキサス州出身のデュヴァルは1949年7月7日に生まれ、ロバート・アルトマン監督の1970年公開作『BIRD★SHT』で銀幕デビュー。アルトマンに才能を見出され、『ギャンブラー』(1971)『ボウイ&キーチ』(1974)『ナッシュビル』(1975)『ビッグ・アメリカン』(1976)『3人の女』(1977)と出演を重ねた。
スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』では、ジャック・ニコルソンによる狂気に呑まれる主人公ジャックの妻役として、夫から逃げ惑うスリラーを熱演。斧を振りかざすジャックから隠れるシーンは、映画史上最もアイコニックなシーンとして有名である。
2002年にいちど俳優業を引退するが、2023年にインディペンデント・ホラー映画『The Forest Hills(原題)』に出演。これが遺作となった。
「真のアイコンであるシェリー・デュヴァルにご冥福をお祈りします。愉快で激しく、特異な役を数多く演じ、スクリーンを盛り上げてこられました」と、映画監督のエドガー・ライトはSNSで追悼している。「僕が特に好きだったのは、『ギャンブラー』『ボウイ&キーチ』『ナッシュビル』、素晴らしい『3人の女』『アニー・ホール』『バンデットQ』『愛しのロクサーヌ』、『ポパイ』のオリーブ・オイル役(コミック映画史上最高のキャスティングだ)、それからもちろん、『シャイニング』ウェンディ・トランス役の激しくて忘れ難い演技。あの映画でどんな恐怖が作り出されようとも、その迫力はデュヴァルの恐怖に満ちたリアクションによって成り立っています。彼女のスクリーンでの存在感の、なんと素晴らしかったことか」。
RIP to the truly iconic Shelley Duvall, who burned up the screen in many funny, intense and idiosyncratic roles. I especially loved her in ‘McCabe & Mrs Miller’, ‘Thieves Like Us’, ‘Nashville’, the extraordinary ‘Three Women’, ‘Annie Hall’, ‘Time Bandits’, ‘Roxanne’, her Olive… pic.twitter.com/CeNHV9h0ON
— edgarwright (@edgarwright) July 11, 2024
『シャイニング』原作者のスティーブン・キングも、『シェリー・デュヴァルの死去をとても残念に思います。素晴らしい才能をお持ちの、もっと世に出るべき俳優でした」と故人を偲んだ。
ご冥福をお祈りします。
Source:Variety