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「バットウーマン」ルビー・ローズに製作側が逆告発 ─ 「遅刻ばかりでセリフも覚えない」

バットウーマン
© and ™ DC Comics © Warner Bros. Ent. Inc.

DCコミックス原作、米CW局で放送中のドラマ「BATWOMAN /バットウーマン」の製作をめぐって不適切行為の数々を告発したルビー・ローズに対して、製作側のひとりがローズとは真逆の主張を切り返した。

「バットウーマン」シーズン1で主演を務めたルビー・ローズは2020年5月に突然の降板。2021年10月、ローズは沈黙を貫いていた降板の真相についてInstagramのストーリーに詳細を投稿した。撮影中の事故で緊急手術を伴う深刻な負傷もしていたローズは、プロデューサーの性的不適切行為や、コロナ対策への配慮のなさ、危険の伴うずさんな製作体制を指摘し、製作陣から心ない対応を受け続けていたことを告発した。SNSでは「#IStandWithRubyRose(ルビー・ローズを支持する」のハッシュタグと共に、ローズを支持する動きが広まった。

これを受けて、ローズと仕事を共にした製作アシスタントのアレクサンダー・J・バクスターが、米CBRを通じて長文のコメントを発表。酷い振る舞いを続けていたのはローズの方だったとして、真っ向から対立する構図となっている。

「SUPERGIRL/スーパーガール」などの製作に携わったバクスターは、向上心に燃え、「バットウーマン」の仕事に喜んで飛びついたという。しかし、「撮影現場で地獄が待っているとは思わなかった」として、ルビー・ローズの現場での振る舞いについて告発返し。

ローズは製作会社の人々がずさんであったことを咎めていたが、バクスターは「プロフェッショナルで、しっかりしていて、あらゆる面で素晴らしかった」と称えている。撮影クルーたちも「愛らしく勤勉で、幾夜にもおよぶ撮影に身を捧げていました」といい、製作が順調に進んでいたことを記している。

「そこに、ルビー・ローズがやってきた」。バクスターはそのような書き方で、ローズがいかに傍若無人だったかを書き連ねている。「彼女は、自分より目上の人以外、名前も憶えませんでした」。

「彼女は遅刻してばかりでした。セリフも覚えて来ません。自分より目下の製作アシスタントやLXクルー、グリップといった人たちに接するときは、まるでブーツで踏んづけるようでした。現場でも荒れて、人を怒鳴りつける。私たち製作アシスタントに対しては、いつもゴミ扱いでした」。

バクスターによると、ある朝は、ローズの指示通りに楽屋をセットアップすることだけに追われたこともあった。オーストラリア育ちのローズは、6台のヒーターや温かい軽食を要求した。凍える寒さの中で15時間通しで働いたというバクスターはローズのために扉を開けて待機していたところ、ローズが勢いよく入って来て、食べ物をこぼした。ローズは落ちたものを見て、それからバクスターに視線を移し、「どうすんの?(well?)」と言い、機嫌を悪くして立ち去ったという。バクスターはその後始末を強いられたと嘆いている。

「ルビーのもとで働くとは、こういうことです。彼女の散らかした後を片付けるということです。彼女はそのことに感謝もしません。ただ要求だけ突きつけられて、私たちは精神的にも肉体的にも疲れ果てました。」

バクスターは、ローズを「独裁者」と表現し、情熱を持ってこの業界に飛び込んだものの、彼女のせいで退職を考えさせられた、とも責めている。ローズも「どれだけお金を積まれても、頭に銃を突きつけられても、戻りたくない」と主張していたが、バクスターのほうも「こんな業界だと知っていたら、権利を主張するあんな暴君の下で働くなんて絶対に嫌だった」と主張している。

ある時バクスターは、ローズとは近しい友人だという人物と、偶然出会い系アプリを通じて会うことがあった。その男性からは、ローズが現場に8時間遅れた日も、彼女はパーティーにてドラッグでハイになっていたという裏話を聞いたという。「彼女は、私たちがどれだけ長時間彼女を待って、彼女のために全てを完璧に準備しているかなんて、気にもしていないんです。自分のパーティーライフの方が大事みたいですから」。

それからもバクスターは、ローズが遅刻常習犯であり、脚本も読まずに来るせいで、皆が残業を強いられたと続ける。「彼女は酷いスター。まるであの独裁者のために番組を作らされているような気分でした」。

「フィルムメーカーは、現場でどんな立場であれ、みな敬意を持って扱われるべきです。私は映画学校でそう教わりました。彼女が製作側の落ち度を責めている記事を読んだとき、腹が立ちました。その場にいたからこそ、彼女が会社の悪口を言って騙そうとするのをただ見ているなんて嫌だからです。どんなに嫌なことがあったって、残酷なことをする権利なんてありません。そして(「バットウーマン」)シーズン1は、彼女の残酷さに支配されていました」。

ルビー・ローズがInstagramのストーリーで告発した後、ワーナー・ブラザース テレビジョンは「事実と異なる」(原語は“ the revisionist history”で、直訳は“歴史修正主義”)」ものであり、ローズがドラマを降板したのは「ルビー・ローズの現場での振る舞いにおける複数の苦情を受けて」のことだったと発表している。またローズは共演者ダグレイ・スコットも名指しで非難していたが、スコットも「私は断固として、彼女の中傷的主張に反論します。全くの作り話であり、あり得ません」と反論していた。

前回:ルビー・ローズによる告発

Source:CBR

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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