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痛がりな私のSAW日記『SAW』『SAW2』『SAW3』編 ─ 『ジグソウ:ソウ・レガシー』予習に

©2004 SAW PRODUCTION INC.

こんにちは、アナイスです。以前、「ビビリな私のバイオ日記」たる企画をさせていただきました。人気シリーズの続編が出た時、過去作が多すぎると新規で観づらいとか、過去作品の内容や設定があんまり思い出せなくて尻込みしてしまう、なんて事ありますよね。

 この度2017年1110日(金)に劇場公開される『ジグソウ:ソウ・レガシー』は、かの有名な『SAW』シリーズの8作目にあたる最新作となります。8作品! こんなに『SAW』ってあったんですよ。一足先に試写で鑑賞してきましたが、今作は今までのシリーズを観ていた人にとっては絶対観ておくべき作品! 

そこで今回は『痛がりな私のSAW日記』をお届け。
こちらの記事では記念すべき一作目『SAW』(2004)から『SAW2』(2005)、『SAW3』(2006)と、リー・ワネルが脚本を手がけた三部作をご紹介します。

注意

この記事は、映画『SAW』『SAW2』『SAW3』のネタバレを含むあらすじを振り返る記事です。

『SAW』(2004)

©2004 SAW PRODUCTION INC.

監督:ジェームズ・ワン
脚本:リー・ワネル

『SAW』シリーズにおいて、このシリーズの真髄ともいうべき部分を最も描いている作品です。

主な登場人物

  • ゴードン:ゲームに(強制)参加する外科医。
  • アダム:とある調査をしていたカメラマン。今作の脚本家リー・ワネルが演じている。
  • ゼップ:ゴードンが働く病院で働く男。日頃ゴードンに対して不満を抱いていた。
  • ジグソウ:生きる意味を見い出させ、更正させるためにゲームをする、お節介おじさん。
  • タップ刑事:ジグソウの事件を追う黒人刑事。
  • シン刑事:タップの相棒である若手刑事。
  • ケリー刑事:ジグソウの事件を追う女刑事。

このシリーズで重要なのは、3人の刑事キャラ。続編にも共通して登場してくるので、名前と顔の一致が必要です。

ゲーム「6時間以内にどちらかを殺さないと、2人とも死ぬ」

SAW』シリーズは主にジグソウのゲームの餌食となっている“被験者”サイドと、ジグソウを追う刑事サイド、2つのストーリーが同時進行していきます。

 ゴードンとアダムは目覚めると、汚い浴室に足を鎖で繋がれた状態で監禁されています。部屋の真ん中には、血まみれで倒れている死体のほか、「再生してね」と書かれたテープ、拳銃と一発の銃弾、煙草2本と着信専用の携帯、2本のノコギリ。テープの内容は「6時間以内にどちらかを殺さないと、2人とも死ぬ」というジグソウからのメッセージ。

ジグソウとは有名な猟奇殺人鬼のことで、命を粗末に扱ったり、悪事を働く人間を捕まえては、命を賭けた極限状態の中で生きる意味を改めて考えさせ、更正させることが目的です。今回捕まったゴードンは妻子持ちなのに浮気をする「家庭を顧みない男」であり、アダムはそんなゴードンの浮気調査をしていたカメラマンでした。

©2004 SAW PRODUCTION INC.

ゴードンは、このゲームがジグソウの仕業だと気づき、アダムに「自分も容疑者と疑われていた」のだと過去の事件(ゲーム)について語りはじめます。その内容と結果は、以下の通り。 

ポール:自傷癖があり自殺を図ろうとしたので、カミソリワイヤーでいっぱいの部屋から脱出しろというゲーム(痛い)→死亡。

マーク:放火魔であり毒を盛られた男が、解毒剤の入った金庫を開けなければいけない。引火性物質が身体中に塗られた状態で、ロウソクの火を頼りに壁に書かれた数字から金庫の番号を読み解くゲーム(熱い)→死亡。

アマンダ:麻薬中毒者。顔面にトラバサミを仕掛けられている。その鍵は同じ部屋に倒れている男(死体のはずが生きていた)の胃の中にあるため、相手を殺して腹を割かなきゃいけないゲーム(グロい)→生還

アマンダが唯一の生存者であることが、後に重要となってきます。

過去のゲームから真相を追う刑事たち

さて、刑事たちは過去に行われたゲームの現場にゴードンのペンライトが落ちていた事から、彼を容疑者と仮定して事件を捜査しています。 タップ刑事とシン刑事たちはゴードン宅に突撃。その際に、とある男に殺されそうだった妻子を助けますが、シン刑事は攻撃されて死亡、タップ刑事は彼を取り逃がしてしまいます。

ゴードンの妻子は自宅で縛られていて、ゴードンが制限時間内にアダムを撃たなければその妻子が何者かによって殺されることになっていました。彼女達を縛り、殺そうとしているのはゴードンの病院で働くゼップという男。彼は普段からゴードンの患者に対する態度に不満を抱いていたんです。
そして彼もまた、ジグソウの注射を受けて「タイムリミットになったらゴードンの妻子を殺せ、じゃないとお前も死ぬ」というゲームを課せられていました。

 しかし刑事たちが部屋に入って来て妻子は助かり、ゼップは若手刑事を殺害して逃亡。追いかけたタップ刑事はゼップを追いつめるも、彼に射殺されます。

©2004 SAW PRODUCTION INC.

どんでん返し、ゲームの幕切れへ

アダムとゴードンにとっての時間切れが迫り、ゴードンは妻子が殺されると思い、焦るがままにノコギリで足を切断し(痛い)、拳銃でアダムを撃ちました。アダムは倒れますが、その時ゼップが浴室に入ってきます。このゲームの結末を確認しにきたのです。 

ゼップはゴードンを撃ち殺そうとしますが、背後からアダムが掴みかかって阻止し、ゼップを殺害。ゴードンが助けを呼んでくると部屋の外を出た後に、なんと部屋の真ん中にある死体が動き出します。この死体こそ、ジグソウことジョン・クレイマー。彼はゴードンの患者で末期がんを患っていました。そして、立ち上がったジグソウが「ゲームオーバー」と言いながら、アダムを取り残して部屋を閉めるという鬱エンドを迎えるのでした。

『SAW2』(2005)

©2005 SAW 2 PRODUCTIONS,INC.

監督:ダーレン・リン・バウズマン
脚本:リー・ワネル、ダーレン・リン・バウズマン

©2005 SAW 2 PRODUCTIONS,INC.

冒頭の情報屋のゲーム「顔面アイアンメイデン(上画像参照)」が痛すぎて辛いです。眼球の奥に鍵があるなんて、どうやって取ればいいんですか先生。

主な登場人物

  • マシューズ刑事:今作の主人公的な、ジグソウを追う刑事。息子がゲームに参加している。
  • ケリー刑事:前作から引き続きジグソウを追う女刑事。マシューズ刑事の相棒。
  • リッグ:エリックの同僚であるSWAT隊長の黒人警官。
  • ジグソウ(ジョン・クレイマー):生きる意味を見い出させ、更正させるためにゲームをする、お節介おじさん。末期がん患っている。
  • ダニエル:マシューズ刑事の息子。窃盗経験あり。
  • アマンダ:前作で登場した過去の唯一のゲーム生存者。なのにリスカするもんだから、またゲームに参加する事になる。

ジグソウを追いつめた刑事、ゲームへと誘われる

©2005 SAW 2 PRODUCTIONS,INC.

マシューズ刑事は、自分が使っていた情報屋の男がジグソウによって殺されたのを発見。その後、ケリー刑事やリッグ隊長率いるSWATとアジトに突撃してジグソウを捕獲します。しかし、そこにあったテレビモニターで、どこかの屋敷でゲームが行われている様子を確認。しかも、行方不明になっていた自分の息子がその中にいました。

マシューズ刑事は、ジグソウにあるゲームを仕掛けられます。それは、「2時間自分と話せば息子を助ける」というものでした。居場所を突き止めるためにも、ジグソウを殺すことができない彼は、そのうち我慢の限界を迎えてジグソウを車に乗せ、屋敷に向かいます。

ゲーム「神経ガスが充満した屋敷で、2時間以内に解毒剤を打て」

©2005 SAW 2 PRODUCTIONS,INC.

屋敷では7人の悪い大人たちとマシューズ刑事の息子ダニエルが狼狽えています。実は、この8人にはある共通点があるのです。

彼らのいる屋敷には神経ガスが充満していて、2時間以内に解毒剤を打たなければ身体中から出血して死に至ってしまいます。各々が屋敷内で解毒剤を探すのですが、それぞれに“合った”ゲームが用意されていて、クリアすれば解毒剤を獲得できるという仕組みでした。それぞれのゲーム内容は以下の通り。

オビさん(放火魔・詐欺師):棺桶の中に解毒剤があり、それを取ると扉が閉まって燃え上がるという、自分に向けられている怒りの炎を体感するゲーム(熱い)→死亡。

ザビエルさん(麻薬ディーラー):使用済みとなった注射器の海の中に入って、解毒剤入りの注射器を探すゲーム……なのに、性格が悪すぎて自分でやらず、アマンダを突き落として彼女に無理矢理挑戦させる(酷い)→アマンダが高速で見つけて生還。 

 ローラさん(盗人):神経ガスが早く作用(残念)→死亡。

アディソンさん(売春婦):ゲームのルールも聞かず、何も確認せずにガラスの箱の中にある解毒剤を取る…けど、箱の中に手を入れたが最後、返しに引っかかって抜けなくなる(阿呆)→死亡確定。

ゲームの後半で、ザビエルは参加者の首に振られた番号が脱出に必要なキーとなることに気づき、それ見たさに釘バットでジョナスを殺害します。一方で、アディソンはダニエルとマシューズ刑事のツーショット写真を発見。
ダニエル以外の7人には、マシューズ刑事が過去に証拠をでっち上げて刑務所に入れた犯罪者という共通点があったのです。ザビエルもそれに気づき、アマンダと行動するダニエルの命を狙います。

ジグソウの後継者

©2005 SAW 2 PRODUCTIONS,INC.

屋敷の地下に逃げたアマンダとダニエルは、ある部屋にたどり着きます。そこはなんと、一作目でゴードンとアダムがゲームをした浴室でした。そこでザビエルが二人に襲いかかりますが、ダニエルが彼を殺します。

マシューズ刑事が屋敷の中に単独で乗り込んだ後、SWATも屋敷の位置を確認し、突入します。しかし、ジグソウのアジトに残ったケリー刑事はSWATの姿が見えないと訴えます。なんと、映像は現在進行形のものでなく、過去のものだったのです。さらにSWATが突入した場所は別の屋敷でした。
マシューズ刑事は単独で屋敷の地下に進み、ザビエルの死骸を発見します。先述の通り、屋敷のゲームは現在行われたものではなく、ザビエルは死後数時間経っています。

刑事が奥のバスタブを覗き込むと、そこで豚のマスクを被った何者かに襲われて注射を受けます。その人物こそアマンダでした。なんと彼女は、一作目のあとジグソウの後継者になり、刑事を自分にとっての最初の“被験者”にするためにゲームに参加していたのです。一作目のアダムらのように、足を鎖に繋がれたマシューズに対し、アマンダは「ゲームオーバー」と告げて浴室の扉を閉めるという鬱エンドを迎えるのでした。 

『SAW3』(2006)

©2006 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved

監督:ダーレン・リン・バウズマン
脚本:リー・ワネル

主な登場人物

  • ジェフ:今作の主人公的なキャラ。妻と娘がおり、息子を轢き殺された過去を引きずっている。 
  • ジグソウ(ジョン・クレイマー):生きる意味を見い出させ、更正させるためにゲームをするお節介おじさん。末期がんを患っている。
  • アマンダ:過去のゲーム生存者であり、ジグソウの後継者として奮闘する、瞬間湯沸かし器みたいな女。
  • リン:拉致され、ジグソウの延命を強いられる女性ドクター。
  • ケリー刑事:一作目から登場する、ジグソウ事件の捜査官。失踪した元相棒のマシューズ刑事の行方を追う。
  • リッグ:2作目に登場したSWAT隊長でもある警官。
  • ホフマン刑事:アリソンの部下の刑事。

刑事、アマンダによる不条理なゲームの餌食に

©2006 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved

マシューズ刑事の行方を追うケリー刑事は、またしてもジグソウの犯行と思われる「ある現場」に向かいます。そこでは男が身体中を鎖で繋がれていて、時間内にひきちぎって逃げなければ爆弾が作動するというゲーム(痛い)が行われていました。しかしこれがまた、どれだけ頑張っても爆弾には解除機能がついていないという仕掛けだったのです。 

ジグソウのゲームは、身体の一部など何かしらを失えば生還できる内容でした。しかし、このような絶対に死ぬゲームは何かおかしいと睨んだケリー刑事。実はこれ、ジグソウが作ったのではなく後継者のアマンダが作ったものでした。
そして、ケリー刑事はアマンダに拉致されて、時間内に酸の中に入った鍵を取らなければ身体をひきちぎられるゲームをさせられます。なんとか鍵をとったのに、鍵が合わない! 時間切れになって、ケリー刑事は悲惨な死に方をしてしまうのでした。酷い、酷すぎる!

ゲーム「息子の死に関わった者を赦す事ができるか」

さて、ジェフという男がある工場で目覚めます。彼は息子を轢き殺されてしまった辛い過去を背負っています。復讐心ばかりに執着する彼に課せられたゲームは「自分の息子の死に関わった人間を赦して前に進むことができるか」というもの。そのゲームの詳細や、参加者は以下の通り。

ダニカさん(証言をしなかった目撃者):真っ裸で冷凍室に釣るしあげられ、水責めの刑。ジェフが許して鍵をとり、解放するゲーム(寒い)→間に合わずに凍死。

 ハルディンさん(犯人に軽罪しか下さなかった判事):拘束された釜の中に、腐った豚のミンチや体液が絶えず降り注いでくる刑。ジェフが息子の遺品を焼いて鍵を取り、解放するゲーム(汚い)→生還。ちなみに筆者はこの場面が辛すぎて、一旦観るのをやめました。

ティモシーさん(息子を轢いた張本人):四肢と頭が装置によって180度回転していく刑。鍵をとるとショットガンが作動するゲーム(痛い)→ジェフが鍵をとると、ショットガンが後ろに立っていた判事に命中。解除が間に合わずティモシーも死亡。

©2006 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved

そんな中、アマンダによって名医であるリンが拉致されます。その目的は、ジェフのゲームが完了するまで、余命短いジグソウの延命をさせるためでした。リンの首には装置がつけられ、ジグソウの心拍数が停止すると同時に作動する仕組みになっています。
リンは名医なので、怖がりながらもかなり良い仕事をします。そのふるまいにジグソウも感謝して、ゲームが成功すれば解放することを約束していました。しかし、そのことにアマンダが嫉妬し、リンのゲームは成功のうちに終了したにもかかわらず、彼女を撃つのでした。

そんなアマンダに対して、ジグソウはすべての真相を語ります。実は、彼は後継者であるアマンダの作る「死亡不可避なゲーム」が、自分のポリシー(生きるチャンスを与える)に反すると考え、自分の後継者を務められないのではないかと考えていたのです。リンのゲームに隠された目的は、アマンダが彼女を無事解放するかどうかというテストだったのです。アマンダ、失格!

ゲームの主催者、ジグソウを許す事ができるか

©2006 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved

そんな一悶着あるところに、なんとジェフがやってきます。彼の手には銃が握られていました。そう、ジェフに課せられた最後の「許す」ゲームの対象はジグソウだったのです。しかし、そこで撃たれて浅い呼吸をしているリンを見つけます。なんと、リンはジェフの妻でした。事故の事ばかりに気をとられ、家庭を顧みない彼に愛想をつかしたリンは浮気をしていたんです。 
妻を撃たれて逆上したジェフにアマンダは射殺され、そして「許す」と言っていたジグソウさえも殺してしまいます。

ジグソウの心拍が止まってしまえば、リンの首に付けられた装置は作動してしまいます。本当ならばリンは生き延びられたにもかかわらず、最後にはジェフが復讐心を捨てられなかった故に死んでしまうのです。しかも、ジグソウがジェフの娘を建物のどこかに監禁していることもわかり、その居場所を聞く事もできなくなってしまったという鬱エンドを迎えるのでした。


あれ、おかしい。『SAW』って鬱エンドしかないですね……!
次回の記事でご紹介する『SAW4』(2007)から『SAW ザ・ファイナル』(2010)にかけて、ハッピーエンドは訪れるのでしょうか?

ジグソウ:ソウ・レガシー
(C)2017 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

シリーズ最新作『ジグソウ:ソウ・レガシー』は2017年11月10日公開です。

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ANAIS

ライター/編集者/Ellegirlオフィシャルキュレーター、たまにモデル。ヌーヴェルヴァーグと恐竜をこよなく愛するナード系ハーフです。

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