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ロバート・パティンソン出演作の話だけをする ─ 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』から『ザ・バットマン』、2分半の短編まで紹介させて

Robert Pattinson ロバート・パティンソン
Abaca Press/Marechal Aurore/Abaca/Sipa USA/Newscom/Zeta Image

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005)のセドリック役でキャリアを開花させたロバート・パティンソン。スーパーヒーロー映画から、気鋭監督の挑戦作まで、作品の規模やジャンルに縛られることなく、常に新しい表情を見せる、今日もっとも評価される俳優の1人だ。

天性の華やかさに加えて、キャラクターが秘める陰や闇、アクの強さの強さは、毎作忘れ難い存在感を放っている。本記事ではそんなロバート・パティンソンの、これまでに出演してきた作品を厳選していくつかを紹介したい。

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005)

ハリー・ポッターと炎のゴブレット
© Warner Bros.|写真:ゼータイメージ

『ハリー・ポッター』シリーズの第4弾となる『炎のゴブレット』より魔法ワールドにセドリック役で仲間入りしたパティンソン。ハリーたちの2歳上の上級生でクィディッチ寮代表チームのシーカーとキャプテンを兼任するセドリックは、フェアな精神に溢れる文字通り優等生タイプ。ハリーが恋心を抱くチョウ・チャンをセドリックがクリスマス・ダンスパーティのパートナーに選んだことから、ハリーからは敵対心を抱かれてしまうが、セドリックは常にハリーに気さくに接し、2人は徐々に友好を深めていく。

セドリックの登場は『炎のゴブレット』と回想シーンでの『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2007)のみだが、彼に訪れる悲劇は、その後のハリーと、シリーズが呈するダークな様相に大きく影響を与えている。

『トワイライト』シリーズ(2008-2012)

トワイライト
© Summit Entertainment Photographer: Peter Sorel 写真:ゼータイメージ

パティンソンの人気を更に加速させたのがステファニー・メイヤーによるベストセラーを原作とする『トワイライト』シリーズだ。クリステン・スチュワート演じる女子高生ベラ・スワンと恋に落ちる吸血鬼エドワード・カレン役を『トワイライト〜初恋〜』(2008)から『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2』(2012)まで計5作品で演じた。当時、プライベートでも交際していた2人はスターカップルとして注目を集めた。

吸血鬼はこれまで幾度となく実写化されてきた定番のキャラクターではあるものの、パティンソンによるエドワードはいっそう儚げで危うい雰囲気に満ち、ティーンエイジャーを筆頭に、世界中がベラとエドワードの恋物語に熱狂した。ともに高校生だった2人が最終章『ブレイキング・ドーン』で結婚し、ヴァンパイア一族存亡の危機に挑む様はまさに一大サーガ。本シリーズでともに大ブレイクしたスチュワートも今もなお、実力派女優として第1線で活躍を続けている。

『ディーン、君がいた瞬間』(2015)

ディーン、君がいた瞬間
© Cinedigm 写真:ゼータイメージ

『トワイライト』以降、パティンソンは大作からは少し離れ、中規模作品やインディペンデント系作品など、新機軸を果敢に開拓していく。

ディーン、君がいた瞬間』は24歳でこの世を去った永遠のスター、ジェームズ・ディーン(デイン・デハーン)とパティンソンが演じる写真家デニス・ストックが写真誌『LIFE』に掲載する写真の密着撮影を行った2週間にフォーカスするドラマ作品。ディーンが雨の日のタイムズスクエアを黒いトレンチコートのポケットに両手を突っ込み肩をすくめながらタバコをくわえて歩くモノクロのショットは、20世紀を代表する1枚でもある。自らのキャリアや家族との関係に葛藤を感じるストックが、奇跡の1枚を形にするために、ディーンとの関係を構築していく様子が、静かに、繊細に描かれている。

監督はデビュー作『コントロール』(2007)で夭折したジョイ・ディヴィジョンのメンバー、イアン・カーティスの人生を描いたアンコン・コービー。U2、デヴィッド・ボウイ、ビョークといった名だたるミュージシャンを撮影し続けてきたロック・フォトグラファーとしても広く知られているコービーだけに、写真作品への想い入れの強さと、創作活動への焦燥を感じさせる作品となっている。

『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』(2016)

ロスト・シティZ 失われた黄金都市
©Amazon Studios/Bleecker Street 写真:ゼータイメージ

『アド・アストラ』(2019)のジェームズ・グレイが監督・脚本を手がけた『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』は、ノンフィクション『ロスト・シティZ 探検史上、最大の謎を追え(NHK出版 )』を原作とするアドベンチャー映画。アマゾンの奥地に伝説の古代都市Zがあると信じて探検を続けて、1925年に消息不明となったイギリス人の探検家、パーシー・フォーセット(チャーリー・ハナム)の相棒ヘンリー・コスティン役をパティンソンが演じている。

古代黄金都市「エル・ドラード」を信じるパーシーが夢追い人であるのに対して、同行するヘンリーはどこか常にリアリスティックだが、次第に神秘に惹かれていく。旅が進むにつれワイルドさを増すルックスは、以降の出演作のいくつかにも共通する、パティンソンの魅力の1つだ。

また、パーシーの息子を演じているのが、ちょうどこの時、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)で注目を集め出したトム・ホランド。スター前夜を感じさせるホランドのより瑞々しい演技にも注目だ。

『ライトハウス』(2019)

ライトハウス
(C)2019 A24 Films LLC. All Rights Reserved.

監督デビュー作『ウィッチ』(2015)でその名を知らしめたロバート・エガースによる長編2作目『ライトハウス』は、19世紀のニューイングランドの孤島を舞台にしたスリラーだ。ウィレム・デフォー演じるベテラン燈台守ウェイクの元に、ミステリアスな新人の灯台守ウィンズロー(パティンソン)が訪れ、4週間、2人きりで灯台守を務めることになる。2人はそりが合わず衝突を繰り返すが、嵐により島に閉じ込められた結果、現実か虚構か区別のつかない世界へ誘われ、極限状態に追い込まれていく。

エガース作品に通底する神話や民間伝承からのインスパイアやそれらへの畏怖が濃厚に反映された本作では、35ミリのモノクロフィルム、1.19:1の画角といった技巧面からも、息が詰まるような空気が醸成され、観ている側に恐怖心や不安感を与えていく。

ライトハウス
(C)2019 A24 Films LLC. All Rights Reserved.

デフォーとパティンソンが徐々にやつれていく様が秀逸。2人の関係性は原則的に険悪だが、時に滑稽で、時にセンシュアルというつかめなさが、またこの作品をよりミステリアスに仕立てている。

Writer

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Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。

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