『ラ・ラ・ランド』で3度目の共演!ライアン・ゴズリング&エマ・ストーンの”化学反応”を紐解く

映画内で恋人同士を演じる俳優たちが織りなす”化学反応”というのは、恋愛映画には最も大事な要素の一つだ。
古くはカサブランカのハンフリー・ボガート&イングリッド・バーグマン、『タイタニック』のレオナルド・ディカプリオ&ケイト・ウィンスレット、最近では『トワイライト』のロバート・パティンソン&クリステン・スチュワートなど、多くの名カップルたちが映画史にその名を刻んでいる。
この”化学反応”というのは、何も恋愛映画だけに起こるわけではなく、俳優と役柄の相性や台詞の決まり具合などありとあらゆる場面での巡り合わせによって生じる。
撮影中に起こる一種の魔法のようなもので、それを映像に収めるというのは、名だたる映画監督たちにも難しく、どんなに努力しようと人工的に生み出すのは不可能。
だが、俳優同士の相性の良さなどのキャスティングの妙で、”化学反応”の起きた映画というのは間違いなく観客の心に残る素晴らしき名作として認知される。
この”化学反応”が大いに発揮され、新たな名作が映画史に刻まれることとなった。
それが、『ラ・ラ・ランド』だ。

http://www.imdb.com/title/tt3783958/mediaviewer/rm3967749632?ref_=tt_ov_i

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『セッション』のデイミアン・チャゼル監督の長編映画3作目となるミュージカル映画だが、チャゼルと言えば、『セッション』でも主演のマイルズ・テラーと鬼のようなコーチ フレッチャーを演じたJ・K・シモンズとの間に見事な”化学反応”が起きて、名作と謳われた監督だ。
そして、その”化学反応”が最新作『ラ・ラ・ランド』でも偶然起きた。
偶然と言ったのには理由があり、元々本作の主演候補は『セッション』でもタッグを組んだマイルズ・テラーと『美女と野獣』の公開を控えるエマ・ワトソンとの共演で持ち上がった企画だった。
しかしスケジュールやギャラの都合上、二人は降板。代わって、ライアン・ゴスリングとエマ・ストーンが抜擢されたという経緯がある。
そう、感の良い人ならおわかりだろうが、最も大事な二人の主演俳優 ライアン・ゴズリングとエマ・ストーン・・・彼らを偶然の巡り合わせで起用できたことに『ラ・ラ・ランド』の成功の秘密が隠されているのだ。
そして、実に3度目の共演となった彼らが織りなす独特な”化学反応”もまた、目を惹くものがあり、今回はその”化学反応”について紐解いて行こうと思う。

『ラブ・アゲイン』の出会い (エマがライアンの魅力を引き出す)

ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンの出会い、つまり初共演となった作品は、2011年の『ラブ・アゲイン』。

http://www.imdb.com/title/tt1570728/mediaviewer/rm3988307712?ref_=ttmi_mi_all_sf_15

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スティーヴ・カレル主演のコメディ映画で、ライアンはカレル演じる中年男にモテる秘訣を伝授していく役どころ。
一方のエマは弁護士の卵で恋愛に対しては冒険をしない安定した恋を求める女性を演じる。
この二人がひょんなことから出会い、恋に発展し、新たな恋愛観を見出していく。
これが初共演となったのだが、何度も共演を果たしているかのごとく、息の合った掛け合いを魅せており、いわゆる”化学反応”が起きている。
その”化学反応”を感じさせる場面と言うのが、ライアン演じるジェイコブの自宅にエマ演じるハンナが向かい、落ち着きのないエマに対し、動揺を見せるライアンの表情が堪らなくキュートに映る。
そしてその後の展開に至るまで、エマの活発な魅力がライアンのたどたどしい表情を引き出しており、それまでシリアス系作品への出演が多かったライアンのコメディセンスを存分に引き出しているのだ。
さらに今思えば、『ラ・ラ・ランド』を彷彿とさせるありとあらゆるシーンが盛り込まれている作品で、この頃から5年後の共演を予見させていたのかもしれない。

『L.A.ギャングストーリー』の再会 (ライアンがエマの魅力を引き出す)

その2年後、二人は再び恋人同士として共演することになる。それが、『L.A.ギャングストーリー』。

http://www.imdb.com/title/tt1321870/mediaviewer/rm2109584640?ref_=ttmi_mi_all_sf_60

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実話を基にしたギャング・アクション。
本作でライアンはギャングのボスであるミッキー・コーエンを倒すために編成された警察チームの若きホープを演じ、エマはそのミッキーの恋人を演じる。
本作の肝はロサンゼルス市警がギャングを倒そうとする姿を描くものだが、脇で展開されるのが、ライアンとエマの恋愛劇だ。
刑事とギャングの女とでは当然ながら許されぬ恋。
その障害を越えようとする姿が何とも小気味よく、叶わぬ恋と言うよりも運命的な出会いを思わせる。
前回の共演『ラブ・アゲイン』ではエマがライアンの魅力を引き出したが、本作ではその逆でライアンがエマの魅力を引き出している。
それまでコメディを中心に軽い表情を魅せることの多かったエマが、ライアンの切羽詰まった表情に感化され、危うい芝居を魅せる。
同時に悪女的に男を翻弄する姿も魅せ、新鮮な役割を果たす。
この後エマ自身、役柄の幅が広がったのも事実なのである。

そして、『ラ・ラ・ランド』の別れ・・・

そのまた3年後、3度目の共演となったのが、2017年2月24日から公開中の『ラ・ラ・ランド』だ。

http://www.imdb.com/title/tt3783958/mediaviewer/rm2015363072?ref_=ttmi_mi_all_sf_126

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成功を夢見る女優の卵をエマが、ジャズピアニストをライアンがそれぞれ演じる本作は、ミュージカルということもあり、お互いに新たな魅力を引き出した印象が強い。
3度目の共演ともなれば、お互いの気心も知れて、存分に役に集中できるということもあり、両者ともに水を得た魚のごとく、自由に演技をしているのだ。
この事が大いに影響して『ラ・ラ・ランド』でも”化学反応”を起こして見せる。
ミュージカルと言えば歌の得意な俳優陣によって構成されていることが多いが、正直ライアンとエマに関しては、上手くも下手でもない普通と言ったところ。
しかしそれでも魅力的に映るというのは、やはりこの2人の抜群のコンビネーションが生み出す魅力が功を奏しているからだ。
カリスマ性のあるピアニストを演じるライアンとあまりパッとしない女優志望の女の子を演じるエマ・・・異なるカラーを持つ劇中のセブとミアのように演じる彼ら二人もお互いを支え合いながら、一つの作品を作り上げている。
これまで2作品に渡って培ってきた相性が、今回3度目の共演で互いに魅力を爆発させる結果を生み、完璧なハーモニーを奏でる。
異なる魅力を持った俳優同士が同じ方向を向くことで印象がガラリと変わり、それがデイミアン・チャゼルが描き出す世界観と重ね合わさった時に完全なる調和が生まれ、大きな”化学反応”を起こすのだ。
これこそがライアン・ゴズリングとエマ・ストーンが織りなす独特な”化学反応”であり、『ラ・ラ・ランド』が人々に愛される要因なのではないか。

5年もの間、彼ら二人の織り成す恋愛劇を観てきた筆者にとっては、ラストに巻き起こる展開はまるで二人の俳優がお互いに新しい道を歩んで行くように映り、切なさと未来への希望、双方が存在するエンディングのように思えた。
これからもこの二人には共演し続けてもらいたいものだが、ファンだからこそイメージ的にはこの美しいエンディングに留めておきたい気持ちもある。

『ラ・ラ・ランド』をもう観た人も、これからの人も二人が共演した前2作をぜひとも鑑賞してもらいたいものだ。

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About the author

映画・海外ドラマライター。

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  • 『ラ・ラ・ランド』で3度目の共演!ライアン・ゴズリング&エマ・ストーンの”化学反応”を紐解く ラ・ラ・ランドの写真や動画等、調査結果まとめ – 話題のキーワードの調査結果話題の 2017年3月6日 at 3:16 AM

    […] 三日月 (@838439560740642816) Wed Jan 09 03:51:04 +0000 2013 『ラ・ラ・ランド』で3度目の共演!ライアン・ゴズリング&エマ・ストー… そう、感の良い人ならおわかりだろうが、最も大事な二人の主演俳優 […]

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  • 「ラ・ラ・ランド」で3度目? あの二人が恋人同士で出演した映画 – あんなことこんなこと 2017年3月7日 at 7:30 AM

    […] 出典『ラ・ラ・ランド』で3度目の共演!ライアン・ゴズリング&エマ・ストーンの”化学反応”を紐解く | ORIVERcinema […]

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  • 「ラ・ラ・ランド」で3度目? あの二人が恋人同士で出演した映画 | 純喫茶 ひまつぶし 2017年3月7日 at 3:48 PM

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