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スカーレット・ヨハンソン、性的マイノリティ役演じる映画から降板 ─ 「なぜ非トランスが演じるのか」批判受け

©THE RIVER

新作映画『Rub and Tug(原題)』トランスジェンダーの主人公を演じるとして発表されていたスカーレット・ヨハンソンが、批判を受けて降板していたことが分かった。

©THE RIVER

『Rub and Tug』は、1970~1980年代に“風俗街の帝王”として君臨したジーン・マリー・ジルを描く物語。身体的には女性、精神的には男性だったとされ、男性名ダンテ・“テックス”・ジルとしても知られていた人物だ。

非トランスジェンダーのヨハンソンがこの役を演じることについては、一部で強い反発の声が挙がっていた。Indepent誌は「スカーレット・ヨハンソンよ、申し訳ないが”役を演じる”のは”アイデンティティを演じる”のとは違うのだよ」と題された記事を発表。他、ドラマ「トランスペアレント」(2014-)のトレース・リセッテや「センス8」(2015-2018)のジェイミー・クレイトンらトランスジェンダーの役者も、このキャスティングに疑問を呈していた。

「え?ってことは、あなたは私たちを演じられるけど、私たちはあなたを演じられないってこと?ハリウッドって本当にクソ。もし私が、非トランスジェンダー役のためにジェニファー・ローレンスとスカーレットと同じ立場にいるっていうならこんなに興奮しないけど、今回は違うよね。もうめちゃくちゃだよ。」

トランスジェンダーの役者は、トランスの役以外ではオーディションにすら行けない。これは実際に起こっている問題です。私たちはその可能性にすらたどり着けないのです。トランスジェンダーの役者を、非トランスのキャラクターとしてキャスティングしてください。(できるものなら)やってみなさい。」

スカーレット・ヨハンソン、LGBTQ系メディアでコメントを発表

ヨハンソンはこの論争が巻き起こった当初、「ジェフリー・タンバー、ジャレッド・レト、フェリシティ・ハフマンの代理人にも意見を求めてはどうですか、と(反発している人たちに)お伝え下さい」とコメントしていた。しかしその約一週間後、LGBTQを扱うメディアOut Magazineにて、自身の『Rub and Tug』降板を伝えると共に、以下の声明を発表している。

「ダンテ・“テックス”・ジル役としての私のキャスティングについて巻き起こった議論について、道徳的な観点から、謹んでこのプロジェクトを降りることといたしました。

今後も、トランスジェンダーの方々についての文化的な理解を進めて参ります。また、私がキャスティングについての声明を最初に発表して以降、(トランスジェンダーの方々の)コミュニティから多くのことを学んだと共に、いかに自分が無神経であったかということに気づきました。トランスのコミュニティに大きな尊敬と愛を抱くと共に、ハリウッドにおいて包括性に関する議論が続いていくことに感謝しております。GLAAD(編注:Gay & Lesbian Alliance Against Defamation=中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟)によれば、2017年のLGBTQ+ のキャラクターは、前年と比較し40%減少しており、また大手スタジオでのトランスジェンダー役は見られなかったそうです。

私は、ダンテの物語や変遷というものに生命を吹き込める機会を嬉しく思っていました。ですが、多くの人々が、ダンテはトランスジェンダーの人物によって演じられるべきと感じている理由も理解できます。また私は、キャスティングに関するこの議論が ─ たとえそれが物議を醸すようなものであっても ─ 映画界での多様性と表現に関する、より大きなものとして活況を呈したことに感謝しています。

全てのアーティストが、等しく公平に尊敬されるべきであると強く思います。私たちの製作会社は、積極的にこのプロジェクトを遂行し、楽しませ、限界を押し上げていくようなものにして参ります。すべてのコミュニティと共に、強く心に訴えかけるような大切なストーリーを、世界中の観客の皆様にお届けできることを楽しみにしています。」

映画『Rub and Tug(原題)』について、ヨハンソンの後任や今後の製作日程については不明。

Source: Out MagazineTrace Lysette, Jamie Clayton

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まだいEriko

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